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恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
22/107

一章・肆ノ弐 ~迫る敵影~

DTKです。

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、22本目です。


洛陽に入った剣丞たち。

改変前に洛陽を陥とした敵とは?


次辺りから、ちょっと面白くなるかもです。





その後、雫ら残りの仲間全員を洛陽に呼び寄せた剣丞たち。

改めて全員の面通しをした後、防備の割り当てなどを話し合う作戦会議を始める。


その最中、予想外の来訪者があった。






「な、凪……アンタどうして……」


出迎えた詠は絶句した。

都に詰めているはずの凪が、息せき切らして洛陽にやってきたのだ。


「それが……都が、何者かに囲まれてしまい……」

「な、なんですってーーーー!!?」






………………

…………

……




会議の場に凪を招き入れ、お互いの情報を交換する。


「都が……」


凪の話を聞くと、都を取り囲んでいる敵は、白い装束を身に纏っていたらしい。

恐らく、剣丞たちを襲った連中と同じだろう。

規模は段違いだが。


「隊長の甥御さん、ですか……」


剣丞たちの事情を聞いた凪も愕然としていた。

俄かには信じがたいが、信を置く多くの仲間が信じているので、凪も信じざるを得ない。


「で、今はいつ来るか分からない敵に備えてるってわけ。だから今すぐに都へ兵を送るのは難しいわ」

「そう、ですか……」

「ま~でも安心しぃ凪っち!春蘭とこに援軍を要請しとるさかい。それを合わせて、敵を撃退したらいくらか都にも兵を送れるやろ」

「はい。そうですね……」


都のことが心配なのか、顔色が優れない。


「大丈夫ですよ、凪さん。あの都はそう簡単に陥ちません。井戸も城内にたくさんありますし、備蓄も充分。民の信頼も篤い。

 そしてなにより、華琳さんが守ってらっしゃるのでしょう?ちょっとやそっとじゃビクともしませんよ」


ニッコリと笑う月。


「……はい。ありがとうございます、月さま」


月の冷静な分析と、どこか安心させてくれる声色で、凪に笑顔が戻る。


こうして洛陽軍は凪を加え、いま出来る最善の防備を整える。

いつ来るか分からぬ敵に警戒をしながらも、剣丞たちは連携に備え、多いに交流した。


そして二日後、


「敵現る――――」


この報が、太陽が中天に差し掛かる少し前に届いた。






玉座の間に主だった将が集まる。


「遅くなりました」


最後に入ってきたのは、詠と湖衣だ。


「それじゃ、状況を説明するわ」


軍議の進行役は詠だ。

机上に洛陽近辺の地図が広げられる。


「湖衣に見てもらったところ、敵は西方より出現。総勢は約五万」


ざわつく議場。

一騎当千の武将が多数いるものの、兵数自体は元々の洛陽守兵と姫路衆を加えた一万数百。

武将を当千と数えても、二倍以上の差がある。

だが、籠城さえすれば相手に出来ない数でもなかった。


「凪には、春蘭のもとへ走ってもらったわ。実際に敵が来てしまったことを伝えて、援軍を急いでもらうわ」


そう言えば凪の姿が見えなかった。

都から洛陽まででもかなりの距離を走破しただろうに、また長駆することになる。

本人が進んで引き受けただろうが、大変なことに変わりはなかった。

コホンと咳払いを一つし、詠が話を進める。


「今ここで動ける将は私を入れて十人。これを軍師五人、将軍五人に分類し、本陣と東西南北の門に分かれて戦ってもらうわ。

 組み合わせは私が雫と湖衣から聞いた、力量や性格などを加味して決めさせてもらったわ。もし異論があれば言って頂戴」


そう言い切り一息つくと、ゆっくりと周りを見ながら口を開いた。


