第554話カレー作り
「一人でつけるのが難しい場合は、周りの人に手伝ってもらってくださいね。
あとしっかりと着用できているかもチェックし合いましょう」
「どう?」
「かんぺきー。
私はどう?」
「んー、これだとすぐほどけちゃうかな。
少しじっとしていてね」
ウィリィンは言われた通りにエプロンがしっかりとつけられているかを確認し、周りの子にチェックを求める。
問題ないことが確認できると、周りの子の着用を手伝い始める。
「これで、大丈夫」
「ウィリィンありがとー」
「ねえ、僕はどうー?」
「俺はー?」
「うーんと、一人一人確認するから。
手分けしてやっていこう」
そういった感じで確認された人は確認する側に回るサイクルを作り、それほど時間をかけずに全員が正しくエプロンを着用することができた。
すると、再度ミラナが解説を開始する。
「はい、皆さん着用できましたね、では具体的な説明をしていきます。
本日はここにある食材を使って、カレーライスを作ってもらいます」
「「「「「おおー」」」」」
ミラナは冷蔵庫及び保存されている食料を指さす、野菜、肉、魚、よりどりみどりな食材が並んでおり、どれを使って作ろうか悩ましいぐらいである。
「ここの食材はなんでも、いくらでも使用して構いませんが、一つだけルールがあります。
使った食材は全て食べることです。
特に気を付けて欲しいのが、量と味です、もし、今日食べきれない場合は明日のお昼ご飯も作ったカレーを食べることになりますからね。
勿論、食べ終えるまでは食堂の使用は禁止です。
食べ物を無駄にするのはとっても良くないことです。
ただ、私の方でそういった事態にならないように注意はしっかりしますから、まずは気軽に作り始めて、困ったことがあれば、私に聞いてくださいね。
あとは、全て自由です、グループも自由に組んでください。
では、始めてください」
「「「「わー」」」」
ウィリィンはきょろきょろと周りを伺う。
「うーん、チームで作るか・・・。
ひとまず、エトゥをチームに入れるか、そうすれば、味はともかく、量の配分をミスったとしても全部食べてくれるでしょ」
ウィリィンはエトゥを探し始める。
エトゥは人由来でなければとても吸収効率が悪いため、人の何十倍の量を食すことができる為、つくりすぎてしまうという問題は解消できるはずである。
それに加えて、食い殺しの街出身だ、料理にはある程度造詣があると思われ、味に関してもある程度保証されるだろう。
「あ、エトゥいいところ・・・。
それ、手、どうなってるの?
肉自体はとても美味しそうだけど」
エトゥはある肉の入ったトレーを持っているのだが、それに近い分から順にエトゥの身体がパンパンに膨れ上がっている。
「ん、ウィリィン。
じゅるっ、この冷蔵庫凄い、こんな高級食材も置いてある。
是非入れるべき」
ウィリィンは肉のトレーに貼ってある肉の名前を見て、空気の層を作って肉を遮断しつつ、少し離れる。
「っ!?
なんか見覚えの名前だなと思ったら、レインボーカウじゃん。
確かに美味しいだろうけど、食べたら確実にエトゥ以外は死ぬよ?」
「ん?
何か問題でも?」
そう、死んだからといって復活するだけで問題はないように見えるが、ウィリィンが指摘したのはその部分ではない。
「死んじゃったら、食べる手が止まるから、全然進まないし、カロリー的に一口しか食べれないでしょ。
エトゥもレインボーカウを使うと、そこまで沢山は食べられないだろうし、確実に残るよ。
他の食材も最小単位が割と多いから、自ずと皆で作るか、シェアすることを前提にしてそうだからね」
良く見ると、食材は野菜であれば丸々1本といった感じの単位で置かれており、お残しが許されない以上は食材は全てを使用する必要がある。
仲間内で分割して、分け合うという手もあるが、
「エビ入れたーい」
「まずはにんじんとか、野菜だよー」
「お肉は鶏肉もいいよねー」
「チョコレートとかも合うかなー」
各々が好きな食材を入れたがる。
その中で共存できるのがあれば良いが、そうでない食材はかなり多めに入れなくてはならない。
「んー、この量は食べると3食分はある・・・。
私以外にまともに食べれる人はいない、となると諦めるしか、いや、手はあるっ。
ウィリィン探すの手伝ってっ」
「ええ!?」
エトゥは何かを思いついたようで、野菜が置かれている場所を懸命に探し出す。
ウィリィンもその勢いにつられて、一緒に探すのを手伝い始める。
「えっと、どんなの探せばいいの?」
「白い芋。
名前はヒキイモ、カロリーがレインボーカウを相殺できるぐらいマイナスの芋。
これと一緒に食べればカロリーは相殺されるっ」
「何その食べ物・・・。
カロリーゼロ、とかじゃなくてマイナス・・・?
食べたら逆に栄養奪われるの・・・?」
「あった。
ウィリィンこれもレインボーカウと同じで空気中にも影響するから、密閉してっ」
「レインボーカウの逆バージョンってことねっ。
そんな危ない食べ物なら先に言ってよっ。
はい、これで大丈夫」




