クリスマスの過ごし方
本作品上は、まだ2017年12月が続いています。
ややこしいですが、いましばらくおつきあいください。
引き続き、由樹視点です。
私は聡美さんとmoonでオムライスをほおばっていた。
「はふはふ、聡美さん、このあと、ちょっとお酒を飲みに付き合ってもらいませんか?」
「ん、?いいわよ。ノッてきたし、もっと語りたいし」
「ありがとうございます!」
私は和弘さんとの打ち合わせどおり、聡美さんを連れて藤太郎にむかった。
― ガラッ ―
のれんをくぐり引き戸を開けると
「らっしゃい!」
威勢のいい大将の声が聞こえる。和弘さんはいつものカウンターではなく、奥のテーブル席で北木さんと一緒に話し込んでいた。
「…あのな、そりゃ違うぞ、そう思うなら自分からきちっと言わなきゃ!」
「ていうか、それってさオマエ、人のこと言えるの?」
「あ、うっ…!」
あら、説教するはずが北木さんにつっこまれて、返答に窮してしまっている。
「あれ?シゲさん、ヒロカズさん!」
私より先に、聡美さんが気づき二人の席にむかっていく。
あ、まだ2人がいることを言うの忘れていた(笑)
「いやオレが由樹ちゃんに言って連れてきてもらったんだよ」
筑前煮をつつきがら和弘さんが話すと
「え、そうなんですか?」
「え、そうなの?」
と聡美さんと北木さんの声がハモってしまい、二人は
「「あっ」」
とまた声をあわせて顔を合わす。そして顔を赤らめる。
息がぴったりじゃん!!冬なのに、アツいですねえ。
「なんだなんだ。まあ、サトミちゃんすわりな!ビールでいいよな「あ、寒いから熱燗!」ん、大将、熱燗2合、お猪口は4つね」
はいよ っと向こうの方で声がする。
「じゃ、かんぱーい!」
寒くて凍えてた身体がほっこりと温まる。
甘く、そしてフルーティな香りのする藤太郎の熱燗が好き。なんて銘柄なんだろう…。
「で、何の用事だったんです? 呼び出すなんて」
「いや、おれが用事があるんじゃなくて、な、シゲ!」
ぶっ!!
「きったねえな!」
「お前が急にフるからだろ!ゲッホ、ゲホ…」
「え~シゲさんが?なあんだろう」
上目づかいでニヤッと笑う。その聡美さんの顔がほんのり酔ってて赤く、そして色っぽい。大人の色気っていうんだろうか。私もこんなふうになりたいなと思う。
「うっ!そそそそそそそそそれは、な、そそそそのアレだ、なあ?」
北木さんに、ちゃんと話せよ、と背中をバンバンたたく和弘さん。ちょっと意地悪だなあ。
「そそそその、なんだ大した話じゃないんだ。クククリスマス?どどどうせ一人なら、メシでもつれってやろうかなあと、思ってなあ」
あきらかにアガっちゃってる。
「へえ、シゲさんがどうしてもって言うなら、色々予定はありますが万障繰り合わせてご一緒してあげてもいいですよ」
あれあれあれ?さっきの話と違う気が…と横目でチラッと見たら目があった。聡美さんは、照れくさそうにこほんと咳払いをひとつする。
「ま、ともかく、シゲもサトミちゃんも、クリスマスのデートの予定が決まって良かったな!」
「「デートじゃない!」」
ここまで意気がばっちりだと、あんがい進展は早いかもしれませんねえ・・・。