「本陣!軍師、湖衣!将軍、明命!」

「「はいっ!!」」


元気よく返事をする二人。


「湖衣はここからなら、そのお家流ってやつで洛陽全域を俯瞰できるのよね?」

「はい。ここからなら隈なく俯瞰することが可能です」

「なら湖衣はここで戦場の分析をお願い。明命は月と湖衣の護衛と各所への伝令をお願いするわ」

「分かりました!」


本陣に当てられた二人は力強く頷く。

それを見て詠も安心し首肯した。


「東門!軍師、新田剣丞!将軍、霞!」

「いやいやいやいやっ!!」


ちょっと待ってくださいよ!とばかりに立ち上がる剣丞。


「俺が軍師とかおかしいでしょ!?無理だってそんなの!!」

「大丈夫よ。別に奇策を考えろって言うんじゃないんだから。一応、未来?で孫子の薫陶を受けてるんでしょ?」

「まぁ、それは…」


確かに受けてはいた。

それも稀代の兵法家に、である。


「ま、ぶっちゃけ不安だから、文武共に一流の霞と組ませたわけ。霞、剣丞の補佐、頼んだわよ」

「よっしゃウチに任せとき!よろしく頼むで、ぐ・ん・し・さ・ま!」


ポンポンと肩を叩きながら囁く霞。


「うぅ……プレッシャーだぁ……」


詩乃が加入してからこっち、まともに部隊指揮をしたことがない剣丞にとっては久々の采配となる。

胃がキリキリと鳴り出す剣丞だった。


「南門!軍師、幽!将軍、タンポポ!」

「ひょっ!?いやいや、それがしが軍師など……」

「いや、そのくだり、もう俺がやったから」


大体兵法を俺に教えようとしてたの誰だよ。

と、剣丞が突っ込む。


「四書五経に通じ、弓馬にも通じてるんでしょ?下らないことで文句言わないでちょうだい」

「やれやれ、仕方がありませんな…」

「よろしくね、幽!」

「えぇ、こうなったらそれなりに頑張りましょう」


腹黒と小悪魔のタッグ誕生に、少々敵を同情してしまう剣丞。


「西門は軍師を私が。将軍を鞠にお願いするわ」

「鞠が将軍なのっ!わーいなの!」


おままごとでお母さん役に選ばれたような喜び方をする鞠。


「鞠、頑張るの!詠ちゃん、よろしくね!」


鞠はグッと両手を握り締め、やる気充分。

えぇ、と背丈はあまり変わらない鞠に、詠は微笑む。


「残る北門は軍師に雫。将軍は翠、よろしく頼むわよ」

「おうさ!雫、よろしくな!」

「ひゃ、ひゃいっ!よろしゅくお願いしましゅ!」


多くの意味で、ほぼ朱里・雛里の雫なら翠も気楽だろうし、翠の引っ張りがあれば雫も力を発揮できるだろう。

良く考えられた配置だった。

全ての配置を言い終えた詠は、改めて全員を見渡す。


「異論は無いわね?それじゃあ、持ち場についてちょうだい!各員の奮励努力を期待するわ!!」

「「「応っ!!!」」」






――――――

――――

――






遠めに洛陽が少し見えるかという丘の上。

そこには道士風の男が二人、立っていた。


「さて、どう攻めますかね」


肩ほどまでの黒髪に眼鏡をかけた理知的な顔をした男が、もう一人の短髪で勝気な顔立ちの男に問いかける。


「ふんっ…力押しで攻めればいい。報告では董卓と賈駆しかいないのだろう?」

「他の将軍が洛陽に入った、と言う報告は届いてませんね。先日入った楽進はどこかへ出て行ったようですし」

「ならば四方から踏み潰す。こんな城に時間は掛けてられないからな」

「そうですね。私はこのあと南へ戻りますが、傀儡はこの数でいいですか?」

「五万もあれば充分だろう。さっさと行け!」

「……私がいなくて、寂しくないですか?」

「ほざけ…」


妖しげな笑みを浮かべると、眼鏡の男の姿は大気に溶け込むように掻き消えた。。

残った男の目には洛陽が、そしてその奥には憎き男の姿が映っていた。


「北郷、一刀…」


強く噛み締めた奥歯からはギリッという音がした。






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