なんかちょっと変なんだ3
「ねぇ、勝てること祈ってくれる?」
私は突然ロベルトに声をかけられる。
今日は模擬戦。
剣は刃も潰してあるし、そこまでな怪我はしないだろうから、簡単なけが人用の冷やすものや包帯を用意してる。
それでもなかなか忙しい。
「当たり前だって!
ロベルトもレイモンドもジーンもレオンも、みんなのこと、すごい応援してるんだからね!」
一生懸命いうと、ちょっと寂しそうにロベルトが微笑む。
「...欲張っちゃダメなんだろうけど...『特別』が欲しかったな」
「ロベルト?」
「また、後でな...」
そういうと、ロベルトは片手を上げて去っていく。
え?なに?
何か傷つけること言った?
「おい、キミ!9学年生!
ぼんやりしてないで、さっさと運ぶんだ」
突然先生に声をかけられて、我に返る。
「は...はい!」
ロベルトを心配しつつ慌てて荷物を片付ける。
朝から養護班は大忙しだ。
模擬戦が始まったら、もっと忙しいことになるだろう。
開始の合図が鳴りしばらくすると、幾人かのけが人が運ばれてくる。
「いてて、ジーンのやつ、容赦ねぇなぁ!」
「全くだよ!
なんで、大将があそこまで前に出てんだよ、奥に引っ込んでろッつーの...イタッ!」
ちょっと、人の友達の悪口言ってんじゃないわっ!
二人の男性生徒の話しに、むぅっと頭にきて、腕の傷を思いっきり握ってやる。
「あら~~、明日にはこの傷、青アザになっちゃいますね~」
にこやかに話しかけながらさりげなくギュウギュウ押してやる。
「いてぇ!
もういいよ!」
「いえいえ、御遠慮なく!!」
そんなやり取りをしてると突然救護の先生の大きな声が聞こえてくる。
「おい!!
大丈夫か?!」
振り返るとロベルトが頭から血を流して運び込まれてきた。
「ロベルトッッ!!!」
「何があったんだ!」
先生が怒鳴る。
「いきなり飛んできた破片がロベルトに直撃して...」
全身の血がすぅっと引く。
血がいっぱい出てる...!
心臓がドクドクいって、吐き気がする。
ロベルト死んじゃうの...?
どうしようどうしよう。
とりあえずガーゼと止血薬を先生に持っていく。
そのままロベルトの手をぎゅぅっと握ると、ピクリと手が震える。
「...ぅ...イタイ」
どうやら気がついたようだ。
「ロベルト?!
大丈夫?」
「エミリー、握力半端ない...あれ、なんでココ?」
えぇ、そうでしょうとも、毎日鍛えてますからねっっ!!
「模擬戦中にはじかれた物か何かが頭に当たって、血が出て脳しんとうか何かで運び込まれたんだよ」
「あぁそうか、色々と考え中だったから気づかなった。
俺もまだ甘いな...」
自嘲気味に笑いロベルトは、ガーゼを押さえながら起き上がった。
「まだ動いちゃいけない!
めまいとか、きちんと調べないと!」
先生が止める。
「いや、いいっすよ。
もう大丈夫です。
まだ終了の合図鳴ってませんし俺戻ります...」
先生の静止を断って立ち上がろうとするロベルトに思わず抱きつく。
「お、お前が...お前が死ぬかと思ったんだぞ!
少しは...先生のご厚意を...体を...大事に、動く...なっ」
途中で泣き出してしまい、最後はうまくしゃべれなかった。
うぐうぐ泣いてると、座り直したロベルトが片手でそっと抱きしめてくる。
「うん、じゃぁもうしばらくこのままで...」
ロベルトの体温だ。
私は心の底からホッとした。
...どのくらい経った?
しばらくして涙もおさまり我に返ると、救護室の中には微妙な空気が流れている。
みんな見ている気配がする......。
「ロベルト...羞恥心でどうにかなりそうだから放して...」
「そうか、気にするな」
来る生徒来る生徒、みんなギョッとして見ていく。
顔が上げられない...ある意味羞恥地獄!!
先生も生ぬるい目で見ないで!
顔から火が出てお湯を沸かせそうだよ!!
修正祭り!
わっしょいわっしょい!
ご連絡ありがとうです!!




