お待ちしておりましたよ。お嬢様、もう逃がしません
一部からニーズがある鬼畜王子第2段。リアル王子もこの設定は知っております(笑)
前回から約3週間後の土曜の午後。ドアを開けるとそこには満面の笑みを湛えた
フロックコートを優雅に着こなしている彼がいました。……逃げてもいいですか?
「お帰りなさいませ。お嬢様」
玄関のドアを開けて、俺は礼儀正しく彼女を迎え入れようとした。
そんな彼女は、ドアノブを持ったままフリーズしている。
そんな所に立ったままだと体が冷えちゃうよ。
風邪を引いて痩せられちゃうと僕がおいしく食べれなくなるじゃん。
今日は、入試の為に学校が休み。しかも4連休ときたものだ。
前回と同じように母さんを母さんの友達に頼んでスキー場に拉致して貰った。
これで4日間はやりたい放題……違った自分の時間が確保できるって訳で。
そんな今日は連休2日目の金曜日。昨日は家の大掃除と洗濯と予習に終わってしまった。
休みでも勉強するの?って思うでしょう?そりゃ、もちろん、愛する彼女の為の恋の予習は必須だよね。
俺はまだ彼女をおいしく頂いていない。もっと美味しくなってからでもいいかなとも思う。
でも、チャンスがあればちょっと位味見をしてもいいよね?
俺だって健全な男子高校生。彼女の体に興味津津なお年頃。
こないだのお家デートで言っていた、なんちゃって執事喫茶をしようと企み朝から仕込みで精いっぱい。
彼女が来る30分前にようやくセッティング終了。
サンドウィッチも、スコーンもクロテッドクリームもジャムもスタンバッている。
ケーキは今回も初恋ショコラがいい仕事をしてくれると確信している。
俺が用意したのは黒いフロックコート。コスプレ専門店のモノではなくて、セルフオーダーしたもの。
ちゃんとしたテーラーに採寸をお願いして作ったんだ。
資金源?お年玉と年末のアルバイトで準備しましたよ。
ちゃっかり、彼女のメイド服も作った事はここだけの話。これはサプライズだ。
学園祭の時もフロックコートは着たけれども、アレは学校で保管されている。
何処かのクラスがそういった企画をする時に、生徒会が貸し出してくれるのだ。
足りない分を暮らす予算で調達して、再利用できる衣装は生徒会が費用を補てんしてくれるというシステム。
だけども、借りた服は若干袖が足りなかったので、服を作ったテーラーさんを紹介して貰ったのだ。
最初に俺が訪れた時は、イベントのコスプレと思われたようだ。
ちゃんと話をして、お願いしたので、生地もしっかりしているし、ちゃんとフィットしている。
一点ものだから、体の体系維持に努めないといけないなって位か。
程良い筋肉で充分なので、太りすぎなければ問題はない。
小道具にも力を入れてみた。ちゃんとした懐中時計と自分の顔の形にフィットしてシャープな印象を受ける眼鏡。
視力はもちろん悪くない。けれども、クールな執事をイメージしているので眼鏡は必須だろうと。
彼女…ゆうがこの姿を見たら、どんな反応をするんだろう?
それだけを楽しみに彼女が来るのを待つ。やがてチャイムが鳴って……現在に至るということだ。
まさかフリーズするとは思わなかったな。
学園祭の時の当番の時間が合わなくて俺のフロックコート姿が写メだけだったと嘆いた彼女のために作ったんだからもっと喜んで欲しかったなぁ。
「ゆう?嫌か?」
「ちっ、違うよ。あんまりにもカッコ良くて見惚れちゃった。ごめんなさい。かっこいいけど、今日は執事喫茶ごっこ?」
「うーん、ごっこというよりは、執事喫茶?お茶の準備ができてます。お嬢様、体を冷やしてはいけませんよ?」
俺は、ゆうを玄関の中に入れて、ドアを閉める。
二人きりである事を意識させないためにあえて鍵は閉めない。
こないだのお家デートで学習したからね。
「食べたければ、夕ご飯も用意できるよ。ビーフシチューとグラタンで良ければ……だけど」
「いいの?あきら君のグラタン美味しいから凄く嬉しい」
「分かったよ。ちょっと早めに夕食にしようね。今日は自分から家に電話して貰ってもいい?僕はお茶の支度をするから」
「分かった。いいよ」
俺は彼女から離れて、キッチンでお湯を沸かす。弱火でかけていたのを中火にすればすぐに沸くだろう。
こないだはカフェオレを淹れたけれども、今日は紅茶を用意している。
