調達係の調達
「本当に助けてくれるの!」
「黙って見過ごせないでしょ。」
「さっさと軍を壊滅させればいいのよ。」
「かと言っても、どこに敵がいるのかが分からないとな。」
「そんなの必要?叩けば勝手に出てくるでしょ?」
「確かにそうだな。」
「問題は武器ね。」
「フレンは拳銃もあるし、拳法もあるし。」
「私はそれで十分だな。」
「この辺に包丁とかはないの?」
涙を流して喜んでいるフレンに聞いてみる。
「多分武器になりそうな物は全部持ってかれたよ。」
「そりゃそうか、相手は帝国だったわ。」
「手頃な相手から奪うのが現実的か。」
「武器の調達は私に任せて!」
フレンが勢いよく名乗りあげた。
「どうやって武器を得るつもりだ?」
「さっきのヤツに持ってこさせるわ。」
「……マインドコントロールすればそれが可能になるってことね!」
「そうよ、急いでここに連れてきてくれる?」
「任せて!」
私はすぐに家の外に出て、伸びているヤツを引きずり入れた。
フレンはヤツが倒れてる状態のまま耳元に囁くように言葉を送り込んでいる。
「よし!これでオッケーよ!」
「後は起こすだけね。」
私は頑丈そうな装備の隙間に軽く蹴りを入れた。
「痛ってえ!」
(軽くなんだから、そんな痛がる必要ないでしょ)
「おい、こっちを向けよ。」
ペラがさっきまでとは違い、ずいぶん強気だ。
(本当に大丈夫なの?)
「はっ!」
ヤツはフレンに向き直り敬礼をした。
「お前の所属を言え。」
どうやら情報を聞き出す気らしい。
「俺はA-204の近接部隊に所属しています!」
すらすらと情報を躊躇いもなく話す。
改めて便利な力だと感じた。
「お前の得意な武器はなんだ?」
「はっ!槍を使うのが得意であります!」
「この村に駐留してる軍隊は何人居るんだ?」
「はっ!村の入り口に三十人です!」
「三十人か……有益な情報だ。」
「お前に任務を与えようと思うが、引き受けてくれるな?」
「はっ!勿論です!」
「軍の駐屯所から切れ味のよさそうな剣を持ってきて欲しい。」
「はっ!了解です!」
「もしどこに持っていくのかを聞かれたら適当に帝国に頼まれたとでも言っておけ。」
「はっ!任せてください!」
一通り命令が終わるとがちゃんがちゃんと音を鳴らしながら走っていく。
「本当に大丈夫なのか?」
「途中で本来の記憶を取り戻すことは無いのか?」
未来は不安らしい。
(私は直に食らったことがあるから大丈夫だと分かるけどね)
「私のマインドコントロールは本気出せば後遺症が残るぐらい強力よ。」
「なら大丈夫か……それより敵は三十人らしいな。」
「私にとっては蟻が三十匹いるのと同じことよ。」
私は掌で握りつぶすような動作をした。
口角も上がっている気がする。
「頼もしいな。」
未来は余裕そうな私の顔を見て少し笑った。
「問題はちゃんと剣を持ってこれるか…ね。」
未来は手を顎に当てて何かを考えているようだった。
「……何かを忘れてる気がするんだが、気のせいか?」
「そういわれると……」
「思い込みによるものかもしれないな、戦闘前に雑念を入れるべきでは無かった。」
未来は思い違いだと自分に言い聞かせている。
(私もそう思い込んでおこう)




