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恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
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陸章・壱ノ壱 ~最後の一人~

どうも、DTKです。

お目に留めて頂き、またご愛読頂き、ありがとうございますm(_ _)m

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、99本目です。


紀州・張三姉妹を救出し、将に加えて多くの兵も救出することが出来た。

次に目を向けるは、最後に残ったあの娘の過去…




紀州と孫呉。

それぞれの土地で多くの恋姫を救出・合流した一刀と剣丞たち。

しかし彼らは休む間もなく、次の行動を定めるべく、洛陽の玉座の間へと集まっていた。






「だいぶ数も増えたなぁ」


玉座の間に集まった皆を見て、思わず言葉が漏れた。

最初は広々と、どこか寒々しかった玉座の間での大評定も、やや手狭に感じられるくらいになってきた。

紀州組と天和たち、合わせて10人以上救出できたのも大きいかもしれない。


「それでは、軍議を始めます」


いつも通り、俺と剣丞が前に出て議事進行係。

玉座を挟んで三国と戦国が二列で対面する形だと、席次などがそろそろ面倒になってきたので、国や勢力ごと縦に並んでもらっている。

朝礼台に立つ校長先生はこんな眺めだったのだろうか。


「はいっ!はいっ!!」


始まるや否や、剣丞隊の列から手が挙げられた。


「はい、ひよ」

「私は一刻も早く、お市さまと眞琴さまをお救いするべきだと思います!」


熱の入った言葉に、座もやや気圧される。

お市さんと眞琴さんがいると思われる近江の発見。

この前、天和たちの証言で分かった、と言ってもまだ裏は取れてないが、新事実だ。


「万全を期してすぐに助けてくれるって約束して下さいましたよね、一刀さま!?」

「う、うん。まぁ、落ち着いて。まずは未知の土地について天和、地和、人和、話してくれるか?」

「はーい」「分かったわよ」「えぇ」




…………

……




「……そしてその土地の最も特徴的な所は、大きな湖でした」


土地発見から侵入、鬼との遭遇に至るまでの一連を天和たち(ほとんど人和)に語ってもらった。


「どうかな剣丞。天和たちが見た大きな湖。多分琵琶湖のことじゃないかと思うんだけど」

「そうですね…日ノ本に『大きい湖』と言えるのは、多分琵琶湖だけだと思う。他の湖の可能性もないとは言わないけど、縁のある所で絞ればほぼ間違いない」

「なるほど」


剣丞がそう言うのであれば、あそこは近江と見てまず間違いないだろう。


「近江には眞琴さんとお市さんとの他には誰かいるの?」

「恐らく、麦穂がおるでしょう」


織田家の最前列にいた壬月さんがそう答える。


「麦穂さん、というと?」


隣の剣丞に尋ねる。


「丹羽長秀。織田家の宿老ですね」

「あぁ…」


織田家でもかなり上位の武将だっけ。

豊臣秀吉…の前の苗字『羽柴』は柴田勝家と丹羽長秀から取った、って逸話のあるくらい凄い人。

柴田勝家や羽柴秀吉と比べて少し地味だけど、米五郎左の異名を持つ、織田家になくてはならない武将だったはずだ。


「駿河が消えた後、麦穂さまは浅井家に派遣されたんですよー」


と、雛が付け加える。


「それじゃあ、救出対象は眞琴さん、お市さん、麦穂さんの三人ってことかな」

「そうですね。もちろん、他に誰かが居る可能性もあるけど…」

「ま、誰が居るにしても、調査・救出には行かなきゃならない。加えて軍規模の鬼がいることは確実だから、編成にも慎重を期したい。でも決まっているのは…」


俺はそう言いながら、先ほど元気よく手を挙げた娘に目をやる。


「ひよ」

「は、はいっ!」


突然名を呼ばれたその娘は、飛び上がらんばかりに肩が跳ねる。


「約束どおり、ひよは出てもらうからね」

「あ、ありがとうございます!一生懸命頑張ります!!」


ひよは満開の笑みを浮かべながら、両の手を握り締め並々ならぬ気合を見せてくれた。

これなら心配はないだろう。








「一つは近江救出に決定だ。そしてもう一つは剣丞から発表してもらう」

「はい」


一刀伯父さんからのパスで進行のバトンを受け取る。


「もし皆さえ良ければ、湖衣の過去…武田家を救いたいと思う」

「武田を…」


突如指名を受け、湖衣はポカンとしている。


「あぁ。最初の五人の中で一番後回しになっちゃったけど、今なら多少の事があっても光璃たちのことを救えるだけの戦力が整ったと思うんだ」


鞠、双葉、明命姉ちゃん、タンポポ姉ちゃん、そして湖衣。

最後まで生き残ってしまった、最初の五人。

その過去の中でも最も救うのが難しいとされていた湖衣の過去。


『戦国最強・武田家の全滅』


最初は救出不可能とすら思えた湖衣の過去も、頼もしい仲間を少しずつ取り戻し、兵も将も充分に整った。


「湖衣ちゃん!」

「湖衣さん」

「湖衣さん!」

「湖衣!」


他の四人がめいめいに湖衣の周りに集まってくる。

国を越え、時間を超え、苦楽を共にした同志だ。

後から合流した俺たちとはまた違った感情があるに違いない。


「皆さん……ありがとう、ございます…」


湖衣の目にも涙が浮かぶ。


「また辛い思いをさせてしまうことになるかもしれないけど…湖衣、行ってくれるかい?」

「…はいっ!」


湖衣の目に強い意志が宿る。

これで、次の大方針が決まった。


「次も二方面作戦。しかも、どちらも苦戦が予想される。将も兵も万全を期した差配をしたい。申し訳ないけど、軍師の皆は布陣の相談をしたいのでこの場に残ってほしい。三日後くらいを目処に出立したいから、他の皆は準備をお願いします」

「「「はいっ!!!」」」






次なるは未知の土地、近江・甲斐。

そこで何が待ち受けるのか。

それを知る者は、まだ誰もいなかった…






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