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恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
42/107

弐章・弐ノ弐ノ参 ~訪問者~

どうも、DTKです。

お目に留めて頂き、またご愛読頂き、ありがとうございますm(_ _)m

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、42本目です。


今回は陳留編の三本目。

ようやく時間軸が主筋に追いつきました。

話とは関係ない話が長くなってしまいましたが、お付き合い頂ければと思います。

なお、特別勉強したわけではないので、その辺お含み置き下さいm(_ _)m


なお、実際の地形や距離とは異なった表現があります。

その辺、お含み置き頂ければと思いますm(_ _)m







記憶を失った少女、小波との生活はしばらく続いた。

相変わらず記憶は戻らないし、言葉も幼児レベルのままだが、足の痛みが取れた頃から俺の身の回りの世話をしてくれるようになり、そのうちに小波が考えてることも何となく分かるようになってきた。

なんとなく、こんな生活もいいなー、と思い始めた、そんな折。

不思議な組み合わせの訪問者が現れた。






コンコン、と部屋の扉がノックされる。


「どうぞー」

「隊長ー」


顔を覗かせたのは沙和だった。


「どうした?」

「隊長にお客さまなのー」

「客?俺に?……誰だろう」


沙和がここまで通すような人で、いま訪ねてくるような人に心当たりはないんだけど…


「隊長、ご無沙汰しています」

「な、凪!?どうしてここに…」


都に詰めているはずの凪が、沙和の後ろから現れた。

そしてさらにその後ろから…


「ごっ主人様ぁ~~!!」


ポニーテールを靡かせながら、俺に飛び掛ってくる見知った顔。

と…


「あ、ヤバイ!…止まれ、タンポポ!!」

「へ?…うきゃっ!!」


ドンッ!!


「あちゃ~~…」


俺は額を押さえる。

目の前には、右腕を後ろで捻り上げられ、うつ伏せに組み敷かれているタンポポの姿があった。

組み敷いているのは…


「小波、この娘は俺の知っている人だよ。だから離してあげて」

「う?」


そう。記憶をなくした少女、小波だった。

小波は驚異の身体能力を持っているらしく、足が治るや否や、俺に近付く知らない人を片っ端から無力化していった。

護衛のつもりで良かれとやっているようで、こればかりは何度言っても直らなかった。

だから、なるべく俺に用があるときは、小波が知ってる風や沙和、真桜に任せていたのだが…


そんな小波は俺とタンポポの顔を何度か見比べた後、渋々といった感じでタンポポを解放した。


「いったーーい!!もう、ご主人様!なんなのさ、この娘!?」


タンポポは極められていた肩をさすりながら、ほっぺたを膨らませる。

そりゃいきなり組み伏せられれば、不機嫌にもなるわな。


「あぁ、順番ムチャクチャになったけど紹介するよ。この娘は…」

「こ…小波さん!!?」

「ん?」


俺が名前を言う前に、凪の後ろから聞き覚えのない声がした。


「君は……」


目を向けると、凪に隠れるように立っている、可愛らしい眼帯をつけた女の子がいた。


「……誰?」


知らない娘だった。






………………

…………

……




「……なるほどね」


ただならぬ事態が起こっているとのことだったので、陳留の玉座の間に、華佗も含めた主要メンバー全員を集めて話を聞いた。

あらゆる意味でぶっ飛んだ話だけど、自分の例があるだけに、全てにおいて否定することは出来なかった。


「え~~っと……で、山本さん?」


先程の眼帯少女は、なんとあの!

武田信玄の軍師的存在の、山本勘助だった!