俺がアッサムが好きだから最初はアッサムを入れる。母さんがカフェインを含むものは何でも飲むので母さんに仕込まれている。
紅茶・日本茶・中国茶・コーヒー大抵のお茶類は美味しく淹れられると思う。
学園祭でも、フロックコートを着てひたすらお茶の準備をしていたのだから。
そんなに難しくもないから、覚えれば女子力上がるのに……クラスの女子は誰ひとり覚えることはしなかった。
将来を見越したスキルと磨くのも女子力向上だと思うんだけども。見た目が良くっても中身が空っぽじゃダメだと思うよ。
彼女?彼女は僕が教えている。とりあえず彼女の好きなカフェオレは自分でも上手に作れるようになった。
今度は日本茶をおいしく淹れようねって言ってある。日本人だからまずは日本茶だよね。
胸元の懐中時計を見ながら抽出できるのを待つ。時間になって、味見を一口。うん、ストレートで飲むには最適。
2杯目は彼女が好みの甘めのフレーバーティーにしよう。シンクの上に、缶を出して用意だけする。
トレイにティーカップとティーポットとシュガー入れとミルクポットを入れて彼女の側に寄って膝まづく。
「お茶の用意ができました。大変お待たせいたしました。ゆうお嬢様」
俺はティーカップに紅茶を注ぐ。湯気と共に紅茶の香りが周囲に広がる。
「あっ、あきら。やっぱり……恥ずかしいよ」
彼女は顔を赤らめて俯いてしまう。あぁ、この顔があまりにも可愛くて閉じ込めたくなる。
「見ているのは、俺だけだよ。気にしないで。さあどうぞお召し上がりください」
彼女の後ろに下がって見守る。側にいて気になるのなら、それしか方法がない。
俺の気配が消えた事を気がついた彼女は俺を見る為に振りかえる。
「あきら……それも嫌。見つめられるのは恥ずかしいけど側にいて欲しい」
そうだね。ゆうは寂しがり屋で怖がりだものね。そう言う事は最初から計算済みさ。
俺は彼女ににっこりとほほ笑んで、彼女の側に控える。
「こちらでよろしいですか?お嬢様」
「だから……こないだ執事喫茶ごっこしようか?って言ってたのは分かるけど、私は執事さんより彼氏がいい」
おや?怒っている様な戸惑っている表情で俺に訴えてきた。
こんなストレートな本音は滅多にないので、これ以上執事でいるのはゆうには残酷だろう。でも、まだ止めてやらない。
「そうだね。でも乙女の願望の一つなんじゃないの?こういうの?」
「そうだけど……あきらがこんなにキラキラしていると本当に困っちゃうの」
「キラキラ……ね。そりゃ、当然じゃん。ゆうの為なら俺はなんだってやるよ。男の娘でもやるけどね。ウフフ」
彼女が喜ぶ顔を見る為なら、どんなことだってやりますよ。
そんな事を言ったら、ゆうを甘やかすことになりかねないから絶対に言わないけど。
ゆうは、俺の行動や言葉で翻弄されていればいい。これからもずっとね。それを見るのが俺の最大の楽しみだから。
鬼畜上等。戸惑った表情が俺にスイッチを入れてしまうだから仕方ないだろう?だったらそんな表情をするゆうが悪い。
「あきら……お願いだから、隣にいて」
俺はソファーではなくラグに膝をついている。それが嫌なんだね。
「どうして?」
「あきらは私の彼氏だから……お願いだから」
彼女をよく見ると目に涙を溜め始めている。やり過ぎたようだ。でも、その潤んだ瞳もいいねぇ。
どうしても男の野望に火に油を注ぐようなものだ。そんな顔簡単にしちゃいけないよ。
まあ、彼女は寂しいだけだろうけど。今日はこの辺にしておいてあげるよ。
「分かったよ。ごめん不安にさせちゃったね」
俺はソファーに座り、彼女を抱きよせる。
「違うの。あきらが……どこかに行ってしまうような気がしたの」
「そんなことないだろう?ゆうが凄く可愛くて、手放せないの……知っているだろう?」
俺は耳元で囁く。彼女が耳が弱い事が分かっているから意図的だ。
彼女は俺に胸に顔を預けて頷く。彼女はメイクをしていない。
俺と知り合った時はしていたけど、綺麗な皮膚だからきちんとケアするだけで充分だと俺が洗脳した結果だ。
基本のお手入れと日焼け止めクリーム。色つきリップ。それでも十分可愛い。
「あきらがカッコよすぎて、どうしていいのか分からない。食べていいよって言われても意識して食べれないよ」
ふうん。まだ可愛い事を言っている、この子をおいしく頂いてしまってもいいだろうか?
