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恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
75/107

肆章・弐ノ弐ノ壱 ~函谷関の戦い・改~

どうも、DTKです。

お目に留めて頂き、またご愛読頂き、ありがとうございますm(_ _)m

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、75本目です。


いよいよ、紫苑救出のために一刀たちが動き出します。

一章・弐ノ伍 ~競演~ 前後の事となりますので、お時間ある方はこの辺りを読み返して頂けると、より楽しめるかと思います。




「ここは…」


瞼を開くと、そこは荒野だった。


「アタシと霞が合流した辺りだな」

「せやな。函谷関は向こうや」


霞が指差す方を見やると、地平線に小さく関が見える。


「あそこか…」


思いのほか遠い。

翠と霞の話だと、かなり急がないとマズイようだ。

しかも、ここから函谷関までの間にも鬼がいるらしい。


「森一家の皆さん。皆さんの運んでいる雲悌こそが、この作戦の鍵を握っています。鬼たちは周りの人間でどうにかするので、どうかよろしくお願いします!」


改めて頭を下げる。


「いいかテメェら!重要な役目を仰せ付かったんだ!持ってるもん落としたり壊したりしたら、オレが直々にぶっ殺してやっからな!!」

「「「応っ!!」」」


小夜叉の少々過激の檄を合図に、俺たちは進軍を開始した。






――――――

――――

――




作戦を詰めるため、函谷関出撃メンバーで集まり、一室で会議をしていた。


今回の作戦の肝にして最大の障壁は、雲梯の扱いだった。

一応、車輪付きで可動式なのだが、その大きさのせいでどうしても速度が出ない。

どうしたものかと思案していると、


「それなら、分解して向こうで組み立てる、っていうのはどうでしょうか?」


という、ひよの提案があった。

いくつかのパーツに分け、函谷関近くまで運んだ上で組み立てる。

まさに、豊臣秀吉の出世物語の始まり、墨俣一夜城の如き発想だった。


「真桜、出来るか?」

「そのくらいお茶の子さいさいや。ただ、問題は運ぶ速度は上がるけど、手間が増えるゆうことやね」


巨大兵器一つを運ぶとなれば、大人数は必要だが、運ぶものは一つでいい。

しかし分解して運ぶとなると、パーツ数が増える分、手間も増える。

しかも精密機器だから、扱いも難しくなる。


「んなら、ウチの連中を使えや」


隅で興味なさそうにしていた小夜叉が口を開いた。

ちゃんと聞いててくれたんだな。


「絡繰だぁ細けぇことは分かんねぇけど、力仕事ならお手のもんだぜ」

「なるほど…それでどうだ、真桜」

「人数的にも力的にも問題ないで。森一家には製作も手伝うてもろたし、エェ考えやわ」


真桜は腕を組んでふんふんと頷いた。


「隊長。ウチとひよで効率えぇバラし方考えたいんやけど…」

「うん、いいよ」

「んじゃ、ちょいと抜けさせてもらいますわ。行くで、ひよ!」

「はいっ!」


仲良さげに二人は部屋を出る。

三国戦国の垣根なく仲良くなっているようで、嬉しい限りだ。

二人がいなくなったところで、ころに聞いてみる。


「さっきのひよの考えって、やっぱり墨俣一夜城の?」

「あぁ、なるほど。そうかもしれませんね。元々は剣丞さまのお考えですが、今回の作戦に合わせて考え付いたのでしょう。ひよは昔からそういう機転は利きましたから」

「…………」

「?。どうかされましたか?」

「あ、いや、別に…」

「はぁ…」


剣丞よ、歴史を変えたらダメだろう。

……俺が言うのもなんだけどさ。






――

――――

――――――




「でりゃあぁぁっ!!」

「ギャアアア!!」


森一家を護りながら、駆け足で進軍する。

寄せ来る鬼は、一騎当千の武者たちがバッタバッタと薙ぎ倒していく。

