第525話次は魔道具
「っ!?
本当ですねっ。
この後は・・・機材がないので厳しいですが、なるべく早くご指摘いただいた部分に関して追加の試験を実施します。
ご指南ありがとうございます」
部員達はギャマナに対して頭を下げる。
「いいのよ。
んじゃ、私たちはこれぐらいで。
皆、急なお願いにも対応してくれてありがとね。
ウィリィンちゃん、次の場所へと向かうわよ。」
「は、はい。
ありがとうございました」
ギャマナは杖を操作して、部屋から立ち去る。
ウィリィンは部員の人達に感謝を述べながら、頭を下げ、ギャマナと一緒に出て行った。
「指摘点について、検証を行う前におっしゃって上げても良かったのでは?」
「まあ、これも勉強ね。
実験した後に言われた方が身に染みるでしょう?
それにやる前に伝えてもどうせ機材が用意できなかったでしょうからリスケでしょうし、ウィリィンちゃんに実験しているところは見てもらいたかったから、これで良かったのよ」
「そういうことでしたか。
失礼いたしました」
確かにそのまま今日行うはずだった検証が取りやめになっても困るし、ギャマナが言えば行わせること自体は可能だろうが、どうせもう一回やると思って実験を行なえばそれはおざなりな感じになるだろう。
そして実際に実験を行ってから反省点に気付けばより視野も広がるだろうとのことであのアドバイスのタイミングだったとのこと。
「さて、次は魔道具ね」
「っと、ギャマナ部長。
このペースでいくと魔法研究をしている部門に行く時間がありません」
「まあ、それは生贄部で見ているからいいでしょう?
あんな感じで何人も集って、おおがかりな魔法を長期間かけて完成させる感じよ。
あとは逆にそれらの魔法に対する対策を考えていたりもするわ。
学園の防衛にも一役買っている部門よ」
「それで大丈夫です」
確かに儀式規模の魔法はその時間、コストに見合ったものが顕現するわけであるため、個人でどうにかなるようなものではない。
まあ、ルリィウィンやそれぐらいのレベルの人であれば抗うことが可能だとは思われるが、基本的にはこちらも儀式級の魔法を使用することで対抗することになるのだろう。
そしてそのような会話をしつつ、次の施設へと途中転移を挟みつつ向かう。
「さて、着いたわよ。
気を付けて飛ぶから、基本的には問題ないはずだけど、周りのものは触らないようにしなさい」
「は、はい」
部屋を埋め尽くさんばかりに棚が置かれており、その中には何やらラベルが書かれ、収納されている何かがところ狭しと押し込められている。
「爆発性や毒性のある物質などを如何にしっかりとした入れ物で保管しているとはいえ、このように他の素材と混ぜて置くなとあれほど・・・。
目を離すとすぐに色々なところに物が置かれますね。
あとで指導しておきます」
「よろしく頼むわ。
1人で使っているのなら、自身が全て置いたものだからまだ安全でしょうけど、何人も使っている場所でこれはいつ事故が起きてもおかしくないわね。
まあ、それはそれで面白いでしょうけど・・・。
ああ、流石に被害の方が甚大で釣り合わないのは分かってるから、大丈夫よ」
ギャマナが爆発する様を思い描いて楽しそうな顔をすると、ナタトの顔が険しくなっていくことを感じ取ったのか、冗談であることを捕捉する。
「あまり本気か嘘か分からない冗談はお控えください。
ギャマナ部長であれば認めかねないと思ってしまいますから」
「しっかりと事前に予測を立てた上で行う検証も、その通りの値が出て気持ちいのだけれど、なぜそうなったのか分からないような混沌な事態も捨てがたいのよね。
ここらへん一帯でドミノ倒ししたら、面白そうなものが見れそうだとは思うない?」
「そういうところですよ」
「はいはい。
目的地に着いたわよ」
ギャマナは会話をそのまま流した。
そして辿り着いた場所は机がずらっと並んでおり、部員達が作業をしている。
天井や床などから加工用の機具も置かれているが、巨大なものは机と併設されるように置かれている。
そして、作業している人の中に見知った顔の人物がいた。
「あ、ボラト兄様」
「ん?
なぜかウィリィンの声が聞こえるような・・・?
って、ウィリィンじゃねえか、魔法部に来たのか?
っと、ギャマナ部長にナタト副部長、予算を増やしてくれ。
いい結果が出そうなんだ」
「戦闘関連の部員達のかしこまり具合もあれだけど、貴方の完全に利害でこちらを見てくる感じも極端よね。
あと、私の裁量権で自由にできる部分もあるけれど、正式な手順を踏むときはナタトを通しなさいね」
「急ぎでないのであればその方がよろしいかと。
ギャマナ部長は生贄部の騒動で一時的に金欠ですからね」
「まあ、それだけが全てというわけでもないけれどね。
充てはあっても振り込まれるのは流石に即時じゃないから、今直ぐに動かせるお金は少ないわねー」
生贄部の騒動で処罰を一部肩代わりしていた話は一緒にいたので聞いていたので知っていたが、やはりそんなに安い額ではなかったようだ。




