初めての滑り台と長毛種の宿命
登場人物
ロッピー:オス猫(種:マンチカン)、長毛種で非常に足が短い。お腹の毛が床をこするのでご主人にトリミングしてもらうのが好き。運動能力は猫とは思えないほど低い。
ご主人:ロッピーの飼い主。ロッピーのために部屋の模様替えをするのが趣味のサラリーマン。
今日も短い足をピーンと伸ばし、大きな口を開けて欠伸をするロッピー。
お昼寝から目を覚ましたようです。
のっそのっそと寝床から這い出して、ロッピー専用の小さな扉へ向かいます。
まだ寝起きのせいか、短い足が絡まって転んでしまいましたが、そんなこと気にも留めずに扉を潜り抜け周囲を見渡しました。
「今日の探検もがんばるにゃ」
運動不足なロッピーの探検のご褒美は、大好きなカリカリごはんです。
一番近い壁の一番低い段のキャットウォークを一段ずつ登り、少しずつ上に上ります。
上に行く道が無くなれば下へ、下へ行く道が無くなればソファの背もたれへ飛び移り、少しずつ探検の幅を広げます。
見慣れない赤色の台へ勢いよく飛び乗るとあらびっくり!
足が滑ってうまく止まれません。
忙しなく足をばたつかせて何とか止まったけれど、なぜこんなにも滑るのか。
それは長毛のロッピーならではの理由がありました。
足の毛が肉球を覆い隠していたのです。
ではなぜ普段は滑らないのに、この赤い台の上では滑ってしまったのか。
ロッピーは不思議でなりません。
赤い台の上でしばらく考えてみたけれど理由は分からず、それでもキョロキョロしているとカリカリごはんを見つけました。
カリカリごはんがあるのは赤い台から伸びた坂の下で、飛び移るには少し距離があります。
ロッピーは勇み足で踏み出しますが、ここもまたよく滑る!
突然滑り出して驚いたけれど、風を切って滑るのがロッピーは気に入ったようです。
「カリカリ食べたらまた滑るにゃ!」
たくさんカリカリを食べて満足したロッピーは、滑ってきた坂を上ろうとしましたが滑ってしまって登れません。
頑張って走ってみても一向に登れず、ふてくされてその場で眠ることにしました。
ソファからそんなロッピーを見ていたご主人は、不貞腐れて横になったロッピーを優しく抱きかかえ、台の上へ運んであげます。
「ほらロッピー、また滑り台で遊べるよ」
ロッピーは「にゃーう」とひと鳴きし、大喜びで滑り降ります。そしてまた抱きかかえてもらい坂の上へ移動し、また滑り降ります。
「滑り台、気に入ってくれてよかった。遊び疲れたよね、また明日も遊ぼうね。」
今日は大好きなご主人と楽しい遊びを経験出来て、大満足なロッピーでした。
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