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増えるアキラと最終防衛機構

第十六話 増えるアキラと最終防衛機構


「増えたぁぁぁぁぁ!?」


 僕の叫びが学園中に響いた。


 光の中から現れた巨大な人影。

 身長は三メートル近い。

 白銀の装甲。

 青白く光る紋様。

 圧倒的な存在感。

 そして顔だけが――

 僕だった。


「いやいやいや」


 僕は思わず後ずさる。


「なんで!?」


 クロも困惑していた。


「僕に聞かれても」


 シオンが真顔で言う。


「アキラって分裂する生き物だったのか」


「違うよ!?」


 リンも頷く。


「新発見だね」


「だから違うって!」


 メイアが小さく呟いた。


「アキラ牧場」


「牧場じゃない!」


 ルナまで乗っかる。


「繁殖力すごいですね」


「繁殖してない!!」


 ベルが真面目な顔でメモを取っている。


「アキラ様、繁殖説は否定と」


「記録しなくていいから!」


 エルフィアは肩を震わせていた。

 笑いを堪えている。

◇◇◇

 その時だった。

 巨大な守護者が動く。

 ゴォォォォ……

 ゆっくりと目が光る。

◇◇◇


『認証完了』


 機械のような声。


『管理者確認』


 視線が僕へ向く。


『アキラ』


「はい」


 反射的に返事した。


『管理者確認』


『アキラ』


 クロを見る。


「はい」


 クロも返事した。


『管理者確認』


『アキラ』


 今度は自分自身を指差した。


「はい」


 全員沈黙。


「お前もアキラなのかよ!!」


 シオンが叫んだ。


 僕も同じこと思ってた。


 守護者は答える。


『正式名称』


『アーカイブ・アキラ・タイプゼロ』


「長い!」


「アキラでいいんじゃない?」


 リンが言った。


「ダメだろ!」


 もう二人いる。


 三人目だ。


 するとメイアが手を挙げた。


「アキラ三号」


『承認』


「受け入れた!?」


 守護者改めアキラ三号は満足そうだった。

 機械なのに。


 その時。

 空の黒い騎士たちが動き出す。


 千体以上。


 一斉にこちらへ向かってくる。


「まずい!」


 ベルが叫ぶ。


「数が多すぎます!」


「どうする!?」


 僕が聞く。


 すると。


 アキラ三号が前へ出た。


『問題なし』


「え?」


『殲滅開始』


「待ってなんか怖い!」


 次の瞬間。


 ドォォォォォォォン!!


 空へ巨大な光柱が放たれた。


 黒い騎士が何十体も消し飛ぶ。


「強すぎる!!」


 全員が叫んだ。


 シオンだけ興奮していた。


「かっけぇぇぇ!!」


「テンション上がってる場合じゃない!」


 しかし。

 確かに強かった。


 一撃で何十体も倒している。


 だが。

 敵も止まらない。


 次々と現れる。


 空を埋め尽くすほどに。


 セレナが静かに笑う。


「さすがですね」


「褒めてる場合?」

 僕が聞く。


「褒めています」


「会話になってない!」


 その時だった。


 クロが突然頭を押さえる。


「ぐっ……!」


「クロ!?」


 僕が支える。

 すると。

 僕の頭にも何かが流れ込んできた。

 知らない景色。

 知らない世界。

 そして。

二人の少年。

 そっくりな顔。

 一人は僕。

 もう一人はクロ。

 いや。

 違う。

 本当は....一人だった。


「え……」


 僕とクロが同時に息を呑む。

 そして。

 ベルが震える声で呟いた。


「思い出し始めています……」


「何を?」


 ベルは僕たちを見る。


「アキラ様がなぜ転生したのか」


「クロ様がなぜ生まれたのか」


 その表情は今までになく真剣だった。


「全ての始まりです」


 世界の秘密が。

 ようやく明らかになろうとしていた。


第十七話へ続く

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