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砂の中にくるぶしまで埋めて進むと熱くない2

「ロベルト~~!

 こっちこっち!!」

浜辺に着いて、元気よく波打ち際に手招きをする。

「なんだ?」

「ほら見て見て、魚がいるよ!」

私の指差す方を、腕を組み前のめりで見るロベルトの背中を『かかったなっ、宿題の恨み思い知れ!!』と思い「うりゃっ」と掛け声高く力いっぱい押した。

.....つもりだったが「お見通し!」と言われくるりと避けられた。


どばしゃあああんっっ!


激しい水音に全員が振り向く。

「ええええエミリー?!」

シルビアが駆け寄る。

両手と両膝をついて四つん這いになってる私を「引っかかると思ってんの?」とロベルトが笑った。


許すまじ!!



大きいタオルでグルグル巻にされた私は、砂浜に設置されたビーチチェアに座り込んだ。

軽装で良かった。

あっという間に乾く。


レオンやロベルト、ジーンとレイモンドは4人で釣りをしている。

昼は釣れた魚を食べるらしい。

コックも連れてきたのか!?

さすがは侯爵家のおぼっちゃまだよ!

抜かりない。


釣れなかったら馬鹿にしてやろう!!



「ロベルトめっ、悔しい!」

「エミリー、あなたって本当に男の子ですわね」

悔しがる私にシルビアが呆れたようにしてため息をつく。

「まぁまぁシルビア、13歳までエミリーは男の子として育ったのですわぁ。

 倍の26歳までには淑女になってますよぉ」

「.....遠い道のりですのね」

マリアーナに諭され、ため息混じりに言われるといたたまれない。


「大丈夫だよ、高等科ではなんとかやってるもん!

 大事なところでははずさない!!」

慌てて平気だと胸をはる。

「それならエミリー、今度私の家で誕生日のパーティーをいたしますの。

 どうぞ来てくださる?」

「え!

 ほんとう?

 嬉しい!」

「えぇ、そこでお父様ったらみっともないのですが婚約する方を探すらしいですわ」


.....は?

今耳が遠くなったよ。

お父さんこんにゃく探しの旅にでも出るの?

こんにゃく勇者だね!



「.....こんにゃく?」

「えぇ、婚約」

「こんにゃくじゃなくて?」

「婚約」

ガシッとシルビアの手を掴んで、マリアーナを見る。

マリアーナはちょっと困った顔をしていた。


「相手は好きな人?」

再びシルビアを見つめると、シルビアも困った顔をしている。

「さぁ?まだ決まっておりませんし、お父様が選びますの。

 伯爵家もそれなりに『家』が絡んできますでしょう?

 わたくしは納得しておりますし、エミリーもマリアーナも気に病まないでくださいませ、ね?」

「それなりにたくさんの女性も呼ばれますし、誕生日パーティーとしてお二人もどうぞいらして」と隠しきれなかった寂しい顔を、優しい笑顔に変えるシルビア。


シルビア.....もしかしてレオンのこと好きなの?

マリアーナを見るとシルビアの頬を優しく撫でて「お伺いしますわ」と微笑む。


ありゃ?その訳知り顔はなんでしょう?

知らぬのは私だけだったのか!!



「.....ちょっと待ってて。

 いろんなものを釣りに行ってくる。

 シルビアとマリアーナは休んでて」

スクッと立ち上がり、岩場に向かう。



絶対に阻止してやる。

どこの馬の骨とも知らぬ男にシルビアをくれてやる気など毛頭ない!

大判のタオルが風にはためく。


私こそが勇者!

宣戦布告じゃぁ!!


ロベルトへのわだかまりも今はあっさり棚上げだ。

(ロベルトから言わせりゃ『お前の方が先に手を出したんだろう!?』って感じだろうけど、そこも棚上げ!)


いろんなもの?

そんなのあいつに決まってるだろうっ!!




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