想いを伝えたその先に…?
「でも、君の想いにオレは応えることはできない」」
「えっ」
秋の冷たい夜風がひゅうと頬を通り抜ける。
彼女の目は大きく見開かれ、さっきまでの紅みをさした頬もすっとひき、青白さすら映している。
「ありがとうございます」
「え?」
まさかの想定外の言葉にドキンと胸が跳ねる。
そして、驚き彼女の顔を見た。
彼女の頬にはポロリ、そしてまたポロリと瞳から落ちる。しかし、彼女は優しい笑みを浮かべている。
「私言ってませんよ」「え?」
「応えてもらいたいなんて。」
「私のこと、こんなに蒲生さんが考えてくれていたなんて、思わなくて。嬉しいです!
私、もっと知りたいんです。蒲生さんのこと。もっともっとお話ししたいんです」
ぐぐっと顔を近づける彼女のまっすぐな瞳があまりにも美しく、ごくりと喉を鳴らしてしまう。
「近い、ちかいよ!」
はっとした顔で再び頬を赤らめる。いつしか涙は消えていた。
「すみません…」
今度は眉を八の字に曲げて謝ってる。
表情の豊な人だと思う。
「わ、わかった、わかったよ!そ、そうだ、駅の西口からちょっと歩いたところにさ、24時間営業のファミレスが出来てただろ、そこで朝まで時間をつぶす…いや、か、語り合おうじゃないか」
「え!良いんですか?」
「あ、ああ。ぜひそうしよう!」
あれ?何か煙に巻かれた気がするけど。おかしい…。
あまりにも歳が離れすぎた若い子の一時の恋の迷いに、優しくカッコよくけじめをつけてあげたと思ったのだけど。うーん。
私たちはしばらく歩き、他愛もない話をしながら駅を越え、ファミレスへと向かった。
二海由樹の見事なまでのしたたかさ!




