僕を好きになって3(ロイ視点)
Γロイ、今回も助かったよ。」
ロッドや仲間達に肩を叩かれて僕は頭を掻いた。
盗賊達は全て僕が倒した。手加減したから骨折や切り傷ぐらいで済んでいる。動ける奴は逃げていったが、そこを管轄する街の自警団には通報しておいたので、今頃奴等は牢にいると思う。
いつものように焚き火を囲って夕御飯が配られる。隣で、じっとルリが僕を見ている。ドキドキ…
Γな、なに?」
Γロイ、魔法どうして使えるの?前、はぐらかされたから気になるわ。」
ルリは好奇心というよりも、もっと真剣な気持ちで問うているようだ。今日の僕の魔法を見ても怖がってはいなかった。
Γ知りたい?」
Γええ。」
僕はその質問を待っていた。ルリのコップに酒が注いであるのに気付いたが、見て見ぬ振りをした。
Γそれじゃあ、僕がその質問に答えるから、代わりに僕の質問に答えて。」
Γ…わかった。」
やった。
Γ僕はね、生まれつき使えたよ。治癒と触れた物や人を破壊してしまうような力。あ、念じたらだから普段は並の力だからね。後は何ができるか自分でもいろいろ試しているところかな。」
Γ魔法は神に愛された証だと聞くわ。あなたはどこかで神に会ったの?」
ルリからそんな言葉を聞くとは思わなかった。現実的な人だと思っていたから意外だった。
Γまさか言い伝えだよ。僕は何も見ていないし、知らない。神様を信じていないしね。」
Γ…そう。」
何か考え込むルリに、僕は聞いた。
Γ次は僕の番。どうして僕に自分を嫌って欲しいの?」
Γ怖いから。」
怖い?好きだということが、怖い?
Γルリ、何を隠してるの?」
ぐっとルリは唇を噛んだ。
Γ…言っても信じない。」
その時、夕食が皆に回ったのを確認したロッドが掌を合わせて組んだ。
Γでは、食事の祈りを。」
彼の合図で皆が一斉に手を合わせ、目を閉じた。いつもの神へ捧げる祈り。
Γ日々の恵みに感謝致します。我らが神…」
僕とルリだけは目を開けたまま、彼らの祈りの様子を見つめていた。これもいつものこと。僕はルリも同じように神を信じていないんだと思っていた。
Γ……ロイ、私ね、意外に思うかもしれないけれど神は信じてるの。」
Γえ?」
小声でルリはそれだけ言うと席を立った。
Γルリ。」
僕は彼女を追った。もう退かない。今追わないといけないと感じた。
絶対にルリの心に踏み込んでやる。




