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恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
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肆章・幕間弐日目 ~知の章~

どうも、DTKです。

お目に留めて頂き、またご愛読頂き、ありがとうございますm(_ _)m

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、71本目です。


雪蓮の発案から始まった、しばしの休日。

恋姫OROCHIならではのクロストークにご期待?下さい!




洛陽城内の一室。

少し広めの部屋の真ん中には円卓が置かれており、そこには俺の他に六人の少女が顔を揃えていた。

詩乃、雫、双葉、幽の四人が、改めて三国の色んな話を聞きたいと熱望したので、軍師を集めたのだ。


「お茶が入りました」


月がお茶をお盆に入れて持ってくる。


「あ、月さん。お茶でしたら私が…」

「いえ、お気にならさず。皆さんはご主人様の大切なお客様ですから」


双葉が立ち上がりそうになるのを月がニッコリと微笑んで止める。

双葉、足利義秋は、正史では征夷大将軍になる人物なのだが、その腰はどこまでも低い。


「それじゃあ、月も来たことだし、始めよっか」


一応、両方の歴史を知っていると言うことで、俺が引っ張り出されたわけなんだけど…

ぐるりと座を見渡す。

俺の左から、月、詠、風、雫、詩乃、幽、そして俺の右隣が双葉。

月を除けば…いや、下手したら月を入れても、ゲームの平均知力90越えの面々だ。

まったく、緊張するったらありゃしない。


「今更ですけど、こうして三国志の英傑の方々とお茶を共にするというだけで、双葉はとても幸せです」


双葉がとても嬉しそうに語りだす。


「双葉さまはあまり御所から出たことが御座いませんからな。こう言うのもなんですが、今回の事はとても良いご経験になりますな」


顔には出さないが、幽の言葉の端々から慈愛の念が感じられる。


「別に、風たちはそんな大したものじゃないですよね~?」

「んまぁ、ボクはそれなりの自負はあるつもりだけど…実際どうなのよ、一刀」


あまりの双葉の憧憬に、風と詠の方が少し戸惑ってるみたいだ。


「そうだね。程昱と賈駆といえば、かなり有名な軍師だよ。もちろん、董卓もね」

「ふ~ん…そうなんだ」


詠は満更でもなさそうだ。


「そうなのです!なので是非、書物に書かれたことではなく、実際にお話が伺えればと思いまして――」


詩乃も興奮気味に気持ち早口になる。


「ボクたちに話せることなら、何でも聞いてよ」


ふんふん、と少し鼻息が荒い詠。

あんまり普段持ち上げられることないからなぁ…

それでは、と手を挙げたのは雫だった。


「魏の程仲徳と賈文和から見た…」

「ちょっと待って。ボクはいま蜀の人間だけど…」

「「「え?」」」


出ちゃった。早速の食い違い。


「あ~…そうなんだ詠。俺たちの未来の歴史では、賈駆は紆余曲折を経て、魏の所属になるんだ」

「ふ~ん…奇妙なこともあるもんだね」


なんか肩透かしを食らったような顔をしている。

そもそも董卓に仕えてた時期がかなり短かったことなんか、言わない方がいいだろう。

豆鉄砲を食らっている詩乃たちにも説明をしないと…


「で、え~っと…誰だったっけ?賈駆が仕えてた、張……」

「張繍ですか?」

「そうそう。あの辺の件も割とスッパリ無いんだ。そもそも華琳…曹操に子供はまだいないし、流琉…典韋も死んでないんだ。詠は月に仕えていて、反董卓連合の後に蜀が身柄を保護する、って形になったんだ」

「…なるほど」


詩乃は納得してくれたようだ。


「では、黄巾の乱はどうですか?」

「あぁ、黄巾の乱ならあったよ。それなら色々話すことも出来るよ」




…………

……




「って感じかな?首謀者の張三姉妹はアイドル…は分からないよな。人を惹きつけ癒す力を活かして、歌を歌いながら大陸各地を回ってるんだ」

「はぁ~…私たちの知る歴史とは、かなり異なっているようですね…」

「それでも、お話を聞いているとなんだかワクワクしてきます!」


雫はあまりの違いに驚いている。

一方、双葉は英雄譚に興奮冷めやらぬといった感じだ。


「しかし…」


と、詩乃が何か考え込みながら切り出す。


「不思議なのは、一刀さまが三国全ての事情に通じていることです。一体どのようなお立場だったのですか?」

「それは……」


確かに、言われてみればおかしな話だ。

黄巾の乱だって同じ時間、違う場所にいた気がするし、赤壁あたりもモヤが掛かったように記憶が曖昧だ。

同じ物語を三つの視点で見ているような不思議な感覚…

これは……


「ん~~……分かんない」


深く考えても分かんないなら仕方がない。

今、こうしてここにみんなで居る。

とりあえずそれでいいじゃん、と自分を納得させる。


「はぁ…そうですか」


拍子抜けしたような呆れたような、詩乃は何とも言えない表情。

そんな詩乃を尻目に、


「やはり赤壁は、諸葛孔明と周公瑾のお二人から聞いた方がいいですかね!?」

「う、うん…まぁ、そうだね」


完全にミーハー状態の双葉。


「でしたら、せっかく風さんがいらっしゃるんですから、私は十面埋伏の計の話をお聞きしたいです」

「じゅうめんまいふく~?」


雫のリクエストに風はキョトンとする。

十面埋伏って官渡のあたりじゃなかったっけ?

