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最初の転生先

「君が転生する先は一人の人間さ。そこに憑依するような形で転生することになる。その世界での常識や、価値観、言語能力なんかも転生された人の記憶から記憶細胞を通じで脳に直接作用する。だから何も問題ないね!」

そんな内容の話を聞かされたような気がする。

多少なりと、他人の体を乗っ取ってしまうという罪悪感はあるが、その声によると

「転生された先も君と同じように、死んで。また別の世界軸を選んで、こっちから見た異世界に飛んだわけだからね。空白の席に君が入ったというだけさ」

そんなことも行っていたような気がするが、まぁ良しとしよう。

こんな単純なことを考えるだけでも、他人と自分の思考回路を比べているようで、俺が転生したという実感が湧く。

前世の俺よりも頭が悪いのか、もしくは良いのかもわからない。この世界には学力テストなるものもないだろうし、行うにしても魔法テストくらいだろうからな。確認しようがないからな。

光が俺の目に降り注ぐ。

おそらく今はベットで寝ている。太陽のような星の角度を見るにおそらく現実世界で例えると午前の八時くらいかな。

「よいしょ」

布団をどかした。


ん?


声に違和感を覚える。前世よりも若干、いや結構高くなっている。10代なのだろうか。

「鏡で顔を確認したいな」

そういった楽しみも異世界転生の醍醐味だと、俺も思っているし、エロゲ愛する俺なら、ハーレムハーレムしてやるぜ、と生きこんだりもする。

「あそこに鏡があるな」

俺のいた部屋は割と広く、日本のアパートで育った俺にとっては十分すぎるほどのスペースがあった。

いざ鏡の目の前に立つと緊張するものがある。曖昧な記憶からして、そこまでブサイクではないのだろうけれど、それでもなお俺でなくなった顔を合わせる見るのはいささか違和感を覚える。

·····。

鏡を見たのはおよそ一分前のことである。

長い間の沈黙。

話したとしても転生してから三言くらいだが。

·····。

鏡に写っていたのは、ロングヘアの女であった。髪を縛っているので飽くまで予想だが。しかも、とびきりの美人というわけでもないくらいの。

少しがっかりすると同時に、転生してからの謎は解けた。

なぜ妙に声が高かったのか。

なくなってしまった息子の違和感を覚えなかったのか。

そもそも俺はここまで心の中で会話するようなタイプではなかったということに。

もっと早い段階から気づけていただろうに。


あ。


ここでまた、一つの謎が解けた。いや、解けてしまったというべきか。

「この体、絶対頭悪いじゃんかぁ!」

前世では偏差値60くらいはあったのでこれが一番心にキている。




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