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死神の帰還

036


「お久しぶりです先生」

「おお須藤くん。見違えたな」

「学長はお変わりがないようで、いいアトラクションありがとうございました」

「『死神』同士の闘いはやはりキミが勝ったんだね。私の想像通りの結果だよ」

「ありがとうございます。では」


カチャ


「死んで下さい」

僕は黄金銃を学長に向けそう言い放った。

「ハハハ。須藤くん。私を恨んでいるのかな?」

「当たり前じゃないですか。僕の記憶を改ざんし、

僕を日本国直属の殺し屋に仕立て上げ、

何十いや何百人も日本の邪魔者を殺さてきたのは先生。あなたの目論みでしょう」

「もう一度私の『死神』に戻る気はないかな?」

「何を言っているんですか」

僕は黄金銃の引き金に手をかける。


NEO東京大学の隠れた闇。

いやこの日本の闇か。

優れた学生を洗脳し、四年間政府直属の殺し屋として鍛え上げる。

そして四年がたったら仮の記憶を戻し、普通の社会人として世に放つ。

利用できる奴はそのまま政府の殺し屋として起用する。

腐ってやがる。

腐りきってやがる。


「ゲームをしないか。須藤くん。うまくいけば私をすんなりと殺せるゲームだよ」

「・・・・・・」

「無回答はイエスということだな」

そういって学長は机から、

リボルバー式の拳銃を取り出した。

そして弾丸を一発その弾倉に入れ、手慣れた手つきでシリンダーを回転させた。

「ロシアンルーレット」

「二年前。用済みになった僕の記憶を消す為のゲームでしたね」

「そこまで思い出したのか。ナノマシンに不具合が生じたのかな?

だが今度は電撃弾ではない。実弾を入れたよ。ほらキミの目でも確かめてみたまえ」

机を滑らし、

僕の前にリボルバーが滑ってきた。

僕は弾倉から弾丸を外し、弾丸を確かめる。

この形状。匂い。

間違いない。実弾だ。

僕は再度弾丸を装填しシリンダーを回転させた。

もちろん。シリンダーを見ずにだ。

ここで学長を撃ち殺すのも一つだが、

相手の土俵に乗ってやろう。

そして学長に渡した。

「確率は六分の一。まずは私から引かせてもらおうか。ハハハ」

そういって学長はこめかみにリボルバー拳銃を当て

引き金を引いた。


カチリ


シリンダーは不発で回転した。


「ハハハ。キミが勝った場合。今まで私が行ってきた『死神』を作ったデータを全てキミに渡そう。世に流したまえ。一瞬でこの大学、この国は非難の的となるだろう」


リボルバーが僕の前に滑ってきた。

僕はそれを拾い、こめかみに当てて躊躇なく引き金を引いた。


カチリ


「それだけじゃ足りませんね」

僕はリボルバーを机の上で滑らし学長のほうに渡す。


「あと何が条件で欲しいのかな」

学長がリボルバーを手に取りこめかみに当てて、引き金を引く。


カチリ


天照アマテラスを下さい」


「ど、どこでその情報を知ったのだ!?」

リボルバーが僕の方へ滑って来る。


「ここにあるのは、ある情報筋でわかっています。隠しても無駄ですよ」

「『神殺し』か。ふふふ。いいだろう私が死んだ後、好きに探したまえ。

この部屋のどこかに天照はある。

『神』を殺したいのか・・・・・・ふふふ。期待以上の成長だな。

まぁキミが先に逝く可能性のほうが高くなってきたがね」


また僕はリボルバーを拾いこめかみに当て引き金を引く


カチリ


「君には恐怖というものがないのか!!?」

学長の顔や手から焦りと汗が大量に吹き出ていた。

「僕は処刑人ですよ。生きるのも死ぬのも運しだいの世界で僕は生きて来ています。

さぁ二分の一の確率になりましたね。先生怖いんですか死ぬのが。

この大学がなくなるのが。国宝がなくなるのが。どうなんですか。

答えてくださいよ」

「・・・・・・怖いに決まっている」

「正直ですね」


「私はこの世界を支配し再構築なければならないのだよ」

「支配?再構築?」

「そうだともその為にも私はこのゲームに勝つ!!!」


カチリ


「・・・・・・はぁはぁ私は運命に勝ったぞ。ハハハ。六発目になったな須藤くん。

諦めて降参して私の、いや日本の『死神』に戻るんだな」


汗で濡れたリボルバーが僕の目の前に滑ってきた。

それを拾い、

僕は躊躇なく六発目をこめかみに当てて引き金を引いた。



カチリ


シリンダーは不発で無回転した。


「な、何故だ。何故わかった!?」


学長が椅子から立ち上がる。

かなり困惑している様子だ。


「このリボルバー拳銃は改造式拳銃です。構造を見ればわかりますよ。

僕に渡したのが失敗でしたね。

これは七発目で発射される拳銃です。イカサマゲームです。

僕も処刑人としてこの道を進んできましたからね。数多の武器を見てきました。

名演技ご苦労様でした。全部読めていましたけどね・・・・・・

さぁ先生の番ですよ」


僕はリボルバーを机に滑らし、学長の前に送った。

地獄への片道切符だ。


「・・・・・・ハハハハハ。成長したね。須藤君。私の期待以上の成長ぶりだ。

キミは私が教えてきた生徒の中でも一二を争うほどの優秀な生徒だった」


「ありがとうございます。さぁ最後の引き金を。さようなら先生」


「ハハハハハ。その目に焼き付けろ!これが敗者の末路だ!!『死神』!!!」


学長は七発目の引き金を躊躇なく引いた。

この国の汚い野望もここで潰えるのだ。


ドバン!!!!!!

グチャ!


脳しょうを飛び散らして机に伏し学長は逝った。


その音を聞いてか、

政府の役人達であろう男達が学長室に入ってきた。


バン!!!バン!!!バン!!!バン!!!


僕は躊躇なくその四人を黄金銃で射殺した。

僕を捕えて再度、日本政府直属の殺し屋にさせる算段だったのだろう?

僕は昔のように甘くない。

ただの学生だった昔と比べるほど愚かなことはないか。



僕の名前は須藤正一。これも仮の名前だが。

元『死神』

数えきれないほどの人間を殺して来た日本政府直属の殺し屋。

・・・・・・今も『死神』か。

依頼とはいえ今も数多くの犯罪者達を殺し続けている。

『死神』の名は永遠に僕を縛り続けるだろう。

それでもいい。


帰ろう。

目的の物。天照も手にいれたことだ。

僕の本当のやるべきことも思い出せたし。


二度とここには来ることはないだろう。

二度と。

いずれ崩れ滅びるであろう母校を僕は振り返ることなく後にした。


『死神』


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