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恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
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参章・弐ノ壱 ~噂の調査~

どうも、DTKです。

お目に留めて頂き、またご愛読頂き、ありがとうございますm(_ _)m

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、51本目です。


明命の過去は少しお休みしまして、今回から三回は、凪が持ってきた化け物の噂を調査する組のお話です。

なかなか面白い取り合わせなのでその辺お楽しみ頂ければと思います。


なお、実際の地形や距離とは異なった表現があります。

その辺、お含み置き頂ければと思いますm(_ _)m




洛陽から南西へ下ることしばらく。

俺たちは、ある山裾の集落に来ていた。


「隊長、こちらです」


凪が先導してくれる。

ここへは、凪が都から洛陽へと向かうとき耳にした、化け物の噂を調査するために来たのだ。

だが……


「化け物って、鬼のことだよな?早く殺り合いてぇぜ!」


小夜叉は殺る気満々だ。

どうやら春蘭あたりと気が合いそうな戦闘狂らしい。

剣丞が俺の言うことを良く聞くようにと言い含めてくれていたが…

春蘭と似ていることを考えれば、そのあたり怪しいものだ。


「もう~小夜叉ちゃん!まずは調査なの!悪くない鬼かもしれないの」


鞠ちゃんが、プンプンという効果音が聞こえてきそうな、可愛らしい感じでたしなめる。

今川氏真。

正直ほとんど知識はないけど、剣丞曰く、とても頭が良く腕も立つ娘、らしい。

こんなにちっちゃいのに…


「お~う、鞠はちゃ~んとやること分っとるや~ん!可愛いやっちゃの~、うりうり~♪」


霞は鞠ちゃんを抱き上げると、頭を撫でながら頬ずりをするという、ハードコンタクトをとる。


「や~ん、くすぐったいのー」

「ええがな、ええがな~」


まるで初孫を愛でる祖父のようだ。


「どや、こやちんも混ざるか?」


相変わらず鞠ちゃんに頬ずりしながら、視線を小夜叉の方に向ける。


「はぁっ!?誰が混ざるかバカじゃねぇかぁ!?てか、こやちんってオレのことかよ、ナメてんのかあぁん?やってやんよ!」


一瞬でぶち切れた小夜叉が槍を構える。

一触即発。


「はっはっは!元気があってえぇなぁ!春蘭と鈴々を足して割らんかったみたいや」


そんな空気にも全く臆せずに、笑い飛ばす霞。

このあたり、さすがは豪傑・張文遠といったところか。


「それにな~、小夜叉、ってちと可愛ないやん?せやから可愛(かい)らしく、こやちん、って呼びたいんやけど、えぇよな?」

「……けっ!勝手にしろや」


霞の笑顔に毒気を抜かれたのか、槍を引いてそっぽを向く小夜叉。

案外、この手のタイプが苦手なのかもしれない。


「よっしゃ!じゃあ聞き込み行くで~。こやちんも来ぃや~。凪っちもおいで~」

「あ……えっと…」


鞠ちゃんを抱えたまま、ズンズンと集落奥へ進んで行く霞と俺とを見比べる凪。

いいよ、と言うと、失礼します、と霞の後をついていった。

何気に小夜叉もちゃんとついていったようだ。

取り残される風と俺。


「……お兄さ~ん」

「なに?」

「この面子だと、風が喋る隙がないのですけど~…」

「…濃い面子だからね」

「台詞が無いと、風いないと思われてしまうのですよー」


身も蓋もないことを言い出した。


「それはさておき、俺たちも聞き込みに行こうか」

「ですね~」


こうして俺たちは、手分けをして化け物の噂を調査するのだった。






………………

…………

……




「ふむ…」


昼過ぎに合流した俺たちは、食事処で昼食をとりながら、持ち寄った情報を整理することになった。


「凪ちゃんの言ってたとおり、大きく分けて二種類の噂がありましたね~」


風が、ふむふむ、と仰々しく頷いてみせる。


「化け物は物々しい風体をしており、身の丈十尺、返り血のせいで全身は真っ赤に染まっている、と」


これが一つ。


「片や、別の異形のものをやっつけてくれる天女。豊かな胸をもち、紅玉のように赤い羽衣と美しい髪をしていた、ってか」

「私が聞いたときと、さほど変化はありませんね」

「う~ん…多分、この赤い化け物ってのは同じ事を言ってるんだろうけど…なんでこんなに違うんだろ?」

「さっぱり分からんわ」


俺と霞、そして凪は腕組みをしながら首を捻る。

と、


「おい一刀。テメェ馬鹿か?」

「な――」


突然の暴言に凪が絶句する。


「こ、小夜叉殿!いくらなんでも失礼が過ぎるでしょう!隊長にそのような……」

「馬鹿に馬鹿っつって何が悪ぃんだよ。こんなもん簡単だろうが」

「え――?」


小夜叉の予想外の発言に、またしても言葉が詰まる凪。


「簡単って、つまりこの噂が示すことが分かるのか?小夜叉」

「さっきからそう言ってんだろうが」

「いや、言うてへんで」

「なぁ、鞠?」


霞の突っ込みも完全にスルー。


「うん、簡単なの。ねぇ、風ちゃん?」

「はい~、簡単ですね~」


小さい組三人が連携して簡単を連呼する。


「え、なに?そんなに簡単?」


今の俺は、さぞかしアホ面をしていることだろう。


「ですね~。今回のように、対立関係にあるわけではない方々に、同一の事象について尋ねた場合に出てくる誤差は、思い込みや噂の尾ひれであることがほとんどです。それらをふるいにかけ、残った事実を取り出してあげると~?」

「正体は分からねぇが、赤くて強い奴がいる、ってことだろうが」

「なのっ!」

「な、なるほど……」


三人の説明は単純だが、的を射ている。

噂に惑わされていた俺が恥ずかしい。

風はともかく、小夜叉の直感力と鞠ちゃんの聡明さを、まざまざと認識させられた。


「はぁ~、なるほどなぁ…ほなら、目撃された場所はほとんど同じ場所やし、その辺に行ってみよか?」

「そうですね。元より我々はそのために来たのですしね」

「確かその辺りには、古い砦が一つあったはずですから、まずはそこまで行ってみましょうかー」


方針は決まった。

今から出れば、日が暮れる前には帰ってこられるだろう。

俺は食後のお茶を流し込むと、気合を入れて立ち上がった。





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