砂の中にくるぶしまで埋めて進むと熱くない
「みなさん、すごいですわね」
頬に手を当ててシルビアがホゥとため息をつく。
無事にロベルトが指定した量の課題を終わらせた頃、シルビア達が帰ってきた。
お土産のケーキをもらいホクホク顔で食べた。
その後綺麗さっぱり夕食もいただき、やることを終わらせて現在シルビアの客間で女子会中だ。
「ん?なにが?」
「エミリーの迷子にしたって、エミリーが夕刻に庭の木にスルスル登って実を取ってきた時だって、ロベルト様達ちっとも慌てられませんでしたわ。
朝エミリーがいなくて私たちがオロオロしていた時も、ロベルト様は『ぅわぁ~~、出た。毎度お馴染み......』とぼやいた程度ですし.....」
「そうですわねぇ、ジーン様も『やらせとけ』の一言でしたぁ。
慣れてるのですねぇ」
眉をハの字にして困ったように笑うマリアーナ。
「先読みされてる感があるね!」
「.....あまりされたくない先読みですわ」
シルビアのツッコミが的確すぎる!と悶絶する。
そう、全く嬉しくない先読みだ!
「そういえば明日はどうなるの?」
「エミリーがちゃんといい子になさってたら、明日は海ですわよ?」
「え!?
するする、いい子にしてるよ!」
両手を握り締めてよっしゃぁ!とガッツポーズをする。
もう勉強なんてゴメンだ。
「あ!そういえばマリアーナぁ!
ひどいよ、なんでロベルトに宿題渡しちゃうのさ!」
「ごめんなさいねぇ、ロベルト様たってのご希望だったのよぉ」
「あの男!!」と言いながらでんっ!とテーブルを叩いた。
明日絶対覚えておけよ!!
翌朝も快晴だった。
「いいピクニック日和だな」
ジーンの言葉に「よかったですわぁ」とマリアーナが微笑む。
はたで見ていて今更ながら、こりゃ案外『お似合い同士』だなぁと言いたくなる。
無骨なジーンに見た目強そうだが雰囲気はほんわかマリアーナ。
悪くない、と頷き首を巡らすと、馬車にシルビアをエスコートするレオンが見える。
あそこも意外にお似合いなのだ。
継承権があり、将来的にも国の重役になりうる公爵家のレオンと伯爵家のシルビア。
立派な淑女でマナーを兼ね備えたシルビアはレオンを立派に支えられるだろう。
.....二人に何かあればの話だけど。
一番問題があるのが私。
ウチ男爵だし、ロベルトは侯爵家だし.....。
ロベルトの父上が許されるかどうか、怪しい匂いしかしない。
そういえばレイモンドはどうなんだろう?
お金が大好きなのはわかるけど『誰』が好きとかは聞いたことない。
「ねぇ、レイモンドって誰か好きな人いる?」
馬を走らせて海辺に向かう。
「ん?僕?
エミリーが好きだよ?」
並走させてレイモンドに声をかけると、ニッコリと返される。
「ありがとう、でもなんか違う.....」
「ふふふ、違うかな」
ほんの一瞬、たぶん普段は気がつかないような些細なことだったけど、ほんの少し寂しそうに笑うレイモンドに、あぁ自分の方が違うと思う。
「うん、ごめん。
たぶん違わない、私もレイモンドが好き。
ずっと大切な仲間だよ」
レイモンドを見つめて、笑いかける。
きっとそれぞれなんだ。
その想いが重いか軽いかにこだわるのではなく、その人が『好き』って言ってくれた、それでいいんだ。
嬉しそうにするレイモンドを見て、お金にがめつくなければいい男なのに.....と残念に思った。
あ、あとデバガメ根性がなければ.....。
あぁ、あとあと『楽しければいい』っていう自分勝手さ。
それと.....あれも.....、って思ってるうちに「全否定気味!!」って心で叫んだ。
毎日11時には眠くなるお子様体質.....。




