孤児院
「はあ!?絶対、ダメ!」
「わたしも、できるもん!」
「まあまあ、落ち着いてください、2人とも。」
再び宿の部屋に戻って、砂浜での出来事とわたしの考えを話すと、アルは声を上げて反対した。
でもわたしは、アルのお手伝いがしたい。
2人で睨めっこをしていると、ロシュアが間に入ってきた。
「ユフィーレの提案は、すごくいいと思いますよ。」
「それは、わかってる。ユフィーレじゃなきゃ賛成してたさ。でもダメだ。ユフィーレに何かあったらどうする?」
「わたしだって、できるもん!それに、アルがすぐに助けにきてくれるでしょ?」
「うっ……それは、もちろんそうだが!」
「わたしだって、アルのお手伝いする!闇ギルドクロネコのメンバーなの!!」
「うっ……」
アルがついに黙り込んだ。
「ギルマスの負けですね。」
「はあ……」
よし!
勝った!
わたしだって、いつもこんな危険なことしないよ?
でも、アルが絶対来てくれるってわかってるもん。
だから、何の不安もないんだよ?
「くれぐれも危ないことはせず、自分の身を第一に考えること。静かに待っていること。約束できるな?」
「うん!約束する!」
アルはしゃがんで、わたしをぎゅっと抱きしめた。
数日後、こちら側の準備が整ったところで、わたしはアルと孤児院を訪れた。
「じゃあ、いい子にするんだぞ?」
「うん、いってきます!行こう、トーマ。」
「うん。こっちだよ!皆んな待ってる。」
わたしはアルと別れ、トーマに連れられて、孤児院の中に入った。
外から見たら古い建物だったけど、中は掃除が綺麗にされており、建物の古さを感じなかった。
玄関の入り口から真っ直ぐに歩くと、すぐに食堂が見えてきた。
トーマと一緒に食堂に入ると、わたしよりも年齢の小さな子がわらわらと近づいてきた。
自分より年下の子とこんなに近づいたのは初めてで、少しびっくりした。
皆んなに引っ張られて輪の中に入れてもらって、絵本を読んだりおままごとをして遊んだ。
お昼ご飯も、そのまま一緒に食べさせてもらった。
遊び疲れた子たちとお腹がいっぱいになった子たちは、皆んな昼寝に行ってしまった。
ここに残っているのは、トーマと同じ歳くらいの子たちだけ。
皆んな話が上手で、楽しくおしゃべりができた。
「ユイのお兄さん、とても優しい人だったね。」
わたしがお水を飲んでいると、トーマが横から問いかけてきた。
「うん。わたしも皆んなと一緒で孤児なの。でも、お兄ちゃんに拾ってもらって、今は楽しく過ごせてるの。」
「そ……そう、なんだ……ごめん……」
「ん?どうし……あ、れ?」
「本当に、ごめん……」
突然の眠気に襲われたわたしは、コップを手から落としてしまったことにも気づかず、意識を手放した。




