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恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
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肆章・幕間壱日目 ~忍の章~

どうも、DTKです。

お目に留めて頂き、またご愛読頂き、ありがとうございますm(_ _)m

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、69本目です。


雪蓮の発案から始まった、しばしの休日。

恋姫OROCHIならではのクロストークにご期待?下さい!




「「「……………………」」」

「「「……………………」」」


(どうして雛、ここにいるんだろう?)

(なんでウチ、ここにおるんやろう?)


雛と真桜は同時にそう思った。






沈黙が支配するこの部屋には、卓を囲むように戦国から剣丞、鞠、雛、小波、湖衣。

三国から明命、思春、真桜、そして管輅がいた。

交流を深める一環として、忍者っぽい人を集めよう!という剣丞発案のもと、小波、湖衣、雛、明命、思春の五人が集められた。

そこに暇だった鞠と、忍びの道具などに興味を示した真桜。

そして小波の強い要望により、管輅が加わって、この会合となったのだが…


「「「……………………」」」


ほとんどの者が元来寡黙。

会合は冒頭から危機を迎えていた。






それを救ったのは鞠だった。


「あのさ~?思春って、甘興覇なの?」

「ん……そうだが?」


質問の意図が分からないのか、ややつっけんどんな返答だ。


「やっぱり、江賊出身なの?」

「そうだ。江賊であった私を、蓮華さまが臣として手厚く迎えてくださったのだ」

「へぇ~。江賊って、海賊みたいなものなの?」


素性を詳しく知らない剣丞が、興味津々といった形で尋ねる。


「思春殿は、悪い賊を取り締まる良い江賊さんだったのです!官ではなかったから、扱いが賊だっただけなのです」

「ころさんの川並衆の少し過激な形、という理解がよろしいかと」

「あぁ、なるほど」


明命と湖衣の説明・補足で剣丞は腑に落ちたようだ。


「なしてそないなこと聞くん?」


今度は真桜が質問をした鞠に質問する。


「江賊と草って関係あるのかなぁ~?って思ったの」

「あぁ、そういうことか」


思春も鞠の意図が分かったらしい。


「私の主な任務は、草働き…斥候や諜報というよりは、斥候狩りや威力偵察、強襲が専門だ。草働きなら明命の方が私より数段上だ」

「なるほどなの!」

「それじゃあ思春姉ちゃんは、小波よりは湖衣に近いって事なのかな?」

「い、いえ!私というよりは、一二三ちゃんの方が近いかと!っていうか、私より小波さんの方が武をお持ちですよ!」

「えぇ!?そんな!」


小波と湖衣の間で、如何に自分が弱いかという卑下合戦が始まる。


「まぁまぁ、二人とも。どっちがどうってのは俺の聞き方が悪かったよ」


たまらず剣丞が間に入る。


「まぁ、小波には妙見菩薩掌があるとはいえ、やっぱり二人は句伝無量とか金神千里とか草働きの印象が強いかな?」

「それや!ウチが聞きたかったんはそれなんよ!!」


ダンッ!と机に手を叩きつけ、立ち上がる真桜。


「その口伝なんちゃらとか、何とか千里っての、ウチに教えてくれへんかなぁ~?どんな原理か気になるし、使えるようになりゃメッチャ便利やん?」

「え!?い、いえ、金神千里は人には教えることが出来ないんですよ」


コクコクッと小波も頷く。


「そないけったいなこと言わんと教えてぇなぁ~」

「違うんだよ、真桜姉ちゃん。小波も湖衣も、ケチとかで教えないんじゃなくて、教えられないんだよ」

「……どゆこと?」

「句伝無量。服部家の魂魄に刻まれし能力。魂を受け継ぎし者の身体の一部を有する者と、氣を通じた念話を可能とするお家流」


何故か管輅がスラスラっと説明をする。


「あ~~……つまり?」

「一子相伝の技だから、その家に生まれなきゃ使えない、ってことだよな?」

「はい」「その通りです」


小波と管輅が同時に答える。


「ちなみに、私の金神千里も同じです」

「そっか……そら、残念やなぁ……」


ガックリと肩を落とす真桜。


「お家流って全部そうなんですか?」


明命が尋ねる。


「ううん、そんなことないよー。雛のお家流は、コツさえ掴めば割と誰でも使えるはずだよー」

「あれ?でも確か『滝川家お家流』って言ってなかったっけ?」

