↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/55

まだ子どもですし4

侍女に「ロベルト様がお帰りです」と声をかけられた。


慌てて玄関に向かうと、すでにロベルトは外に出ようとしているとこだった。

「ロベルト、もう帰るの?」

「あぁ本来今日は送るだけだったからね。

 じゃぁ、また」

「気をつけて帰れよぉ~~」

手を振りながら見送る。


父上とは何を話したんだろう?


「エミリー...こっちにきなさい」

背後から父上の声がする。

「はぁい」と応えて、ションボリと応接室に向かう。


「本来出生届に嘘を書いたりしたことは罪に問われることだったんだが、エミリオもエミリーもかけがえのないいい仲間だってことで、レオン殿もロベルト殿もエミリオは実在していたことにして、内密にしてくれることとなった」

「え!?

 そんなに大変なことだったの?」

「お前に話せば挙動不審になったりして、ややこしくなると思ったから『会うな』と言っただけで伏せておいたんだ。

 あの時は最善の策と思っていたが、やはり嘘は最後に自分を締め上げるなぁ...」

はぁ~~~...と盛大に父上がため息をつく。


領地没収、爵位返上、国外追放!

グルグルと頭の中で不吉な言葉が浮かぶ。

うきゃ~~~!!

さりげなくあぶない橋だったんだ~!


「私もお咎めなしということだから、お二人に感謝するんだな。

 ともかくこれ以上の問題は起こすな。

 夕飯まで宿題でもしてなさい」

弱みを握られてしまった...と、一気に老け込んじゃった父上が手でシッシッとやっている。


「失礼しました」と言い部屋を出ようとすると「あぁロベルト殿がメイヤの結婚式で、お前のエスコートをしてくれることとなったから忘れるな」と言ってきた。




緩く髪をまとめ上げ、薄ピンク色のすずらんの花びらのようなドレスをまとって馬車に乗り込む。

とうとう姉上の結婚式がきてしまった。

ロベルトとは現地集合だ。

「エミリー、そのドレスに似合うマナーを守って、愛らしく振舞うのですよ」

「...はい、お母様」

この1週間、シルビア顔負けのマナー講座地獄だった。

今思い返してもブルってしまう。


ちくしょう、全くリックと遊べなかったではないか!!

この淑女地獄の成果でロベルトをギャフンと言わせてやる。



馬車はゆっくりと聖堂の前で止まった。

侍従がドアを開けてくれ、降りると参加者の人がそこかしこで歓談している。

「母は一旦控え室に向かっています。

 エミリーはロベルト様とご一緒なさい。

 絶対余計なことはしてはなりませんよ!」

信用ないなぁ!と眉をひそめながら「...はい、お母様」と返事をする。


ため息を母上が吐くと、ロベルトが奥からやってくる。

「すみません、気づかず遅れてしました。

 本日はおめでとうございます」

「あぁ、ロベルト様。

 わざわざありがとうございます。

 まだまだ淑女としてなってはいませんが、エミリーをよろしくお願いします」

それでは...と母上が去っていく。


ロベルトの視線がこちらに向いたので「ロベルト様、本日はよろしくお願いいたします」と、スカートを軽くつまみ、こうべを下げる。

「相当苦労してきたみたいだな」

ウクク...っと噛み殺すようなロベルトの笑い声が聞こえてくる。

「...なんのお話でしょうか?」

ジロリと横目で睨み、ツンッとそっぽをむく。

「...いやいや、こちらの話だ。

 見まごうばかりの美しいあなたのおそばに、今日1日いさせていただいても?」

「...そんなに言うならよろしくてよ」

差し出されたロベルトの手を取ると、「エミリーはいつ見ててもおもしろいな」と言いながらアハハ!とロベルトが笑った。


しばらくはこの関係でいいんじゃない?とも、この雰囲気でいたいとも思った。

マリアーナもレオンも子どもだと笑えばいいよ~だ。


って、おい!

頭を撫でるな!

髪が崩れるだろ!!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。