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恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
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肆章・幕間零日目 ~酒の章~

どうも、DTKです。

お目に留めて頂き、またご愛読頂き、ありがとうございますm(_ _)m

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、66本目です。


今回より幕間、拠点フェイズに入ります。

恋姫OROCHIならではのクロストークにご期待?下さい!


本当はこういうのをやりたかったんだよな…(ぇ




黄昏時、洛陽の中庭には一席設けられていた。


四方には篝火が焚かれ、円卓の上にも幾つか明かりが灯されており、幻想的な雰囲気を醸し出している。

その卓には色とりどりの料理や酒器が並んでおり、それを囲むのは六人の女性。

手にはそれぞれ杯が握られていた。


「それでは、我らの出会いを祝して…」

「「「乾杯っ!」」」


チンッという音を立てて、六つの杯が軽く交わされる。


「んっ…んっ……はぁ~!大陸の酒もなかなかに美味じゃのぅ!」


杯を空け、感嘆の声をあげるのは、先ほど音頭をとった一葉。


「でっしょ~?こっちのお酒も美味しいわよ」


空いた一葉の杯に、一杯目とは違う酒を注ぐのは雪蓮だ。

この二人がこの会の主催者と言えよう。


「くぅ~!やっぱ酒はエェなぁ~」

「まったくですな」

「うむ。親睦を深めるには、やはりこれが一番じゃ。なぁ、美空殿」

「えぇ、そうね」


ご機嫌な参加者は先の二人の他に霞、壬月、祭、そして美空の、剛の者四名。

他の者は裸足で逃げ出した。


「しかし美空に壬月よ。あの孫伯符に泣く子も黙る張文遠、苦肉の策の黄公覆と酒を酌み交わせるとは、夢のような話じゃな」

「本当よねー。剣丞のせいで多少のことでは驚かないようになったつもりだけど…」

「こればかりは、なかなか信じられませんな」


苦笑いする壬月の横で、美空はそう言いながら杯を煽る。

そんな美空の杯に酒を注ぎながら、雪蓮が口を開く。


「あなたたちこそ、後の世じゃすごい人みたいじゃない?一刀に聞いたけど、一葉は皇帝みたいな存在だって言うし、美空は戦の天才、壬月は鬼の異名を持ってるとか?」

「ほぅ…一葉殿は皇帝陛下であらせるか。これは態度を改めなくてはなりませんかな?」


既に少しトロンとした目をしながら、祭が身を正そうとする。


「冗談でも止してくれ。この御世の皇帝と同じ。余には多少の権威こそあれ、実などない」

「そうよね~。自ら街に繰り出しては、悪漢どもを叩き伏せては、御所の油代に当ててる位だもんね~」


公方をからかえて満足、と大書された笑顔で美空は杯を空ける。


「エェことやんか。街の治安を良ぉして、金も稼げるんなら一石二鳥やん」

「そうであろうそうであろう!さすがは霞じゃ!さ、呑め呑め!」


機嫌を良くした一葉は霞に酌をする。


「それなら、策殿も似たようなもんじゃの」

「ほう?そうなのですか?」

「ちょっと祭!私は別に油代のために悪漢をのしてるわけじゃないでしょ!?」

「…ご自分の酒代に消えてる分、一葉殿の方がご立派と言うことになりますぞ」

「ぐっ…」

「あっはっは!これは祭の方が一枚上手ね!」


雪蓮がやり込められてるのが楽しいのか、美空は笑いながら手酌で酒を注ぐ。


「「「………………」」」


五人の視線が美空に集まる。


「ふぅ~……ん、何よ?」


杯の中身を飲み干し、ようやく視線に気付く。


「いや…」

「アンタ、呑むのメッチャ早ない?」

「……そう?」


美空はキョトンとしながらも、酌の手は止めない。


「ちょっと一葉っ」


雪蓮は卓に背を向けながら一葉を引き寄せる。


「なんじゃ、雪蓮」

「美空って、あんなに大酒呑みなの?」

「知らん」

「知らんって…」

「余も美空と呑むのはこれが初めてじゃからの」

「むぅ…」


雪蓮が美空をねめつける。

雪蓮も含め、三国でも指折りの酒好きである霞と祭が引いてるのだから、かなりの鯨飲であることは間違いない。

ただ、雪蓮にはそれが面白くなかった。


「ねぇ~美空?私と、呑み比べしない?」

「いぃっ!?」

「策殿、それは……」

「ふ~ん…面白そうね?」


ニヤリと余裕の笑みを浮かべながら、まだ大分中身のある杯を一気に傾ける。

まだまだ余裕たっぷり、と言わんばかりだ。


「言っとくけど私、まあまあ強いわよ?」


美空は目を細めながら見得を切る。

確かに、この短時間で並の人間ならとっくに酔いつぶれる量をこなしながら、その瞳には酔いの色一つ見えない。


「くぅ…」


さすがの雪蓮もやや尻込みする。

そんな雪蓮に、美空は大層ご機嫌だ。

酒の力も手伝ってか、舌がよく回る。


「そうねぇ~?なんなら勝負を面白くするために、私以外の全員でかかってきても良いわよ?その方が雪蓮の勝つ可能性が少しは出てくるんじゃない?」

「言ったわね…」


雪蓮の瞳がギラリと妖しく光る。


「なら美空。もっと面白くするために、何か賭けましょうよ」

「ふ~ん……それで?」


手では、何度目か分からない酒が注がれた杯を、ゆっくりと回している。

絶対的優位は揺らがないと、完全に上から目線だ。


「私が勝ったら、あなたの…お家流だっけ?それを教えなさい」

「お家流?三昧耶曼荼羅のこと?」

「そう、それよ!教えなさいよ、ねぇいいでしょ!?」


予想外の要求に、目を丸くする美空。


「別にいいけど…教えたからって使えるものじゃないわよ?」

「それでもいいの!私もああいうの使いたいの!私もお家流とやらを覚えて、春蘭に仕返ししてやるんだから…」

「雪蓮の奴、まだ根に持っとったんやなぁ…」


雪蓮は先の天下一品武道会で、春蘭のお家流、というか、氣を使った大技の前に敗れている。


「ま、私の掛け金はそれで構わないわ。それで、雪蓮は私に何をしてくれるのかしら?」

「なんでもいいわよ。土下座でも裸踊りでも何でもしてやろうじゃない!」

「気に入ったわ!なら早速始めましょうか!」

「えぇ、それじゃ行くわよ!祭、霞、一葉、壬月!」

「仕方ありませんな…」

「乗りかかった船や。最後まで付き合うたるわ!」

「…余もなのか?」「…私もですか?」


多少の温度差はあるものの、こうして美空対雪蓮連合の呑み比べの火蓋が切って落とされた。






死屍累々の六人が発見されたのは、夜が明けてからだった…







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