コーヒールンバ
昔アラブ偉いお坊さんが…
私たちはファミレスに入ると、意外に人は多く、夜中にも関わらず明るい店内は賑わっていた。
私たちはドリンクバーでコーヒーを淹れる(今度は火傷しないように手を離して←フツーはそうする)
淹れたてのコーヒーのクリーム色の泡の渦を眺める。
この蠱惑的な香りがたまらない。
私たちは色々と語り合った。…いや主に彼女からの質問責めだった。
「蒲生さんは私の部屋に来たら語り合う以外のことがしたくなるのですか?」
しー!!誤解されるでしょ!
このオッサンなに、若い子口説いて部屋に行こうとしてんの?サイテー。…なんて顔で店員さん見てるでしょ!
なぜ、男が二人きりで女性の部屋に泊まってはいけないのか、と聞かれたのだけど、単刀直入に言うのがあまりにも恥ずかしくて、歪曲した表現だと理解してもらえず…困った。
RINEなるネットのコミニケーションツールも教えてもらったが、どうも性にあわず、使うのを止めた。(決して使いこなす自信がなかったわけじゃない)
彼女の質問責めが弱まったか、と思うと、彼女は小さなあくびが増え始めた。
そりゃオレは眠らせてもらったけど(膝枕で)、彼女は眠いだろう。若いとはいえ徹夜はキツい。
気がつけば時計の針はもうすぐ4時半だ。
もうそろそろ始発が動き出す。
「そろそろ帰ろうか」
「えっ」
彼女は少し顔を曇らせる。
「大丈夫だよ。また飲みに行こう。語り合おう」
「ホントですか!?」
一瞬にして表情を輝かせる彼女を見て、しまった、と思った。
計算ずくなのか天然ものなのか、恐ろしい。
大丈夫だ、社交の範囲だよな。うん。
「じゃ、また“明明後日”会社で」
「はい。“今日は”ありがとうございました」
「また、また逢えますよね?」
彼女が聞く。
一瞬逡巡したが
「ああ。」と短く応じた。
彼女をマンション(社宅)に送り届け、オレは“今日”を終えて、“明日”がはじまる街へ帰る。
オレは二海由樹をどう思ってるんだろう。




