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聖女は逃げ出した  作者: 氷桜 零
第1章
20/33

子ども


拠点にしている宿の部屋に戻ると、すぐにロシュアが訪ねてきた。

今回の依頼に参加するのは、わたしとアルを除いて6人。

ロシュアは他5人とアルの連絡役を務めている。

他5人が集めた情報を整理してアルに指示を仰ぎ、アルの指示を5人に伝える役目を担っている。

もちろん、ロシュア自身も情報収集をしているけど。


「どうだった?そっちは。」


「報告します。この3ヶ月で消えた子どもは、全部で7人。どの子どもも、孤児や貧民街の子です。捜索はされていません。詳しく調べたところ、彼らの足取りは、全てとある孤児院で途絶えています。」


「孤児院?」


「はい。教会が運営する、孤児院です。」


「きな臭いな。確実に関係しているだろう。」


「ええ、おそらく。」


「こっちも子どもがいなくなっているって言う話を聞いた。それから、町中から視線を感じた。」


「3人、ついてきてたよ。皆んな子どもだった。」


「ああ。素人だから、わかりやすかったな。それにお忍び風の貴族がやけに多い。おそらくオークションの参加者だろうな。」


「調べますか?」


「ああ。ついでに、王族に売ってやろう。」


あ、アルが悪い顔で笑ってる。

アルの悪い顔は、悪くないけど、悪い。

ん?やっぱり悪い……??


アルはずっとロシュアと計画を詰めている。


……わたしもアルのお手伝いがしたい。

何か、わたしにできること……

あ!


「アル、わたし貝殻拾いに行ってくる。」


「ん?どうした、いきなり。」


「さっき近くを通った時、子どもが貝殻を拾ってたの。」


「……?……あ、そう言うことか。わかった。近くまで一緒に行こう。」


「うん。」


「どうしたんです?」


「子どものことは、子どもに聞けばいい、だろ?」


「うん!」


「ああ、そう言うことですか。お気をつけて。」


「ああ。」


「いってきます。」




砂浜では何人かの子どもたちが、貝殻を集めていた。

わたしも見よう見まねで、貝殻を探した。

その間、アルは遠くに離れている。

とは言え、何かあったらすぐに駆け寄れる距離だけど。


小さいのはいくつか見つけたけど、あんまりしっくりこない。

納得がいかなくて首を捻っていると、1人の男の子が近づいてきた。


よし、来た!


「これ、よかったらどうぞ。」


差し出してきたのは、綺麗な巻き貝の貝殻。


「いいの?ありがとうっ!」


「どういたしまして。僕は、トーマ。君は?」


「わたしはユイ!よろしく!」


「貝殻集めてるの?」


「うん。とっても綺麗だから、お土産に持って帰ろうと思って。」


「じゃあ、僕の家においでよ!もっと綺麗な貝殻を見せてあげる。」


「んー……今日はダメ。お兄ちゃんが迎えに来るから。今度行ってもいい?」


「もちろん!僕の家は孤児院なんだ!皆んなも喜ぶと思う。ぜひ遊びにきて!」


「うん。行く。じゃあ、またね。」


アルがトーマにも見えるように姿を現した。

トーマに手を振って、アルのところまで走って飛び込む。


「むふー。」


「ご機嫌だな。」


「うん。」


「じゃあ、帰るか。」


「うん!」






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― 新着の感想 ―
こ、これ、ご機嫌の理由に次回アルがドン引きする展開なんじゃw
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