なにやら逃げ道が狭まっている気がする3
最近意地悪をしてくる子が少なくなってきた。
「本当によかったですわぁ、エミリー」
マリアーナな声をかけてくる。
「そうだね、こうやってゆっくり話ができるもの。
それに、あんなの何年も続けられないからね」
私はほっと一息ついて机に配られたプリントに目を落とす。
この学園は1月に入学や始業が始まり12月で卒業や終業で終わる、暦通りのスケジュールだ。
早3ヶ月、そろそろ暖かくなる時期で、学業予定も増え出してくる。
「あ、そろそろ最高学年が実地訓練に入るんだね」
「そうですわね、わたくしたちもあと4、5年ですわ。
領主、外交官、王宮女官、事務官、騎士など、それぞれに分かれて来年から学びが変わってくるのです」
隣に座ってるシルビアも声をかけてくる。
「ドキドキしますわねぇ」と微笑むマリアーナを見て、リックが生まれる前なら私は領主の道を選んでいたな...なんて漠然と思う。
「あらあら、わたくしたちも関係ありましてよ?
近々、一つ上の学年の方の適性を見るため、模擬戦がありますの。
わたくしは参加いたしますわよ?」
シルビアがニッコリしながら教えてくれる。
「我が国は極端ではありませんが、軍国主義であることはご存知よね?
一度戦争が始まれば、リーダーである貴族が先陣を切って行かなくてはなりません。
各々が引っ張っていける素質があるか、適正通りの道を選んでいるかの試験が模擬戦よ?」
「それでどうして私たちも?」
1学年上ならば、どう考えても来年の話だ。
「それぞれに紅白の陣営に分かれて、小さな戦を行いますわ。
希望者はそれを補佐する係になれますの。
こんな面白い試合を間近で見られるなんてそうないですよ!」
「なるほどね!」と、シルビアの話しを聞いて納得する。
「わたくしたち9学年は男女共に希望参加ですが、エミリーはどういたします?」
「シルビアは出るんだ?
マリアーナは?」
こくんと頷くシルビアにマリアーナは「そうですわねぇ...」とひとしきり考えて、ポツリと呟く。
「...ジーン様を...見てみたい気がいたしますわねぇ」
「ふわああぁぁぁ~~~!!
本当?マリアーナ!」
あの、いかにしたら強い騎士になれるか?しか、頭にしかないぼんやり鈍感騎士を選ぶんかっっ。
でもまぁ、あいつは鈍感以外はいいやつだからな!!
ニコニコと微笑むマリアーナに、思わずガッツポーズを決める。
「そんなら私はマリアーナを応援しに行くにきまってるよ!
マリアーナ、シルビア頑張ろう!!」
バカみたいに一気に楽しくなった気がした。
「まぁ、その前に新入生への歓迎会が先に行われますけどね?
エミリー、あなたダンスの練習はできてまして?」
男性パートは得意だよ!!なんて...許してくれないだろうなぁ。
「......」
「...特訓ですわね...」
笑顔のシルビアが鬼のように見えたのは気のせい?
毎度どうも、いつもありがとうです




