カラー=ブラウンゴールド
カラー=ブラウンゴールド
刑事2人はホールを突っ切り、その次の空間から出て行き、老婆は一人ソファーに腰掛け白く丸い月を横目で見た。顔を険しくして煙管を窓ガラスに横振って叩きつけると火花がガチッと広がり舞った。
ざっと立ち上がってホールを颯爽と歩き、リビングに来ると監視カメラの画面を見下ろした。
エレベータから降り2匹の警察のジャッカルはあの小汚い野良犬に話し掛けていた。きっとマリーの事を聞いているのだろう。
あの小娘はあたしには一切懐きもしないで引っ掻いてきてばかりいて噛み付きもした。あの小僧にばかり懐いて可愛さの欠片も見せない。
あんなにマリーを可愛がってピンク色の愛らしい部屋も用意しては美味しい料理も用意させて綺麗な可愛らしい服も与えて存分に贅沢をさせてやったものを見向きもせずに逃げ出してあの2人もあたしを悪者にして、あの小僧もあたしを悪魔でも見るような視線で攻め立てる。
それでちょっとでもあたしが嫌になって溜息をつけばマリーは面白そうに底意地悪い顔で笑って満足しなかったのかどうなんだかそれに足るに至らないとでも言う様にあたしのプライドを無言で侮辱する。
「コヴァインかしら」
「……。ミセスBR。驚いたわ」
「あんたのペットの女の息子が自殺した話は他に誰かが関わっているの?」
「まあ。何人かはね」
「誰が。警察に悟られたのよ?どうしてくれるのよ」
「本当?困ったわ。あたしが名前を出したから捜査は打ち切った筈だけれど」
「リカーに発破を掛けて頂戴」
「あたしの気に入りのメイキャップアーティストよ?あのさばさばした性格も好きなの。さては、キャリライが来たのね?」
「ええ。誰が他に死んだの?」
「あなたのマンションの庭園の設計を任された女デザイナーも関わっているわね。ほら、緑の会のニューハーフ」
「警察は当に上の関係に気付いて?」
「誰も公にはしていなどいないわ。会社の未来に関わる事だから。MMが乗っ取ろうとしているグループだからサダンは脅迫されているんじゃない?マリンの死を公にするなとね」
「サダン。ああ、あのグループの子会社だったわね」
「そう」
マリーの両親も公にしたがらないのは分かっている。
「MMが何故サダンを」
「あたしには分からないわ。別に、あなたに迷惑を掛け様とは思っていないと思うけど。焦らないで」
「焦ってなどいないわ。迷惑を被っているのよ事実ね」
そう蛇の様に目を見開き口端を下げ言って、、老婆は目元がきつくなるのを可愛らしく純粋な孫の写真を見てからどうにか和ませた。
「要は誰があの子の映像をセットするように依頼したのかが分からないという事よ」
「さあ。あなたの養女の父なんじゃない?」
「何故。あたしに喧嘩を売って本部長なんかやっていられるとでも思っているの?」
「わからないわ。彼とはMM会員上の社交以外は、兄の友人であった事を知る程度ですもの」
「もっと政界に詳しい人間はいないの?」
「当たってみる必要も無いんじゃないかしら。勝手にやらせとけばいいのよ。これからの事なんかね。あたしも被害被った仲よBR。あの子の父親が手を出してくれると思うわ。まだ動いていたなんて信じられない執念ね」
老婆は応募などしていない。逆にマリーを自殺に追い込まれていい迷惑だった。
まあ、あの子は自分でそういう精神になっただけだが、マンションを選んでもらいたい。マリーをそこで呪っておいて、3組に黙らせる為に一体どれ程の礼をあのハイエナ共にしたものか。
疑惑的になるのは一時無しにして、頭を整理させた。
「調べを着けたら報告して頂戴。それじゃあ」
老婆は一方的に切ろうとした時にココ・ソカが言った。
「MMにもあなたの所に連絡をさせるわ」
「ええ」
画面を切り、背後の棚のクリスタルドアを開けてブランデーを注ぐとグラスを煽ってからリビングを出た。
リムジンを手配させるとその後に部下に警官2人を尾行させて出る事にする。
リビングから出ると群青と黒の通路を歩き逆側突き当たりの扉を開くとベッドルームを抜けクローゼットルームに入った。
シルバーのロングドレスの首にプラチナを3重に巻いて黒テンのロングシャープを肩に掛けると部屋を出て颯爽と歩きエレベータに乗り込んだ。
少年をそのまま中庭であそばせておいてロビーへ降りると、また少女の母親がいた。
「出掛けるわよ。付いてらっしゃい」
「? はい」
少女の母親も共にエントランスから出ると、運転手の黒皮グローブに開けられたリムジンに乗り込んだ。
「あなたの元旦那は何と言っているのかしら?警察官がまだ動いているじゃない。FBI長官のバダンデル氏とは友人なんでしょう。黙らせなさいよ」
シルバーで彫り込まれた煙管をくゆらせて目を細め、細く歯を剥き首を20度傾げ言った。少女の母親は肩を縮めさせると落ち着き払って言った。
「余計にこの事で旦那に疑いを掛けたのかもしれません。これがMMに脅迫されての事を取るには、バダンデル氏は多少鋭すぎます。ですが、旦那にもよくは分からない制度の様なんです。娘だけでは無く世界中で遺体が挙がっているので。動いているのは話では、金の有る者達なのでしょう?」
家柄は確かに良い。だがそれは捜査には関係無い。
「金だけでは組織内は買収出来ないわ。彼の上には何がしかの権利者が着いている筈よ。警察組織として、それに政府にも関わっている筈だわ」
「だかが警官のチームには贔屓の様には単独で許されません。旦那の組織でもそうです」
「特別な物だとしたらどうだというの?この世には資産家達が立ち上げた特殊警察といういまわしい組織があるのよ。彼等がそこからの使者である可能性は大きい。本当に忌まわしいったら無い組織だわ。早急に彼等2人の所属を調べられない物かしら」
「旦那も彼等特殊警察組織の存在には頭を悩ませていますわ。なにせ、多くの富豪達をどんどん買収していますから。捜査にも大きな権力で手を出しています。実際、検挙率が良いから警察組織も黙っている程です」
「特殊警察もこの今のMMの状況を見ている筈よ」
「はい。金持ちの為の金持ち警察ですから。……。ぶふっ」
「……」
老婆はまた白い目をして面白くも無い事に自分で受ける事が多い女をいつもの様に見下ろしてから、笑点の一切分からない言葉に呆れ首を戻した。




