銀髪真紅の眼の鬼
009
私は先手必勝・一撃必殺がモットー。
一気に接近して首を刎ねるのが私の主な処刑方法。
いつものように首を狙った斬撃を放った。
ガキィン!!
銀の十字架の鎧は思っていた以上に頑丈だった。
「そう簡単に私は殺れませんよKILLBLOOD~♪」
銀の十字架の鎧で包んだ右腕の拳が飛んでくる。
私は怨月の刃でその攻撃を受け止めた。
キィインン!!!
重い!!
後ろ側に身体が浮き、押しこまれた。
「私は牧師だけにボクシングも習っておりますからね~♪」
「それギャグなの?笑えないわよ」
グレッグ・サンダーバードはボクシングの構えをとった。
そのまま私に向かって急スピードで真正面に突っ込んで来た。
右、左、右、左、右、左
とパンチの嵐。
私はその猛攻を躱し続ける。
隙のない連撃だった。
私はバク転で距離をとる。
そのまま勢いを利用して、お返しの突進突きを鎧の腹の部分に向かって突いた。
バガギィン!!
「うぐっ!!」
十字架の鎧を貫き、肉に突き刺さった感触があった。
手ごたえあり。
グレッグ・サンダーバードはよろめく。
そのまま私は「ソードドライブ」を発動し一気に攻めに転じる。
グレッグ・サンダーバードは両腕で防御の体勢をとった。
ここからは私の斬撃のパート。
後ろに下がり続ける、グレッグ・・・・・・もう長いわよ!!
『クソ牧師』を斬り続けた。これからは『クソ牧師』でいくわよ。
少しずつだが鎧がはがれていく。
このまま丸裸にしてやるわ。
突如、『クソ牧師』は十字架の鎧の腕で十字の形に切り、
私に胸を向け構えをとった。
その十字架の鎧の胸の部分が開き、
そこからミサイル弾が何発も発射された。
ミサイルランチャーが内蔵されている!?
その爆撃をモロに私は直撃した。
「楓さん!!」
正一の声を聞きながら私は吹っ飛んだ。
そのまま大理石の床に頭から倒れる。
「マハハ。油断しましたねKILLBLOOD。神の罰ですよ~♪」
『クソ牧師』は私の後ろ髪を掴んで、無理やり私を立たせた。
「神の罰です。反省しなさい」
髪を掴んだまま、私の腹に何発も何発も何発も何発も何発も
パンチを打って来る。
「うぐっうぐっうぐっ」
私は何度も何度も血を吐いた。
朦朧とする意識の中、腹に痛みが蓄積されていく。
先ほどのミサイルランチャーの爆撃で私の、
右腕と右足は吹き飛び、
その激痛で意識を失いかけていた。
「十字架のパンチは効くでしょう?KILLBLOOD。
ハーフ・ヴァンパイア、吸血鬼のあなたにも効果覿面ですね~♪」
『クソ牧師』私がハーフ・ヴァンパイアってことも知っているのね。
どこまで調べているんだか、
「両親と同じ地獄に送って差し上げましょう~♪」
執拗に私の腹への拷問にも似たパンチは続いた。
何発も何発も何発も何発も何発も
何発も何発も何発も何発も何発も
何発も何発も何発も何発も何発も
何発も何発も何発も何発も何発も
何発も何発も何発も何発も何発も
もう我慢の限界よ!!
ザシュ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ボトッ
『クソ牧師』は、自分が何をされたのかわかっていないようだった。
がすぐに自分に起きた異変に気付く。
十字架の鎧ごと左肩から先が切り落とされていることに
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
『クソ牧師』は私の髪を離し後ろによろめきながら下がる。
左肩から大量の出血を出しながら。
この眼帯を外したのっていつ以来かしら。
久しぶりにブチギレたわ。
バキボキバキボキ
私は両肩の骨を鳴らし、
怨月の柄を捻り、その刃から大量の血を啜る。
私の爆発で失った右腕と右足も瞬時に再生した。
こんな時こそ親がヴァンパイアでよかったって話ね。
「KILLBLOOD なめてんじゃねーよ!!!!!!!!!!!!!」
私は腹の底から咆哮した。
『クソ牧師』に対してののただの単純な怒り
「その真紅の瞳。銀髪の髪。まさか本当にあの!!?・・・・・・」
「あん!?」
『クソ牧師』が私の眼光の威圧に恐れ、後ろに倒れる。
「あわわわわわ。まま待ちなさい」
そんな言葉なんて耳に入らない。
ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ
大理石の床を怨月で削りながら『クソ牧師』に接近する。
ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ
『クソ牧師』の前に私は立った。
「信者達の洗脳も解きます。武器密輸・製造も止めます。どうか神の御慈悲を」
『クソ牧師』は何度も何度も頭を下げる。
だからそんな声、聞こえないっつーの。
動作も無駄だっつーの。
やはりクソ牧師は演技だった。
片腕で十字架を切り
またミサイルランチャーを放とうとしていた。
どっちにしろあんたは処刑されるのだから。
私は怨月を振りかぶり、
斜めに一閃した。
『クソ牧師』の胴体が宙を舞った。
おびただしい出血を振りまきながら。
大理石のフロア一面が血に染まった