でも……まだ俺結婚できる年じゃないからなぁ。まだその時じゃない。
その時が来るまで、ゆっくりと熟成して貰う事にするよ。
「いいよ。食べさせてあげる。お茶は渋くなっちゃうからそろそろ飲もうね」
俺はそう言うと、自分用に淹れたティーカップを手に取ってお茶を飲む。
おずおずと彼女も紅茶を口につけたようだ。
「おいしい!!あきら、どうしてこんなにおいしいの?」
「それはね……このお茶にはたっぷりの愛が入っているからだよ。僕の愛、もっと欲しいの?」
「うーん、少しずつ小出しにして?じゃないと私が倒れちゃうから」
「大丈夫。ゆうは軽いからお姫様抱っこ位簡単にできますよ。それなら今からしてみようか?」
「えっと、執事さんの姿でされちゃうと私の目のやり場に困るから……止めて」
「い・や・だ。そう言われたら、やりたくなる。今日はやらないであげる。また今度執事ごっこしようね?」
「程程のお願いします」
ゆうは俺に抱きついてきた。あぁ、本当に可愛い。何が可愛いってこの仕草一つ一つが可愛い。
それも意図的じゃなくて天然仕様だ。どうやったら、この気持ちはちゃんと伝わるだろうか?
「ゆう?ケーキがあった方がいい?」
「ケーキがあるの?」
「うん。出してきてあげるね」
俺は冷蔵庫に向かう。ケーキはあるよ。ゆうが大好きな初恋ショコラがね。
このケーキのお陰で、彼女がキスするときに恥ずかしがらなくなったのは大収穫ものだ。
相変わらずビビッドのCMに釘付けなのは地味にムカつきはするんだけども。
彼女が好きなのは男らしい発言の多い樹。今の最大のライバルはこいつだ。
まあ、俺が本気を出したらどうなるのかな?それが楽しみだな。
「はい、どうぞ?今日は俺が食べさせてあげるね。ゆうお嬢様」
俺はこれ以上にない位にっこりと笑いかける。俺の笑顔が一番好きって言ってくれただろう?
君が喜ぶのなら、いつでも笑っていてあげる。だから……俺の側から離れるな。
俺はいつものように金のリボンを外して食べる準備を始める。
デザートスプーンでひと匙掬って、彼女の大好きな笑顔を貼り付ける。
「ゆう、口あけて?」
彼女は大人しく口を開く。俺はゆっくりとスプーンを口に入れた。
半分位食べてから、俺はおもむろに彼女に問いかける?
「ゆう?いつもの俺が好き?それとも執事な俺がすき?」
ポンと音を立てたかのように真っ赤に頬を染めて、口をパクパクさせる。
「どっちの俺もお好みね。本当にゆうは欲張りさん。そんなゆうも好きだよ」
そう言って、俺はゆうに口づける。口が開いているので、舌を割り込ませる。
「んんっ!」
ゆうは驚いて体を強張らせながら俺の胸を叩いているけど、そんな事認めない。
きつく抱きしめて、彼女の口腔を味わい。苦味の強いチョコにほんのりと甘いクリームが混ざった味は病みつきになる。
ただでさえ甘い彼女の唇が更に甘く感じて、強く求めてしまう。
ここまで来るとパブロフの犬だなと自分の行動には苦笑いしかない。
ひょっとすると彼女の体はお砂糖でコーティングされているのかもしれない。
それが事実なのかどうか衣類を脱がして確かめてみたくなる。でも、今は我慢。
前も行っただろうけど、俺好きなものは一番最後に楽しんで食べる派なんだから。
誰にも邪魔なんてさせない、それが親だとしても絶対に。
ひとしきり彼女を堪能した俺はゆっくりと唇を放す。
彼女の口元から飲みこみ切れなかったしずくが零れおちる。俺はそれを受け止めた。
「ちょっ、あきら……」
「何?キスだけで腰砕けちゃったの?それ以上になったら大変だね。やっぱりゆっくり進もうね」
「もう……そういうこと言わないもん。でも辛くないの?したくならない?」
ゆうはどこまでも天然。したいかって言われたら今すぐソファーに縫い付けますが?
お年頃の健全な少年をそうやって煽るの止めてくれないかい?
