ティーナの物語14
「ゼ、ノっ!」
ああ、ダメだ。
叩いた手が動かなくなってしまった。
彼には、自分の真実の想いだけが見えている。
唇が重ねられ、泣きながらそれを受けた。
とても怖かった。
ゼノの深い想いは、世界を変える。
いや、私が変えてしまう…!
緑の大地に、ティーナは横たえられた。
もう突き放す力はない。
苦しい…
神が自分を求める。
もう傷つけることができないなら…
いっそ、最後まで、行き着くところまで…
愛するしかない…
「…ティーナ」
抱き締めて身体を離さない彼は、彼女をもう逃がさない。それはどこか執着にも似ていて、以前のゼノからは考えられないことだった。
「私と、永遠に在ればいい。」
「ゼ…ノッ…!」
彼の背中に手を回し、泣きながらも受け入れた。
不思議だった。
彼は、確かに熱い身体をしていた。
どうして、私をこれほどに求めるのか。
でも真実。
今、愛し合い結ばれたこの熱は、痛いほどに確かな真実。
ティーナは突き放した想いで、今度は強く求めた。
もう世界がどうとか、神がどうとか、輪廻がなんて、考えることができなくなった。
今は、自分を抱く男のことだけを強く想って、求めた。
この先、どうなろうが、今は愛し合っていたかった。
「あいし、てる」
男の胸の上に、火照る身体を預け、彼女は目を閉じた。
そっと耳に囁かれた。
「ティーナ、私の愛しい魂。私は…」
〈神を棄てる〉
元の作品を読んだら、結構エロかったのでびっくりして、少々手を加えました。




