僕を好きになって5(ロイ視点)
真夜中、焚き火の側で星を見上げて、寝袋を広げた所に僕は横になっていた。本当はルリと一緒に眠りたいけど……自制してる。
近づく小さな足音に、横を見るとルリがいた。
「ルリ…?」
彼女は僕のそばまで来ると、少しだけ恥ずかしそうに隣に横になった。
ドキドキした。
彼女の腕とか足があたるぐらい近かった。
「誕生日、おめでとう。ロイ。」
はにかんで、言ってくれた。
僕は捨て子だったから、本当はいつ生まれたかわからない。
大体見当をつけて、決められた誕生日。
でも、大人になるのが嬉しい。
僕は君に男として見られたいから。
僕は今度は自分から、ルリの頬にキスした。
目を閉じて、微笑んで受け止めてくれて、嬉しかった。
僕は引き付けられるように、彼女の唇にもキスをした。触れるようなキスをしようと思った。
でも、彼女の唇の柔らかさを感じて、初めてキスした時を思い出した。
かあっと火が付くようだった。
彼女の頬を支えて、ついばむようなキスを繰り返した。
それだけじゃ足りなくて、唇を押し当てるように
して濃厚なキスをした。
「…ん…ふ…」
「…」
あ、限界…
はあはあと息を乱し、僕は彼女に背を向け、欲望を堪えた。
「…ごめん。」
僕の背中にくっついて、ルリはくすくす笑っていた。
「…」
なんだか、からかわれたような気持ち。
でも嬉しい。
「ロイ…もう大人だね。」
「…それは誕生日のこと?それともキ…」
「ああ、子ども10人作るんだったね。」
「あ…あう…つ、作りたいで…」
「おやすみ、ロイ。」
背中でルリが顔を押しあて、目を閉じた。
僕は幸せで、悶々として、どこか釈然としなかったが、とにかくルリが好きだった。
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ミヴェラは宗教色の強い都市だ。
毎回ここに来ると、隊商の大半は男女共に、ここにある聖堂を訪れる。
神を崇めるために。皆信仰深い。
「ルリ、一緒に行きましょう。」
ナディアに誘われた彼女は、断っていた。
僕は、ルリが神を信仰していないのを知っていたから、別に意外じゃなかった。
食事の前に、隊商の人たちは今日の恵みに感謝し、祈る。
皆が祈るために目を閉じてても、ルリだけは目を開けて一点を見ている。
僕も祈ってないから、知っている。
僕は、神を信じていない。
この力は、神に愛されたからもたらされた証だとルリが言ったのは、驚いたけれど。
ルリは、神の存在は否定しない。信じてるとさえ言っていた。
ただ、神を崇めていない。
結局、皆に誘われてルリは行くことにした。
僕は彼女を護るために、付いて行くことにした。
礼儀にのっとり、皆男女共に白い布で髪を隠している。
ルリは、瞳を揺らせて複雑な表情をしていた。




