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幸福のフェリス  作者: 海野 咲凛木
第二章 プロト村 青年編

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第18話 「三人の冒険者」


「くそっ!!数が多すぎる…!!!」

「ライトっ!!後ろ来てるよ!!」

「こっちも来るぞ!!」


俺達三人はとある依頼でこの霊峰スノーフィーネに位置するプロト村を目指し、旅をしていた。


あ、俺の名前は『ライトノーツ・エスペランス』。

このチームのリーダーだ。


この霊峰に入ったまでは良かったんだが、この吹雪で方向を見失い、気づけばダイアウルフの群れに囲まれちまっていた。


「おぉぉぉぉっ!!」

俺は剣を振り、襲いかかる敵を片っ端から倒している。

目の前の一匹を倒そうと剣を振り上げると、一本の矢がダイヤウルフの頭に突き刺さった。

「ちょっと!闇雲に動いたら危ないって!」

「相変わらずうるさい女だな!」

「はぁ?!」

「二人とも、状況を考えろ。」


三人でなんとか倒してはいるが、徐々に追い込まれているのは分かる。


「一層する。サウザンド・スピア〈千の魔槍〉!」


一人が杖を振って魔法陣を展開し、無数の魔法の槍を放った。

その槍により、周囲のダイヤウルフたちはその場に倒れていく。


「さすが魔道士!」


だが、その倒れた亡骸を超えてその数を上回るように次が現れる。


「いやダメだ…まだ来るぞ。」

「もう!ライトが適当に進むから!」

「俺のせいかよ!」

「今回もお前が悪い。」

「なっ?!兄貴まで…!」


確かに俺の勘が外れたのは認めるが…


じりじりと追い込まれ、完全に周囲を囲まれ逃げ場を塞がれてしまった。

かなりまずい状況だ…


「救難信号を打ち上げるぞ」

「お、おい!そんなことしたら報酬金が下げられちまう…!」

「言ってる場合?!早く打って!」


魔道士が空に向かって魔法弾を打ち上げた。


「あぁ〜…」


「ギルドから応援が来るまで耐えるしかない」

「でもこの数…大丈夫?」

「正直、かなりまずい」

「だよね…あっ!」


一匹のダイヤウルフがライト目掛けて飛びかかってきた。

でもこのバカは項垂れていて気づいてない。


「ライトっ!!」

「え?あ…」


襲われたと思ったその瞬間。


飛びかかっていたダイヤウルフが目の前から消えた。

いや、正確には突然目の前に現れた黒い何かに吹っ飛ばされていた。


「な、なに今の…」


吹雪の中、その黒い何かがさらに降り積もっていた雪を撒き散らし視界を濁らせて視認することができないが、おそらくダイアウルフを一網打尽にしている。


「わからない…でも何かいるぞ…」


呆然とする三人。

雪が落ち着き、視界が落ち着いてくると、そこにいたのは…


「なっ?!」

「嘘でしょ…」

「おいおい本当にいたのかよ…」


ダイヤウルフの群れが横たわる中、美しい黒鱗を纏い、その翼を大きく広げ佇んでいたのはドラゴンだった。


「初めて…見た…」

「こ、これが…ドラゴン…」


その圧倒的な力と姿に、一歩も動くことはできなかった。

動けば殺られる。本能的に察してしまった。

目の前のドラゴンはゆっくりとこちらに歩み寄ってきている。


もうダメだ…そう思ったその時…






「大丈夫ですかっ?!」






「……え?」

「今、ドラゴンが喋った…?」

「そんなバカな…」



恐る恐るドラゴンの方を向くと、一人の女性が駆け寄ってきていた。


「怪我はないですか?」


瑠璃色の美しい髪を後ろに束ね、同じく瑠璃色の吸い込まれそうな綺麗な瞳が俺の顔を覗き込んできた。



「好きです」

「え…?」


ガツンッ!


目の前の女神様を見ていたら突然、視界に火花が弾けた。


「…救難……信号…?」


急に告白してきた男の人が目の前で気絶してしまった。


「このバカ!突然何言ってんのよ!困ってるじゃない!」

弓を持った女性がその男の人を殴り倒して罵詈雑言を浴びせている。


「あ、あの…」


「大丈夫だ。もしかして貴方が助けてくれたのか?」

杖を持った男が話してくれた。


「空に火花が弾けるのが見えて…何だろうと思って…」


「ダイヤウルフの群れに襲われてしまってて…えっと、あのドラゴンは…」

その隣にいた女性は困惑した様子で問いかけてきた。


「ラズリと言います。私の友達で…」


「と、友達?!貴方は一体何者…」







「私はフェリス、フェリス・ノアです」









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