小動物との出会い
森は進む度に過酷さが増していく。
木々や草花が自分勝手に伸び始め、まるで太古の原生林のようになっている。
足元も土壌が隆起し、根も地面から飛び出してゆく手を遮るように凸凹していて非常に歩きにくい。
私もその根につっかかって転びそうに何度もなるが、ペラはもう2回も転んでいる。
私が「ペラはこの道を歩くのは慣れてるんじゃないの?」と聞いたら「毎回転びながら進んでるよ」と、にこやかな顔で言われた。
フレンはと言うとさっきから話しかけてもあぁとかうんといった言葉しか帰ってこない。きっとメイド服のせいで歩きにくいんでしょ。
暫くはペラと話しながら歩いていたが、ペラも歩きに集中し始めたので私はこの大自然を味わおうと決めた。
私は元々体幹が強く大地震が起きても立っていられる自身はある。
しかしいつもは館の周りしか歩いてないせいで歪な地形に順応してはいないけど帰りには走れる程度までは楽勝に順応できる。
回りを見渡してみるといつもは全く目にすることの無い、野生の動物たちが物珍しそうに見ている。
草や枝で日光が遮られたことによって、まるで夜のように暗くなっているので動物たちの目が光っていてわかりやすい。
ここからではよく見えないのでどんな動物がいるのかは分からないが、恐らく敵意は無いように思える。
二人はそんなことには気づいていない様子で、木の上からこの辺の原住民に糸で操られてるかと思うほど不器用にただ歩いている。
そんなことを考えている間に何かが目の前に出てきた。
二人はそれにも気づかない様子だったが、私は即座に戦闘態勢に入り胸ポケットに隠しているナイフで追い払おうとしたが、よく見てみるととっても可愛げな顔をしてこちらを見つめている、小動物の一環のリスだった。
二人も遅れてリスに気づいて顔をパッと明るくしたかと思うとリスを掌に乗せて二人で頭を撫でたりして可愛がっている。
確かに可愛いとは思うが……やっぱり私も触ってみたい欲が出てくる。
「ペラ、次私にも触らせてよ。」
「シラリアも触りたいんだね」
「そうだけど…悪い?」
「勿論いいに決まってるよ!可愛いのは共有しないとね、じゃあ掌出して〜はい!」
掌を大きな葉のようにしてペラの方へ向けるとモフッとした感触が暖かさと共に乗っかった。
改めて近くでまじまじと見ると耳が動いているのもしっぽが風でふさふさ揺れているのも可愛い!
本ではもちろん見た事があるけど、紙の中に印刷された死体同然のリスよりも、今目の前で私の手のひらの上で僅かな動きを見せる実物の方が感触も相まって可愛いと言った感情が止まらなくなる。
リスは私に一番懐いているようで、頭を撫でてあげると嬉しそうに掌の上でジャンプする。
暫く堪能していたが、リスが掌から降りて遠くの草むらに行ってしまった。
「いい休憩になったし、そろそろ歩くのを再開するよ。」
二人は名残惜しそうにリスの消えた方をじっと見つめていたが諦めて歩き始めた。




