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恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
101/107

陸章・弐ノ弐 ~救援要請~

どうも、DTKです。

お目に留めて頂き、またご愛読頂き、ありがとうございますm(_ _)m

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、101本目です。


小谷城に迫り来る魔の手。

眞琴たちが切り取られた近江で取った手立てとは…?




「それはいきなりでした…」


突如として東から鬼の大群が押し寄せてきた。

あっという間に観音寺城は囲まれ、落ち延びるのがやっとだったという。


「それと、これは未確認の情報ですが…」


と麦穂が続ける。


「僅かではありますが、佐々木氏の家紋入りの具足を身に纏っていた鬼を見たとの報告もありました」

「――っ!それって…」


かつて南近江に勢力を誇った六角氏。

佐々木氏の流れを汲む名家だが、浅井家、織田家とそれぞれ戦い敗れ、凋落の一途を辿った一族だ。


「まさか…六角の者が、朝倉と同じように…」

「恐らく…」


場を重苦しい空気が包む。

朝倉の一件は、多くの者の心に深い傷を残していた。

眞琴は縁の深い朝倉家を失い、麦穂は桐琴という同胞を失った。

六角家にはそのような由縁は無いが、朝倉の悲劇が繰り返されるのと自らの危機が重なり、空気を重くしていた。


「申し上げます!鬼の大軍が小谷に接近!籠城戦に入りました!」

「分かった!すぐに行く!」


眞琴は伝令に応える。


「今から検分に行かねばなりません。麦穂さんはこちらで休んで…」

「いえ、私もお供いたします」

「え、しかし…」

「観音寺に押し寄せた鬼を確認したのは私だけ。そしてその数が少なければ…今度は坂本が危険なのです」

「あっ!」


観音寺から北に抜ければ小谷だが、西に向かえばそこは近江の一大拠点、坂本だ。

堺のような商業都市だが、堺ほどの防衛施設はない。

今は比叡山の僧兵が詰めているが、どれほど保つかは分からない。


「まずは検分を。鬼の数によってはあちらに援軍を送るか、あるいは援軍を出してもらうかを判断する必要があります」

「…分かりました。ではこちらへ」






「どう?麦穂さん…」


小谷城の中ほどに設けられた物見台に三人は立っていた。

やや遠くに見える小谷城の正門。

さすがに見事防戦しているように見える。

ただ、これだけ離れていても、鬼の巨躯ははっきりと数えられる大きさである。


「はい、いま見える範囲の数を見るに、恐らく観音寺城に攻め寄せた数とほぼ同じだけ、こちらにいると思います」

「そうですか…良かったと言うべきか悪かったと言うべきか…」


無防備な坂本を攻められるよりはマシだが、鬼の全勢力を小谷で受け止めなければならない。

堅城と名高い小谷城だが、苦戦は必至であろう。


「眞琴さま、お市さま。一つ、進言したいことがあるのですが…」






――――――

――――

――




麦穂の提案した策が、少数精鋭による突破。そして坂本へ援軍を乞いに行くというものだった。

そしてその中には、眞琴や市も含まれていた。


「如何に江北武士でも普通の兵では突破は難しいでしょう。その点、眞琴さまとお市さまが加われば、突破も可となるかと」

「し、しかし…城主たる私が城を空けるわけには…」

「いいえ、この場合は逆です。突入隊は中に眞琴さまやお市さまがいらっしゃればこそ死力を尽くし、

 城内の兵も城主が援軍を連れてくるまでは必死で城を守るでしょう」

「それは…いやしかし!」

「行こう、まこっちゃん」

「えっ?」


なお食い下がろうとする眞琴を市が押し止める。


「私も麦穂さんの考えが一番いいと思う。このまま籠城しても助かる見込みはほとんど無い」


元々籠城とは援軍の当てがあって行うもの。

如何に江北武士が精強とはいえ、鬼の大軍を前にいつまで凌げるかは分からない。

今この地において、援軍になりうるのは坂本の兵のみ。

いずれ異変にも気付くだろうが、連携が取れない状況というのはよろしくない。


「ここは積極策に出よう、まこっちゃん」

「…分かった」






――――――

――――

――




こうして鬼の囲みを突破した眞琴たちは、琵琶湖の北側を回り、一路琵琶湖南端の坂本を目指した。

多少遠回りだが、南の道は鬼がいると思われるので仕方がなかった。


「た、たた…大変です!!」


先触れに出していた兵が慌てて戻ってきた。


「どうした!?」

「さ、坂本の街が…ひ、比叡山が……っ!」

「――まさかっ!?」


比叡山が見える所まで来ると、所々から黒煙が上がっているのが見えた。


「馬鹿な……麦穂さんの話では、こちらに戦力を割くほど鬼はいないはずでは…」


呆然とする眞琴。


「それより急ごうまこっちゃん!まだ無事な人がいるかもしれない!」

「あ、うん!!」


二人は坂本への道を急いだ。






そして、坂本の街の北端に差し掛かると…


「そ、そんな……」

「まさか…」


眞琴たちは、真っ赤に燃え上がる炎を背にした『鬼』と、邂逅した。






「おのれ浅井長政!やはり来おったかぁっ!!」


山をも震わす大音声。


「我が殿との盟を破るのみならず、その後背を襲おうとするとは不届千万!ここから先は一歩も進めぬと思えゃあ!!!」


空気を切り裂く音と共に、頭上で一回愛槍を回し、石突を地面に突き立てる。

轟音を立て大地が震え、炎が猛った。

仁王立つその姿は、言葉通り、一歩も先へは通さないという意志を体現していた。

その気迫に眞琴を含め、浅井勢の全ての者から言の葉を奪った。




ただ一人を除いて。


「どうして……どうして!?」


市だった。


「なんで……なんで貴女がここにいるの!??」





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