「一族にしか教えてない、ってだけのことなんだよ。雛は別にその辺こだわりないから、教えてくれって言われれば教えるよ?」


それでいいのか滝川家!と戦国の面々(鞠以外)は何とも言えない顔をしている。




「そういや、身体の一部って、具体的にはなに使うん?それだけでも教えてくれへん?」

「あ、それは…」


マズイ、と剣丞が思ったときには、既に遅し。


「陰毛です」

「「「ぶっ!!」」」


明命、思春、真桜が一斉に吹き出す。

剣丞はわちゃー、と顔を押さえる。


「その…陰毛って……」

「はい、私の陰毛を入れた…このお守りをお持ち頂くことによって、私との念話が可能になります」

「は、はぁ…」


明命は見本品まで見せられたが、聞きたかった事はそこじゃない、とばかりの困り顔。


「その…一子相伝の技に、私が口を出すことでもないのだろうが……」


珍しく思春の歯切れが悪い。


「陰毛で良いなら、頭髪でも良いのではないだろうか?」

「…………」


思春の直球の質問に、目を丸くする小波。


「……考えたこともありませんでした」


そんな考えもあるのか、と小波はしきりに頷く。


「ずっと、そうやったんか?」

「はい。そう伝え聞いております」


服部家がどれほどの間続いているのか分からないが、どこかで誰か気付かなかったのだろうか?


「…ま、まぁ~お家流がなくても、思春姉ちゃんや明命姉ちゃんは体術とかがすごいし、真桜姉ちゃんは絡繰で色んなもの作っちゃうから凄いよねー!」


剣丞は全力で話を切り替える。


「…そこまで褒められたものではないがな」

「そんなことはありません思春殿!場所さえ選べば私たちは最強です!工作員捕獲訓練なら、春蘭さんや鈴々さんでさえ相手になりませんでした!」

「あぁ……あれか」


話を振っておいてげんなりとなる剣丞。


彼は一刀に(というか姉たちに)様々な技術を叩き込まれた。

武術から彫刻まで。

色々と辛く厳しい修行はあれど、その最高峰にあるのが、思春と明命による修行。

一刀命名『マンハント』だ。


「ご主人様は、ご存知なのですか?」


主の顔が一気に青白くなったのを見て、小波が少々心配そうに尋ねる。


「あぁ…未来で嫌というほどやられたよ」


ははは、と遠くを見つめながら笑う。


「ふ~ん。ちなみに、どんな修行なの?」


剣丞のそんな様子に、雛は逆に興味が湧いたようだ。


「…簡単に言えば、鬼ごっこ、かな?森の中を明命姉ちゃんと思春姉ちゃんから、ひたすらに逃げるっていう修行だよ」

「へ?それだけ?」


あまりの簡易さに、雛は目を丸くする。


「それだけなんてもんじゃない…それこそ、春蘭姉さんや鈴々姉ちゃんとかに協力してもらったって、勝てないんだ…」


ガクブルな剣丞に代わり、真桜が春蘭は夏侯惇、鈴々は張飛と注釈を入れる。

雛を始め、先ほどとはまた違った形で目を丸くする。


「みんなで背中合わせに四方を警戒してたのに…いつの間にか一人消え、二人消え……そしていつも、俺は最後まで残されるんだ…」


肩を抱いてガタガタと震える剣丞。

よほどの恐怖体験だったのだろう。


「何よりも恐ろしいのが…二人に捕らえられた後、顔には落書きをされるんだ……」

「落書き、ですか?」


小波がキョトンとする。

何故それが何よりも恐ろしいのか、と。


「いや…落書きなんて生易しいものじゃない……あれは、人の心を徹底的に折る、究極の精神攻撃なんだ…」

「は、はぁ…」


湖衣を始め、皆いまいちピンと来ていないようだ。


「一刀さま、剣丞さんにも受けさせたんですね」

「良い判断だ。あれは戦場の肌感覚を養える。北郷にしてはなかなか考えたようだな」


うんうん、と思春は頷いているが、剣丞は一刀がそこまで考えているようには思えなかった。


「そうだ!なら、小波と湖衣と雛がやってみればいいの~!」

「「「え?」」」


鞠の提案に、三人の声が綺麗に合う。


「いやいやいや!無理ですって!剣丞さまでも勝てなかった方々のお相手をするなんて無理です~!」

「私は……ご主人様の命とあらば…」

「雛は嫌だな~。顔に落書きとかされたくないしー」


反応は三者三様。


「…まぁ、なんにしても、全員を助け出してからかな…」


復活した剣丞は、矛と盾の流れになりそうだったので話を切り上げた。






その後、雛と真桜の間で絡繰(悪戯)談義に花が咲いたり、小波や明命の間で技術交換がなされたりと、それなりに有意義な会となったのだった。







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