神の元へ2
ここは、彼の居る世界。
人間たちのいる地上と、神々が昇ってしまった天の狭間。
なぜ、天に昇らないか?
かつての希望の神、ゼイノスは人間を愛して、他の神のようには見放さなかったから。
彼らの過ちも愚かさも、愛しく哀しく見守り続けた。
だが、今の絶望の神ゼイノスは、人間の絶望を糧とするため。
愛しい魂の絶望こそが、最上の糧であり、力となるため。
『お前が必要だよ』
狭間の世界で、横たわる私にゼイノスが囁く。
神に絶望を捧げた私は、人形のよう。
意志も感情もない。
無表情にだらりと横たわる私。
思い出したように、私を抱き起こし、彼は地上に目を向けた。
気紛れに彼が、地上に手をかざす。
すると人々は嘆き、争い、怒り、その結果絶望を自ら招いた。
その光景を、私を抱いたまま、子どものように無邪気にゼノは見ている。
『良いな、愚かな人間よ。』
それから、無表情に彼を見つめたままの私に言った。
『地上を絶望で満たしたら、俺と天に昇ろう』
私の頬を指でなぞり、神は言った。
『お前は、俺の永遠の糧。離さない。』
レイリイ…
やっと逢えたのに…
喪った
またしても
ロイ
ごめんね
私は限界だった
今まで正気で、生きていたのが不思議なくらいで
また転生したら、逢えるかもしれない
でも逢っても、喪うなら、もういいの
私は、もう希望はいらない
その分、喪ったりしたら絶望を味わうだけ
私はもう十分、絶望に浸った
楽になりたい
ごめんなさい
私、それなりに頑張ったよね?
ゼイノス
優しかったゼイノス…
私は、残忍に笑う彼にふと腕を伸ばした。
あの頃の面影を見たくて。
頬にそっと手を添えた。
『ゼイノス』
胸に息づいたままの愛情を名に乗せて、呼んでみた。
驚いたような顔をしたゼノは、私を突き放した。
『ゼイノス』
もう終わりなら、私は…
涙が溢れた。
あれほどに憎み、殺したいと願ったのに
絶望に身を任せて
私の魂に息づいた最後の想い…
『ゼイノス…それでも私は…』
『言うな!』
睨み付けて、私の魂は弾き飛ばされた。
それでも、私は微笑んだ。
私は未だに…性懲りもなく…愚かにも…それでも、やっぱり…
『貴方が、愛しい』