色々と度肝を抜かれる話があったけど、一番驚いたのは妹の息子(と言っても、俺の中の妹はまだ中学生だったが…)が、戦国時代にタイムスリップし、しかも戦国武将が軒並み女の子だった、というものだった。

どこのゲームだよ?と思いたかったが、自分の例があるだけに(ry


でまぁ、その戦国武将の一人が、目の前の山本勘助ちゃんというわけだ。


「あ、いえ……私のことは、通称の湖衣とお呼びください」


真名(通称?)の扱いも、こちらと少々違うようだ。そこまで重い意味を持っているわけではないらしい。


「それじゃあ、湖衣。小波のことなんだけど…」


今も俺の腕にピッタリと寄り添う小波を見やる。

俺の視線に気づくと、ニッコリと微笑んでくれる。


「はい。小波さんは剣丞さま…一刀さまの甥御さんの隊の一員です。確か、探索に出て戻らなくなったと、仰っていたと思います」

「そうか…」


多分、その探索の途中で黄河に落ちたんだろう。

ただ、小波はあの!服部半蔵だそうな。

驚異の身体能力も頷けるが、その小波がどうして黄河に転落したかという謎は残る。


「それでその、この状況なんだけど…」

「あぁ…」


俺の腕に縋りつく小波を見ると、湖衣は少し溜息をつく。


「その…小波さんは剣丞さまの、あ、愛妾の一人でして…恐らく、一刀さまと剣丞さまを勘違いしているのではないかと…」


私の知っている小波さんとは、性格が違いすぎますが…と付け加える湖衣。


「ふ~ん…そんなに俺と、その…剣丞くん?って似てるの?」


凪とタンポポも剣丞くんを知っているようなので聞いてみる。


「う~ん…顔はそんなに似てないよね?」

「そうだな。ただ雰囲気と言いますか、醸し出す空気が、どことなく似ているとは思いますね」

「ふ~ん…」


ま、とにかく勘違いなんだから、正しておかないとな。

好きでもない俺に勘違いでベタベタしてるんじゃ、小波が可哀想だ。

俺は小波の両肩に手をおき、正面から目を覗き込む。


「小波、剣丞って分かるか?良く見てくれ。俺は剣丞じゃないんだ」

「う?うぅ~~…けん、すけ?……」


俺にはいつも向けられていた笑顔が曇り、眉間に皺が刻まれる。

瞳が揺れだし、瞳孔が不規則に収縮をし始める。


「ご主じ…あ……け、けんす……あ、あ゛…あ゛あぁあぁぁ~~~!?!」

「小波!?」


突如、頭を抱えてうずくまる小波。


「まずい!!」


小波の尋常ならざる様子に、華佗が小波の首筋に針を打ち込む。


「あ……」


息を漏らしながら、糸の切れたマリオネットのようにガクリと倒れこんだ。


「だ、大丈夫なのか?これ…」

「心配するな、少し眠らせただけだ。それよりも、その剣丞という人物が、小波の記憶を取り戻す鍵になっているようだな」

「あぁ、そうみたいだな」


俺は倒れている小波を抱き上げる。


「ただ、無闇にその名前を出すのは危険だ。頭に負荷を掛けすぎるあまり、かえって小波の健康を害する可能性がある」

「あぁ…」


さっきの様子を見れば分かる。

記憶を取り戻そうとするあまり、小波を傷つけるんじゃ本末転倒だ。


「ちょっと小波を寝台に寝かせてくるよ」


と、俺は部屋を出た。




…………

……




「そういえば、華佗さんはお医者様、なんですよね?」


一刀が去った後、湖衣は思い出したように尋ねる。


「あぁ、そうだが」

「凪さん、もしかして華佗さんなら、一葉さまを治せるのではありませんか?」

「そうか!五斗米道の華佗殿なら!」

「どういうことだ?病人がいるのか?」


湖衣と凪は、一葉について代わる代わるに事情を伝えた。

洛陽の医者では症状が良く分からず、氣について見識がある凪が診たのだが、当然ながら症状は改善しなかった。

凪は、氣を使い果たしたため、氣穴と氣脈が機能していないのではないか、という見立てを付け加えた。


「氣を使い果たすだと!?そんな真似を出来る者がいるのかっ!?」

「そんなにすごいことなのですか~?」


珍しく驚愕の表情を浮かべる華佗に、のんびりと風が尋ねる。


「あぁ。そうだな……人の身体を流れる氣というのは、氣穴を水源、氣脈を水路とした、例えて言えば黄河のようなものなんだ。氣を扱うものは、氣脈から気功のような形で治療に用いたり、氣弾のような形で攻撃手段にするんだが…」