翠・タンポポ・霞の三人は、同じ舞台で対鬼戦闘は経験済み。

そして、小夜叉は対鬼のスペシャリストと聞いていたけど…


「オラオラオラオラァ!!ひゃっはーーー!!」


嬉々としながら次々と鬼の首を飛ばして回る小夜叉。

たまに、どちらが鬼か分からなくなりそうだ。


「うぅ…シャオ、ちょっと気持ち悪くなりそう」


俺の横を走っているシャオは、その光景を見て少し顔を青くしている。


「…雪蓮と大して変わらなくない?」

「……そうかも。うん、やっぱりシャオ平気!」


問題ないようだ。


「一刀さま!前方函谷関上に弓を持った女性を発見しました!」


金神千里で函谷関を探っていた湖衣から報告の声が上がった。


「紫苑だ!まだ無事か!?」

「はい!矢を放っていますので、ご健在かと」

「よし、いけるぞ!」


俺たちは足を速めた。






――――――

――――

――




「ふぅ……ふぅ……」


紫苑は肩で息をする。

その右肩の感覚も、ほとんどなくなっていた。

いったい何本の矢を射ったのか覚えていない。

年は取りたくないものね、と心の中で自嘲する。


と、前方から何度目か分からない敵の大波がやってきた。

鉛のような身体に鞭打って、紫苑は一度に十本の強弓を放つ。

タンッ、タンッ、という音を響かせ、全てを確実に敵の眉間に命中させていく。

最初は手足を狙い、敵の無力化を図ったのだが、手足に矢が刺さっても構わず突進してくるので、頭を狙うしかなくなっていた。

その集中力も、紫苑の力を少しずつ削いでいった。

紫苑や隊のものがどれだけ速射をしても、それ以上の敵が向かってくる。

その上、人間では考えられないような身体能力で関を登ってくるものまでおり、かなりの数、突破されている。


(このままではマズいわね…)


そんな思いが頭を過ぎった。そのとき


「黄忠さま!矢の在庫がなくなりました!」


そんな報告が入る。

携帯していた量はごく僅かだったし、最近は関として用いていなかった函谷関に、そこまで潤沢な物資があるわけでもなかった。


「くっ……分かりました。敵は充分に引き付けました。総員、撤退の準備を…」

「ふむ…貴方がこの関の指揮官のようですね」

「えっ……」


振り返ると、そこには他の化け物より二回り以上も大きな体躯の化け物が立っていた。


「どうも進行速度が上がらないと思っていたら、いやはや、無謀にもこんなボロ関を拠り所に戦う将がいたとは……」

「あ……あぁ………」

「目障りですね」


恐怖で動けない紫苑。

目の前の化け物は、その丸太のような腕を振り上げ……


(ご主人様……璃々――――)






ガキィ………ン


「な……」

「ふぃ~、危なかった~」

「間一髪、ですね」

「……え?」


もはやこれまでと瞑った目を紫苑はゆっくりと開ける。

化け物の腕は振り下ろされていた。

だが、二本の刀によって押さえられたその凶刃は、紫苑に届くことは無かった。


「あ、あなたたちは…?」


一体どこから現れたのか、化け物の一撃を防ぎ、紫苑を護るように立つ少女が二人。

片目に眼帯をする少女と、フリフリの服を着た少女。

どちらも紫苑に見覚えは無かった。


「あなたが黄忠殿ですね?」

「そうだけど…どうして?」

「一刀くんたちがもうすぐ助けに来るから、雛たちが先に来たんだよー」

「ご主人様が!?」


確か、ご主人様は魏領にいたはず。

先ほど逃がした翠とタンポポがまだ着くはずのない洛陽の、更に向こうのご主人様が何故?

紫苑は混乱した。


「ふふっ…愉快ですね。羽虫が一匹から三匹に増えましたか」


紫苑を襲った巨大な鬼は一度距離を取ると、矢庭に相好を崩す。


「うわ、喋った」

「ということは、中級以上ですか…」

「一刀くん、早くしないと雛たち厳しいかも…」




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