街かどにはクリスマス
正月早々に、今しばらく2017年12月が続きます。
おつきあいください。
蒲生の視点にもどります。
「そそそその、なんだ大した話じゃないんだ。クククリスマス?どどどうせ一人なら、メシでもつれってやろうかなあと、思ってなあ」
あきらかにアガっちゃってる。
「へえ、シゲさんがどうしてもって言うなら、色々予定はありますが万障繰り合わせてご一緒してあげてもいいですよ」
オレは相談にのってるのがバカらしくなってきた。コイツらオレがいなくてもナントかなるんじゃないか。
シゲの野郎、嬉しそうにでへへと笑っている。
うん、決めた、コイツらの事はほっておこう。オレだって生まれて初めてといっても過言ではない、ボッチクリスマスではない恋人たちのクリスマスだ!
…でも、何をプレゼントすればいいんだろうか迷うぞ。
…
…
藤太郎を出ると、雪はしんしんと降り続いている。
この時期の雪でこんなに降るのは雪がわりと積もることの多いこの地域でも珍しいな。
「うう~さむいな・・」
オレは身を縮め、コートの襟を立てる。
「くっついたら少しあったかいです」
するりと右腕に由樹が巻きつく。なにやら顔がぽっぽっとするのは、たぶん酔っぱらったせいだな。うん。
「なあ…」
なんですか、と由樹が尋ねる。
「クリスマスプレゼント何がいい?」
街かどそこらじゅうがイルミネーションで飾られている。
つい昨年までは、エネルギーのムダづかいにしか思えなかった電飾に、今年は心踊らされる自分がいるのには驚かされる。
「…嬉しい」
ぎゅっとさらにオレの腕にしがみつく。
「いや、嬉しいとか、まだ何もあげてないだろ」
「和弘さんにいただけるものであれば、何でも嬉しいですよ」
「いやいや、それにしても何かあるだろ」
「何でもいいデス」
「何か言えよ」
「何でもいいデスよお~」
そんなやりとりをしながら、ほろよいのオレ達は、雪道をころびそうになりながら、家路につくのだった。
…
…
「なあなあ、オレ達、おんなじ悩みで悩んでないか、もしかして・・・」
昼メシを食べたあとオレと北木は紙コップでコーヒーを飲みながら、階下の街を眺める。
師走の富岡の街はせわしなく動いている。まあそんな気がするだけなんだろうけどな。
はるか遠くに見える山々は、こないだ降った雪でうっすらと化粧をしているようだが、今日の空はぬけるような青空だ。
「ああ、こんな空飛べたら気持ちいいだろうなあ…」
北木がつぶやく。
ほんとに…ああ、いいなあ。自由に空が飛べたら…。
夜に空から街を観たら、イルミネーションなんてちっぽけなもんに観えるだろうなあ。
ん?
まてよ…そうだ!!
「いいこと思いついた!そうだ、ちょっと連絡するところがあるし!じゃあな!」
「ん?なんだ!?クリスマスのプレゼントか、なあ、オレにも教えてくれよ!」
「誰がお前なんかに教えるかよ!しっかり考えろよ!じゃあな!」
「おい!ちょっとまってよお~友達だろ~」
叫ぶ北木を尻目にオレはさっそく電話に向かうことにした。
Rurururu…
「あ、もしもし社長!あ~どうも御無沙汰しております蒲生です。え?元気ですよ。今日はね、ちょっとお聞きしたいことがありましてね…実は…」




