第十六話~恐怖の象徴【後編】
甘党・辛党?
甘党~アルマ・シリウス
辛党~クレメンス・ボンド
辛党・甘党~カロリーナ・ジェニー
甘党~ルスノア・ククル
辛党~ピーター・ハラルド
甘党~グルーナ・サヴィー
白いテーブルを囲い、静かに食事をする、三人。
「さて…美しいデザートも食べ終え、そろそろ本題に…かな?」
「私たちは・・・」
「第三班の拠点を、第二班に占拠されたから助けてほしい…でしょ?」
「あ…既にご存知で…」
「当然でしょ?私達が、情報処理班の第一班だって…ご存知ない?」
目を開き、見下した視線をカロリーナに向ける、グルーナ。
「失礼。まだ、配属されたばかりの新人故、お許しください」
グルーナを睨みつける顔を、軽い会釈をして隠す、アルマ。
「新人は…なぜ、第二班の行動を把握していながら、第一班は動かないのか…理解できないのでしょう」
「いえ、そんなことは…」
睨みつけたアルマの目と、カロリーナの目が合う…
「是非、ご教授願います!」
「・・・第三班は、第二班を粛正してほしいのかな?」
腸が煮えくり返る怒りを隠して、平然を装う。
「はぁ~別に、どっちでもいいんだけどね~穏便に治めてくれれば…」
「?」
顔を上げたアルマの表情が、不安に満ちて行く。
「たとえ、第二班が公国人の残党と結託していたとしても、市民の日常に支障が無いのであれば、第一班としては、何の問題ない行為と見なされる…」
「それは…一理あると思いますけど…」
天仰ぐアルマを、横目にちらりと見る。
「・・・パトリオットポールが、関わっていても、同じことが言えますか?」
「あはははは…何⁉」
壁の上部にある何かに向かって、睨んだ目つきを贈る。
綺麗に巻かれた腕の包帯を取り、擦り傷を見せる。
「これが…証拠です…」
「うげぇ~」
爛れた傷痕に、思わず目を背ける、カロリーナ。
「パトリオットポールと対峙し、よく掠り傷程度で済んだな?」
動揺を見せず、半信半疑の表情でアルマを見つめる、グルーナ。
「私が対峙したパトリオットポールは、どうやら”偽者”だったようで…」
目線をアルマから外し、ため息を溢す。
「・・・我が兵に通達。これより、第二班の確保、及び、殲滅を開始する」
「え?え?望み通り?」
「不本意だけど…君達も協力して頂けるかな?」
椅子から立ち上がり、握手を求める手を差し出す。
【ドカン!】
入口付近で鳴った爆発音が、店内に響く。
「邪魔者は呼んでいないのだけど…」
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音を頼りに、二階の踊り場へとやって来た、三人。
一階では、黒服のスーツに機関銃を携えた第二班が、食事処の客を、次々と撃ち殺していた。
「変装もせずにのこのこと…宣戦布告か…」
「!」
惨劇を見届けているアルマの背筋に、殺気が流れる。
顔の横に手を掲げ、一階の第二班をゆっくりと見渡す…
「・・・粛清」
振り下ろされたグルーナの手とタイミングを合わせた様に、高らかな銃声が四方八方から鳴る。
惨劇から目を背けていたカロリーナが、ゆっくりと目を開く。
「全員が…倒れてる?」
発砲音が止んだ食事処には、客の叫び嘆く声だけが、こだましていた。




