ウキウキしすぎただけ!3
だいぶ霧も晴れてきた頃。
「エミリーお嬢様ぁ~~!」
「エミリーーー!」
遠くで声が聞こえる。
「あれ、お前呼んでるんじゃないか?」
クルトが安心したように笑う。
「そうだね!」と私もホッとする。
「お~~~~い!
ここだよ~~~~、こっこにいるよ~~~~!!」
大声で叫ぶと馬の嘶きと足音が聞こえる。
「エミリー?!」と声をかけてくれたのはレオンだった。
「レオン!
よかったぁ~~~こっちこっち!」
見上げたところに立つレオンに大きく手を振る。
「エミリー、お前落ちたのか?!」
擦り傷ができてたり服が土にまみれてた姿を見て、レオンが驚いた声を上げた。
「そう、でも大丈夫。
迷子になってたとこをクルトに助けてもらった。
レオン、彼クルトって言うんだよ」
「どうも、クルトっていいます」とぺこりと頭を下げる。
クルトから「でも今自己紹介っておかしいだろ!」というツッコミが入った。
クルトのツッコミも鋭い。
「そ、そうだな、わたしはレオンだ。
エミリーが迷惑をかけたな」
レオンが手早くロープを垂らしてくれる。
背後で色々指示をしているようだ。
「あのね、クルトって薬師なんだよ!
今度食べ過ぎて腹壊したら薬作ってもらおうって思ってるんだ」
「そーかそーか、それはよかった。
それよりロベルトも呼びに行ったことだし、ほらロープ掴んで上がってこい」
若干どころではない投げやりなレオンにムッとしつつも「りょーかい」と言ってヒョイヒョイと登る。
下で「何が令嬢だ!?どこが令嬢だ!!」とクルトがキレた。
「それに関しては大いに同意する」とレオンが頷く。
登れないってメソメソ泣くよりはマシでしょう?!
「エミリー!!」という声が聞こえて振り返るとロベルトが馬を降りて駆け寄ってくるのが見えた。
勢いよく抱きしめられて「うぇっ」と息が詰まる。
「バカエミリー!
どれだけ人を心配させれば満足するんだ!!」
「......ごめん、ちょっと散歩に出ただけなつもりだったんだ」
そのうちジーンとレイモンドも来る。
二人共心配かけたみたいだ。
とてもホッとした顔をしてる。
「何時間するのが散歩?
おまけに何、体中擦り傷あるし、エミリーの散歩ってどんだけ激しいの?」
ロベルトのツッコミがツライ......。
「いや、危ないことはほとんどしてないよ。
クルトに止められたし......」
「クルト?」
「ロベルト、彼がクルト。
エミリーの命の恩人ってやつだな」
レオンが隣に立つクルトを示してロベルトに声をかける。
「あ、クルトです。
あの......彼女が木に登ろうとしてたので止めて、ここまで道案内しただけです。
その傷は、止めたんだけど川沿いにある小さい崖から落ちたときのです......」
「......エミリー」
ちらりと睨まれる。
あ、ロベルトの眉間にしわよった。
これは言い訳しなくてはマズイ。
「いや、だってホラ、木は高いところに行けば屋敷見えるかなぁって......それにそのね、落ちた崖もそこまで高くなかったし、クルト薬師さんだったから問題なかったし!」
「どう考えても問題ありな気がするのは気のせいかな?」
ロベルトの言葉に全員がうんうんと頷く。
オーマイガー!
「とりあえずエミリーはもう一人で別荘は出ちゃダメ」
「えぇぇ?!」と仰け反るが「当然だろ!」ってツッコミがレオンから入る。
クルトの冷えた目線がイタイ。
私の方が年上なのに!!
うちの子バカな子なんです!
(´;ω;`)




