一件落着か?
「本当に二人とも大丈夫?」
なるほど、ナイフをシラリアが懐に戻すといつものシラリアに即座に戻るようね。
さっきまでとは打って変わって私は冷静でいる、おそらくシラリアが居るからね。
「え〜ん!怖かったよ〜!」
ペラがシラリアに抱きついて離れる様子がない。
確かにシラリアが来てくれなかったら、私達二人共イデアの世界にいるはずよね。
シラリアは相変わらず無表情に近い顔でペラをなだめている。
「そういえばなんで私達がここに居るって分かったの?」
私が本当に疑問に思ったことを聞く、この広い街でドンピシャでこんなウラロジを探しに来るなんてことまず有り得ない。
「それはペラの泣き声が聞こえたから……ってのは冗談で、この辺り画いちばん盛り上がってるところだったからきっとペラはここにいるだろうなって思って。」
「確かに盛り上がってるところにいるってのは大正解ね、でもどうしてこんな路地裏を探そうって思ったの?」
「儂が教えてあげたんじゃよ。」
後ろから聞き覚えのある声がした、それもさっき……
私は振り返って声の主を見た。
はっ!とした。
さっきの出来事で忘れてしまっていたが、こいつのせいで私たちは襲われる羽目になったのよ。
私は爺さんに詰め寄り怒りをぶつける。
「何てことしてくれたのよ!あんたのせいで大変な目にあったじゃないの!」
今にも掴みかかりそうな勢いで爺さんに怒声を浴びせたが、爺さんはなんにも聞こえていないのか、それともなんにも思っていないのか、無反応のまま淡々と話続ける。
「儂はただ換金所の場所を教えろと言うから教えただけじゃ、まさかこんな裏路地に悪党どもがいるとは思ってもみなかったが。」
「お爺さん、なぜこの2人が私が探してる人だと思ったの?私達とは面識がないはずだけど。」
シラリアも疑問を持ったようで同じく詰め寄るように近づいてくる。
(確かに気になるわね、私もこの爺さんにはさっき偶々いたから声をかけただけで面識もないし、それに声をかけなかったらどうしてたのよ。)
「…それを語るにはここでは難しい、ひとまず私の家に来て欲しい。」
そう言うと爺さんは右手に持っていた、歩行を助長するためでは無い、短めの杖の先をペットボトルの蓋を取るように回すと杖の上部が外れ中から青白く光る物体を取り出した。
「大体勝手に言ってるけど、私たちが爺さんみたいな怪しいヤツの言うことを聞くわけないでしょ!」
「私もそれは同意見ね、お爺さんには申し訳ないけど今の状態じゃ無理よ。」
珍しくシラリアと意見が合った。
爺さんはさっき取りだしたものをどういう原理かは知らないが、壁に取り付けてポスターのように下に伸ばしてまるでドアのような大きさになった。
しかしドアと全く違うところがドアノブがなく、一面青白く光っていてそれが円形状の波のように中心で集まっては四角の形に戻っていくという一定の動きが繰り返されている。
「なら、言い方を変えよう、絶対に来てもらう。」
そう言った瞬間に爺さんはとてつもない速さでペラを抱え青白い部分に投げ入れた。
「な、何してんのよ!」
私とシラリアは同時にさけんで爺さんに怒鳴ったが、ペラの身を考えて躊躇せずに青白い空間に飛び込んだ。




