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病床

久しぶりに書きます。つまらない文章ですが、よろしくお願いします。

 ―― あの木の葉が全部落ちた時、ボクは死ぬのかも知れない ――


 ◆


 とある県立病院の三(・)階の病室。

 窓の外に見える木の葉(このは)は、紅葉(こうよう)を終え、茶色になりかけている。


 中学に入学して最初の冬休み、何か難しい病だと診断された。



 父は言う。

「父さんに任せておけ。」


 母は言う。

「絶対助けてあげるからね!」


 もう一人のボクが言う。

「ボクも、あぁなるのかな?」


 母は言う。

「大丈夫! 直ぐに良くなるから!」


 母はきっとボク達に言ったんだ。


 でも……ボクは知っている。 ボクの病気は治らない、と……



 ◆



 ベッドに横たわるボク。口元には人口呼吸器が付けられている。

 心電図が、プップと五月蠅(うるさ)い。 本当に煩(うるさ)い。



 ◆



 女の子が、お見舞いに来てくれた。

 とは言っても幼馴染だ。

 物心がつく前からの付き合いで姉弟のように育った。


 名前は『長名 奈慈美』


 ナミの容姿は……好みでは無い。 幼馴染が美少女とか、空想にもほどがある。

 いや、ナミが不細工だという訳じゃない。きっとボクの美的感覚がおかしいのだ。変わってるのだ……きっと多分……。


 ナミが四月生まれで、ボク達が三月生まれ。 ほぼ1年差なので、彼女が姉で、ボク達が弟だ。

 要するに何が言いたいのかと言うと、幼馴染との恋愛や結婚などあり得ないのだ。


 ちなみに、「ナジミ」の「慈(じ)」の響きが嫌いだそうで、「ナミ」と呼んでいる。姉命令でもある。


 ナミは言う。

「アタシがお医者さんになって、治してあげるから!」

 少し涙目のナミは、ボクの病気の事をどこまで知っているのだろうか?


 でもボクは知っている。 ナミはあんまり頭が良くない、と……

 まぁナミは元々、看護師になるのが夢だった。 小学校の卒業文集に、そう書いてあったから。

 だから、ナミにとっては、少しの方向転換だったのかもしれない。



 もう一人のボクが言う。

「ボクは、薬の研究をして、絶対に助けてあげるからね!」


 でもボクは知っている。 ボク達はあんまり頭が良くない、と……

 まぁ双子な時点で、自分もこの病になる可能性があるんだし、きっとその努力は無駄にはならないよね。


 でも……だからボクは言う。

「ありがとう」と……


 でもボクのその声は、自分が思ったより、ずっと小さかった。

 きっと……人口呼吸器のマスクが音量を小さくしているんだ。



 ◆


 バっと、左手の小指だけを曲げた手が、己の左顔を隠している。

「我が名は十六夜(イザヨイ)。影から闇に舞い、常闇に葬る者。お主に呼ばれ参上つかまつり候。」

 中学も二年生に成れば、呼んでもない奴が来る。まぁもう一人のボクだ。


 まぁ中学二年になると、こういう病気が流行りだすらしい。ボクは学校に行ってない事に、少しだけほっとした。


 その十六夜っていう名前は、上(ファミリーネーム)なのか下(ファーストネーム)なのか?


 ◆


 あぁ


 ―― あの木の葉が全部落ちた時、ボクは死ぬのだろう ――


 そんな気がする。


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