「じゃあ、今すぐできる訳?違うだろ?少なくても俺はしたい気持ちはあるけどしない」
「ど、どうして?」
「もっと、ゆうとの距離を近づけて、心も重なった時でいい。今は近付いているだけ……違うかい?」
やりたいよ。そりゃ目の前においしそうなお嬢さんがいるんだから。
でも、最初って痛いって言うじゃん?それに体が大人になってからの方がいいんじゃない?
「ううっ、でも……」
このお嬢さんは、また何か吹き込まれたんだな。いい加減そうやって吹き込むのを止めて貰いたいものだ。
「俺はゆうと一生一緒にいたいわけ。分かる?」
「分かる」
「ゆうの始めては全部俺のモノなの……忘れてない?」
俺が分かりやすく放すとゆうの目が見開いた。気がついたかい?俺はゆうと結婚してもいいと思ってるんだ。
「だったら、そう言った事を興味本位で済ますのではなくて、ちゃんとした約束の証にしたい」
「約束?」
「うん。ゆうを嫁にするという約束の証。本気だよ。俺、婚姻届出せないけどゆうが妊娠しても出産出来るだけの貯金はもうあるから」
「はあ?なんでそこに話が飛ぶの?」
飛躍しすぎたか?でもそこは重要だと思うぜ。
「だって……、セックスってただじゃないだろ?俺の部屋のベッドだって、終わった後に浴びるシャワーだって、避妊具だってただじゃないだろ?お金かかってるの忘れてない?」
ただで済ます方法……野外で避妊具なし……俺的に100%ありえない。ってか、無理。
「もしも、最初のセックスで妊娠したと仮定して、それが今だと……ゆう、高校辞める?主婦になる?」
「それは……そこまでの勇気ないや」
「だろ?そこまでの覚悟ができないと女の子は辛いんじゃない?最初も痛いし、出産も痛いだろ?」
ゆうは沈黙を守っている。何を想像しているんだろうか?
「もし産めないなら堕胎しかないけど……どっちにしてもお金が必要だよ。そのお金自分で用意できないでどうするの?って俺は思う訳」
正しくは、母さん流の性教育のお陰だ。母はいつも言う。したいのは仕方ない。でもそれは経済活動に直結している事を忘れるなと言う。
公共料金はともかく、ラブホに行くのならそのお金は親からもらうのは嫌だな。そこまで親に依存したくない。
「分かった……気がする。あきらが私をどんなに大事にしてくれてるか」
「そりゃ当然です。虫歯がなったらキスできないから2カ月に一度は歯石取りも含めて歯医者行ってるしね」
「えっ?そこ重要?」
「俺にとってはね。だから、今はいいの。ゆうを抱きしめて、深いキスをして、ゆうの香りを堪能できるだけでも」
あぁ……完璧に口説いてるなぁ。彼女を口説いて何がいいんだろう?
「分かった。もうそういう事言わないから」
「そうだな……今度言われたら、私の将来は売約済みなのよって言ったら?」
「それは……それでいや。聞こえないふりをする」
「それがいいな。それじゃあ、もう一度質問。ケーキが好き?それとも蕩けるようなキス……どっちが好き?」
俺は再び彼女に問いかける。止められないこの愛をお前が望むキスに込めてあげるよ。
「だったら、お手柔らかにお願いします」
そう言って、彼女は顔を近づけて俺にキスをした。俺はその行動についていけなくてポカンとしてしまう。
「へへっ、初めてあきらにキスしちゃった」
「本当だ。それではお返しに、一緒に蕩けてみませんか?」
「だから……程々に……」
「分かってますよ。その位。愛してる」
始めて、愛の言葉を囁いてから再び深い口づけを仕掛ける俺がいた。
もう、手放せないし、そんなつもりはないからね。俺の愛を受け止めてね?
ゆう、愛してるよ。
今回のあきらの衣装代約20万円!!(オーダー店のサンプル値段がそれだったので)将来の結婚式でも使えばいい位にしか思っていないので安いものと思ったみたいですよ。ちなみにズボンは将来まだ背が伸びてもいいように配慮されてます。
後……高校1年にも係わらず、出産させることが出来る位の預金があると。
リアル本人の全財産は…10アメリカドルと5千円。4年生の社会科見学の時のお釣りの2ドルと円が高い時に外貨両替をしたらしい(この子はちゃんと為替損益を理解しております)5千円はこれからも増量するんじゃない?コレクターの私の子なので、ため込むスイッチが入れば余裕でしょう?
今は某CDのコレクターで熱い私は一向に貯蓄できません。全てがお布施に投入されます。でも後悔して無い。いいの、私は2次元で生きていく(笑)