「私の氣弾などは、黄河の水を桶で掬う程度。先の武道大会で春蘭さまが放った大技でも、水を引いて小さな池を作った、という位だろう」


華佗と凪が黄河に例えて話を進める。


「その膨大な氣を使い果たすということは、黄河の水を全て、洪水のように放出させるような術がなければならない。俺にはそのような術に心当たりはないのだが…」

「いえ、一葉さまのお家流、三千世界は大量の氣が必要だと聞いています。それならば、あるいは」

「そんな技が…」

「ほぅ…」


凪と華佗が二の句を継げないでいる最中、


「氣を使いきるっちゅーんがどんだけ大変かは分かったけど、氣穴が機能せんってのはどういうことなん?」


真桜がもう一つの疑問を投げかける。


「あぁ、氣を使い果たすというのは、氣穴、水源の水まで全て使い切り枯らしてしまうという事だ。まぁ、人間の氣穴は完全に閉じるという事はないんだが…仮に黄河の水が枯れてしまったら、どうなると思う?」

「…そんなの想像できないのー」


沙和が目をくりくりさせる。


「水気がない荒野に水を少し撒いても、すぐに乾いてしまうだろう?だから大雨、この場合は大量の氣が必要になるわけなのだが、今の一葉殿の状況だと、氣穴から自然に生成される氣の量では、氣が体内を循環するまでには至っていないのだろう。だから一葉殿の体内では、氣が少し作られては消えている状況なのではないかと思う」

「ふ~ん…」


珍しく長尺で喋る凪。

話がどんどん難しくなり、相槌を打つのが精一杯のタンポポ。

風に至っては完全に瞼が閉じている。


「氣が満ちていれば、体温高く、風邪などの病などにもかかりにくくなる。武人などが病に強いのもこのためだ。しかし、逆に体内を氣が巡っていなければ、体力が下がり、疾病を引き起こしやすくなる。非常に危険な状態だろう」

「それで、華佗さんは一葉さまを治せるのですか?」


華佗の言葉に不安げな湖衣。


「それは大丈夫だ。俺の五斗米道には氣穴を活性化させる術もある。活性化させる一方で、氣脈に少しずつ俺の氣を流しながら施術すれば、まず問題ないだろう。なに、氣を使い果たせる精神力の持ち主だ。心配なかろう」

「良かったです…」






「何の話をしてるんだ?」


俺が部屋に戻ると、何やら真面目そうな話が繰り広げられていた。


「隊長、洛陽に華佗殿でなければ治せない病人がいるんです」

「そうなのか?それじゃあ、早く行ってあげなきゃ」

「ご主人様もだよ!タンポポたちがここに来たのは、みんなに合流してもらうためなんだからね!」


小波の話で盛り上がってしまったが、タンポポたちの本来の目的は俺たちの洛陽合流だった。

強大な敵と対峙しているため、力を合わせることが目的のようだ。


「う~ん…でも小波もいるし、引継ぎもあるからなぁ。なんだったら、華佗だけ先に…」

「いいえ。いつ何が起こるか分かりませんので、なるべく全員で行動すべきかと…」


俺たちが全滅してしまった過去で、最後まで生き残ったという湖衣が、切実に訴える。

そこまで慎重に動くべきなのだろう。


「分かった。全員で行動しよう。なら風は俺たちがいなくてもいいように政務の調整を、沙和と真桜は警備体制の調整をよろしくお願い」

「は~い」

「分かったの!」

「りょーかいや」

「凪とタンポポは移動の準備を手伝ってくれ」

「はっ!」

「了解だよ!」

「湖衣は…」

「私も、お手伝いさせて頂きます」

「ありがとう」


みんながテキパキと動いてくれた結果、三日後には全員で陳留を出立することが出来た。






こうしてタンポポ一行は、一刀・風・沙和・真桜、そして華佗と小波を加え、洛陽へと引き返すのだった。







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