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とある戦士の話 3

ヨサークの家にて


「おっ父」

「なんだべ?」


 おっ父とオラは今、囲炉裏の横でワラジを作ってたべ。


「オラ、魔物を倒しにいくだ。」

「そうか。」


「とりあえず、街にいくだ。」

「そうか。」


「街に行ったら、同じ目的の仲間がいると思うだべ。」

「そうか。」


 パチパチと囲炉裏が灯る。


 おっ父が手紙を投げてきた。 封蝋は開いてたべ。

「お前に来た手紙じゃ」

「何が書いてたんじゃ?」オラは字が読めねぇ。オラに手紙が来たのも初めてじゃ。


 おっ父は煙管(きせる)に火をつけ一息吹かす。鼻から煙を吹き出しながら言った。

「領主様とこの騎士団の入団状じゃ」


◆

 領主 フィリップス辺境伯爵


 ヨサークの住むモリス村は辺境伯の領地であり、辺境領の辺境である。

◆

 フィリップス騎士団

 領主 フィリップス辺境伯爵の騎士団。

 一定の武力・学力の訓練があり、ヨサークのように文字が読めない者も、文字を訓練されるので安心だ。

◆


「騎士団に入団するには、お前の歳じゃギリギリじゃ。」煙管を吹かし一拍置いた。

「じゃから、この村で木を切るのも悪くねぇと思っとった。じゃが魔物を倒しに行くなら話は別じゃ」煙管を吹かす

「騎士団で魔物の狩り方を教えてもらってから行ってこい。」

 カンカンと煙管の中身を囲炉裏に捨てた。


 なるほど。

 村長がオラとスーナの婚姻を急いだのは、この手紙が原因か。

 オラが街に出て、この村には帰ってこないと踏んだんじゃ。


 んだども、オラ、騎士団ちゅうのが、何するとこかよく知らねぇ。

 んだども、魔物の狩り方を教えてくれる場所なんは知っちょる。

 魔物の狩り方を知っているのと知らないとでは大違いだべ。


 おっ父が立ち上がり、部屋の隅の床の板を剥がすと、小さな袋があった。 ぽんっとヨサークに投げる。

 袋の中には銀貨や銅貨が入っていた。


「当面の生活費にはなるじゃろ」

「おっ父」 涙が


「やるんでねぇ。返せるようになったら返しに来い。」

「おっ父」 出てきた。


「利子付けてな」

「おっ父」 引いた。



「今度、マノアの商人が着たら、街まで乗っけて貰う様に頼んじゃる。」

「そのぐらい、オラがする。」


◆

 マノアの商人

 王都と辺境伯領を往来する行商で、 この村や近隣の村も行き来するアットホームな商人の集団。

 伐採した木の搬出も依頼している。

◆


「そうか、まぁ木材の事もあるからな。」

「わがった」


 行商の荷馬車に乗っけて貰って、都まで運んで貰うことになるべ。

 まぁ荷馬車に乗れんかも知れんが、一人で行くよりは安心だべ。



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