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異世界転生~それっぽいことしたら魔法が使えちゃった~

思いつきで書いたものなので

言葉が足りないところがあると思いますが

暖かい目で見ていただけると嬉しいです

のんびり書いて行けたらいいなっと思っております

第一話 目が覚めたら異世界でした


 ――暖かい。

 最初にそう思った。

 春の日向ぼっこみたいな心地よさに包まれながら、僕はゆっくりと目を開けた。


「……あれ?」


 見慣れない天井だった。

 しかもやたら高い。

 僕の部屋じゃない。


「えっと……ここどこ?」


 ベッドから起き上がる。

 窓の外には石造りの街並みが見えた。

 赤い屋根。

 馬車。

 剣を腰に下げた人。

 ローブ姿の人。


「……コスプレ?」


 いや違う。

 どう考えても違う。

 僕は昨日、普通に学校から帰って、ゲームして、お菓子食べて、気づいたら寝ていたはずだ。

 なのに今いる場所は明らかに日本じゃない。


「夢かなぁ」


 頬をつねる。

 痛い。


「夢じゃないみたいだね」


 なんとなく他人事みたいに呟いた。

 すると部屋の扉が勢いよく開いた。


「おお! 起きたか!」


 入ってきたのは金髪の男の子だった。

 年齢は僕と同じくらい。

 背も高い。

 元気そう。

 というか元気そのもの。


「よかった! 三日も寝てたから心配したんだぞ!」


「三日?」


「おう!」


 男の子は豪快に笑った。


「俺はシオン! お前、街の外で倒れてたんだよ!」


「僕はアキラ」


「よろしくな、アキラ!」


 初対面なのに距離が近い。

 でも不思議と嫌な感じはしなかった。


「ところでさ」


「ん?」


「ここってどこ?」


 シオンは一瞬きょとんとした。


「どこって……王都アルカディアだけど?」


「王都?」


「え?」


「アルカディア?」


「え?」


 二人で見つめ合う。

 そして。


「……もしかして記憶喪失か?」


「たぶん違うかな」


 僕は正直に事情を話した。

 日本という国に住んでいたこと。

 気づいたらここにいたこと。

 そして異世界っぽいこと。

 全部。

 シオンは黙って聞いていた。

 数分後。


「なるほど!」


 納得したように頷いた。


「異世界転生だな!」


「そんな簡単に受け入れる?」


「この世界、魔法あるし」


「ああ、それは確かに」


 説得力があった。

 魔法が存在する世界なら異世界転生も普通なのかもしれない。

 いや普通ではないか。


「そうだ!」


 シオンが手を叩いた。


「お前、王立アルカディア学園に入れよ!」


「学園?」


「魔法とか剣術とか学ぶ学校だ!」


 なんだか急展開だ。


「俺も今年から入学なんだよ!」


「へぇ」


「友達いないから一緒に来てくれ!」


「理由が正直だね」


 僕は少し笑った。

 シオンも笑う。

 どうやら悪い人ではなさそうだ。

 その時だった。

 コンコン。

 扉がノックされた。


「入るよー」


 ふわっとした声と共に、一人の女の子が入ってきた。

 茶色の長い髪。

 優しそうな顔立ち。

 でも目はしっかりしている。


「シオン、また大声出してる」


「あっ、リン!」


「病人なんだから静かに」


「元気そうだったし!」


「だからって騒いでいい理由にはならないでしょ」


「すみませんでした」


 即座に謝った。

 強い。

 グイグイ来てたシオンが完全に負けている。


「初めまして」


 女の子は僕に向き直った。


「私はリン。あなたを見つけた一人だよ」


「アキラです」


「よろしくね」


 リンはにっこり笑った。

 その笑顔はとても優しかった。

 ……と思った次の瞬間。


「そういえば私、お茶淹れようと思ってたんだっけ」


 リンは窓際へ向かった。

 そして花瓶を持ち上げた。


「それ花瓶だよ」


「……あ」


「何しようとしてたんだよ!」


 シオンがツッコむ。


「間違えた」


「間違え方がおかしい!」


「ぼーっとしちゃってたまにこうなるの」


 リンは真顔だった。

 僕は思わず吹き出した。


「ふふっ」


「あ、笑った」


 リンが言う。


「よかった」


「え?」


「目が覚めてからずっと不安そうだったから」


 その言葉に僕は少し驚いた。

 確かにそうだった。

 知らない世界。

 知らない場所。

 本当はかなり不安だった。

 でも。

 シオンとリンのおかげで少し気が楽になっていた。


「ありがとう」


 僕が言うと、二人は笑った。


「気にするな!」


「これから友達だしね」


 友達。

 その言葉が少し嬉しかった。

 異世界に来てしまったけれど。

 悪いことばかりじゃないのかもしれない。

 そんなことを思ったその時。

 僕の指先がふわっと光った。


「ん?」


 青白い光の粒が宙に浮かぶ。

 そして。

 部屋の真ん中に突然、小さな水柱が噴き上がった。

 バシャァァッ!


「ぎゃああああ!」


「冷たい!」


「えっ!?」


 三人ともびしょ濡れになった。

 部屋も水浸し。

 沈黙。

 数秒後。


「アキラ」


 シオンが真顔で言った。


「何?」


「お前、魔法使えんの?」


「みたいだね」


「なんで?」


「僕も知らない」


 再び沈黙。

 そして。


「ははははは!」


「ふふふっ!」


「なんかごめん」


 三人は大笑いした。

 こうして僕の異世界生活は始まった。

 魔法もよく分からない。

 この世界のこともよく分からない。

 でも――。

 なんかそれっぽいことをしたら、魔法が使えちゃった。

 そんな不思議な毎日が、今始まろうとしていた。


第二話へ続く

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