だとしたら使ってないな、これ。


「あ~。十面邁進の陣、通称・宝譿の皮むき大作戦だったら、あにめで使いましたよ~」

「ほっ…!?」

「はっはっは。これまた珍妙な名ですな」

「その…あにめ、とは?」

「詩乃ちゃんも頑張っていれば、いずれ出られるものですよ~」

「は、はぁ……」


結果、煙に巻いた風。

う~ん…あまりにも歴史が違いすぎて、ちょっと詩乃も雫も二の足を踏んじゃう感じだな。


「それじゃあさ。幽は、こんな話を聞きたいとか、誰かに会いたいとかあるかな?」

「それがし、ですか?」


聞き専に徹していた幽に話を振ってみる。


「そうですな…やはりこの時代の英傑で一番お会いしたいのは、曹孟徳殿ですかな。孫子に対する細やか且つ大胆な考察を加えられる兵法家としての才。雄大な言の葉を紡ぐ、詩家としての才。もちろん、優秀な人材を集め、一国を治める統治者としての才。長き歴史を紐解いても、指折りの傑物。どのようなお方か、興味が尽きませんな」

「なるほど」


細川藤孝といえば、武芸百般に通じ、書にも造詣の深い、戦国きっての文武両道な武将だ。

三国で文武両道と言えば、愛紗や亞莎なんかも充分そうだけど、その他諸々含めて万能人といえば、華琳ということになるだろう。

やっぱりその辺、相通じるものがあるのかもしれない。


「曹孟徳殿はどのような御仁ですか?」

「そうだね…華琳に関していえば、いま幽が言ったとおりの、あらゆる意味で優秀な人物だよ」

「華琳さまにお仕えしていると、ときどき軍師としての自信が無くなるのですよー」

「そうね。悔しいけど、アイツの軍略の才は目を見張るものがあるわ」

「それほどまで…ですか」


名だたる軍師の華琳評に、雫が息を飲む。


「それに、華琳さんはお料理もとてもお上手なんですよ」

「りょ、料理…ですか……」


何故か落胆する詩乃。


「凄いです!曹孟徳殿は何でも出来るのですね!」

「まぁ、完璧超人だからね…」

「そこまでくると、逆に何か欠点など探してみたくなりますなぁ~」


はっはっは、と幽が肩を竦めながら乾いた笑い声を出す。


「う~ん…欠点、というか悪癖はある、かなぁ~…」

「ほぅ?それは興味深い」


キラリ、と幽の目が光る。

やぶ蛇だったか?


「その…英雄色を好む、っていうじゃない?まぁ、それというか…」

「それはそれは。一刀殿は、さぞ眠れぬ夜を過ごしておられるのでしょうな」

「まぁ……先の張繍の件ではありませんが、曹孟徳は異性関係で失敗もしておりますから、こちらの曹孟徳殿もそうなのですね」

「いやまぁ、華琳と俺はそういう関係だけど、華琳の場合はその…同性もいけるというか、そちらが主というか…」

「えぇっ!?そそそ、それって…」


雫が顔を真っ赤にして頬を押さえる。


「華琳さまは美しいものを愛でられるご趣味があるのですよー。才を愛し、身も心も愛する。それが、我が主なのです~」

「なるほど!奥が深いです!」


もう何でも良くなってないか、双葉?


「ま、他国の人間からするといい迷惑だけどね。愛紗も狙われてた…いえ、今でも狙われてるのかしら?」


月に手を出したら華琳でも*すけど…という詠の物騒な台詞は聞かなかったことにして、愛紗は関羽だよ、と注釈を入れておく。


「歴史は変われど、曹孟徳は関雲長にご執心、という訳ですか」


変わらぬこともあるのか、と詩乃はふむふむと頷いている。

ちょっとは三国志像が取り戻せた、のかな?


「その…つかぬ事をお聞きしますが…」


まだ顔の赤い雫がおずおずと手を挙げる。


「風さんはその…曹孟徳殿と、その……」

「閨を共にされたのですか?ですかな?」

「はぅっ!」


聞きにくそうにしていた雫の言葉を幽が引き継ぐ。


「風はお兄さん一筋ですのでー」

「お、おぅ…ありがと」


風の突然の告白に、今度は俺の顔が赤くなる。


「まぁその!華琳が居るのは都だし、助け出すのはだいぶ先になっちゃうから、会うのはもう少し先になるかな!?」


恥ずかしさを誤魔化すために話を変える。


「そう、ですね。都はかなり厳しい状況と聞き及んでおりますが…」


それに対し、詩乃がやや声のトーンを落とす。

心配させちゃう話題だったかな?


「大丈夫ですよ。いま都にいらっしゃるのは華琳さんを筆頭に、朱里ちゃん、桂花ちゃん、亞莎ちゃんに季衣ちゃんと流琉ちゃんも」

「それにこの前、春蘭も入ったしね」


月がスッと安心させる言の葉を紡ぎ、詠がそれを継ぐ。


「諸葛孔明と荀文若が采配を取る城塞。守る将は曹孟徳・夏侯元譲・呂子明・許緒に典韋。さて、詩乃ちゃんと雫ちゃんは、これをどう攻略しますか~?」

「それは…」

「…お手上げ、ですね」


苦笑いしながら諸手を挙げる詩乃。


「みんな信頼する俺たちの仲間だよ。大丈夫、絶対会えるよ。その時はまたこうやって集まって、色んな話をしよう!」

「「「はいっ」」」




その後の、書物の話で盛り上がったり、書庫から合戦図を持ってきて感想戦をするなど、戦国と三国の智謀を大いに交錯させた。





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