第八話
大変!遅くなりました。
そして、申し訳ありませんです!進んでおりません(笑)
久しぶりすぎて、文があまりにもお粗末ですが、楽しんで頂けたらと思います!
書き直すかもですが、とりあえず!!
アオとダーウィンの声が聞こえたと思った瞬間、無駄マッチョがアティの視界から消えた。
あれ?と思っていると、その身には暖かさを感じた。
アティはぎゅっと抱きしめられていた。
え?え?
パニックになりながら、手をパタパタさせているとアティの頭の上から怒ったような声が降って来た。
「この、馬鹿!」
「え?あ、ウィン?」
「…はぁ。いきなり消えたかと思ったら、そんな格好して、乱闘騒ぎに巻き込まれて…しかもナイフを持った大男相手に…本当にお前は昔から…なにやってんだ。」
「…ごめん。でもコレには理由があって…」
「どんな理由だ。どんな。大体なんで女の格好に戻ってるんだ。」
「えっと、これは、アオが…いや、その青の王が…」
「…はぁ。(つまりは、ばれているってことか?)」
「ご、ごめん。で、でもばれていないと思う!だって、女装って、変装って言ってたし!」
あわあわと言い訳をするアティをダーウィンは白い目で見る。
ばれていない?そんな訳ないだろう。
女だと、こいつはフォルスではなく『アティ』だと明らかにばれている。
でなければ、この後ろから発せられている殺意の意味がわかない。
殺意…もしくは嫉妬。
この気だけで人を殺せそうだな…。
そう思いながら、ダーウィンはアティを放さなかった。
なんだかんだ、アティは守るべき主、姫であり大事な幼馴染であり、ティティの姉なのだ。
…そう簡単に渡してたまるか。
そんなダーウィンの思惑を知らないアティは、ダーウィンの肩越しから無駄マッチョがどうなったか見た。
無駄マッチョは完全に気絶していた。
もちろん、アオに伸されたのだ。
一瞬だったと思う。
アティは、ふと、その瞬間を見たかったなぁと思った。
きっと、すごく、かっこよかっただろうな。と…。
アオが戦う姿を想像して、少し顔が熱くなった。
はたから見ると、抱かれた女が顔を赤くして恥らっているように見える。
まるで恋人同士だ。
「おい。いつまで引っ付いているつもりだ。」
まるで、氷のように冷たい美声が発せられた。
はっとして、声の主を見ると悪魔も裸足で逃げ出しそうな顔をしたアオが腕を組んでこちらを見ていた。
…めちゃくちゃ怒ってる!!!???
アティは慌てた。
「あ、あの、アオ?」
「なんだ。」
「あの、怒ってる?」
「…なんでそう思う?」
なんでって…その顔、その纏っている空気を見ればわかるでしょうよ…。
「…えっと…?」
「とりあえず、離れろ。」
べりっとはがされそうになったが、ダーウィンによって阻止された。
あれ?そういえば、なんでダーウィンに抱きつかれてるんだろう?
今更思うアティだった…。
「恐れながら、お遊びにもほどがあります。我が主をこのような格好にさせて…更にこの様な目にあわせるなど…いくら貴方様でも許されませんよ。」
「このような格好?それはこちらの台詞だろう。エイリスの騎士。」
「…意味が分かりかねますが。」
「俺が分かっていないとでも?まあ、いい。おかげで俺もコイツを見つけることができた。それこそ感謝したいくらいだ。お前の「主」とやらにな。」
「…。」
「この様な騒ぎに巻き込んだのは謝ろう。俺が目を放したのが悪かった。まさか一瞬で消えるとは思わなかったのでな。今後は気をつけよう。これからは、もう、絶対に、目を放さない。安心されるとよい。」
「…。いえ、この方を守るのは我々の役目ですので。」
「俺が居る時は不要だ。」
男達の会話がアティの頭の上でなされている時、アティは死にそうな目にあっていた。
ちょ、ちょっと、ダーウィン!!放なしなさい!っていうか放せ!
窒息する!筋肉に潰されて死ぬから!!ギブ!ギブ!
必死にダーウィンの胸を叩くアティ。
はっと、ダーウィンが力を抜いた瞬間、アオはアティの身柄を奪っていた。
はぁはぁと荒い息を繰り返すアティにアオを顔を近づけて、その頬を両手で包んだ。
急に現われたアオの顔に、ぎょっとするアティ。
ち、近い!!
「おい、アティ。」
「へえ?」
「逃げるぞ。」
「はい?いいいいい???」
まだ息の整っていないアティをアオは急に抱き上げ、ものすごいスピードで走り出した。
まるで、王子から姫を奪った盗賊のように…。
走り去る二人を見て、ダーウィンは溜息をついた。
これは、アイツが荒れるな。
なんとなく逃げたくなるダーウィン。
その彼の肩に、ぽんと手を乗せた男がいた。
…誰かは分かっている。ここまでダーウィンを連れてきてくれた、面倒くさい男だ。
振り向くと、想像通りの顔。しかもニヤニヤしている。
「すみませんねぇ。うちの主が。いやぁ、しかしいい感じなラブバトルでしたよ!私笑い過ぎて動けなくなっちゃいましたよ。いやぁ、楽しかった!すばらしい活躍でしたよ。ダーウィン殿!ああ、しかし、また逃げられちゃいましたねぇ。いやいや、恋人に逃げられる男の後姿って、こういう感じなんですね!勉強になりました。あ、どうします?追い掛けます?止めといたほうがいいと思いますけど…」
「ジェラード殿…」
「はい?」
「いえ。帰ります。」
「そうですか!!!いやあ、残念!!しかし貴方のところの主は面白いですねぇ。うちの主と張るくらい男らしいかと思えば、月の妖精のごとく美しくもあるとは!!」
「…そりゃどーも。」
ダーウィンはもう一度、走り去った二人の方向を見た。
…青の王よ。どうしてこんな男を側近にしたんだ…。と恨みを込めて。
その背中は更に哀愁が漂い、民衆は涙したと言う。
その後広場では、ものすごいラブバトルがあったとはやし立てられ、その場に残されたダーウィンは盛大に慰められたとか…なんとか。
苦労の耐えないダーウィンであった。
ウィンがあまりにも可哀想な展開に…。
しかも、ヒロインほとんど出てきてません(笑)
次回は、次回こそは!
お楽しみに…m(__)m