待ち時間
「ペラ!フレンが目を覚ましたわ。」
私はフレンのところから走ってペラの部屋に駆けこんだ。
フレンを部屋に置いたときに私が見ているからペラは部屋に戻ってていいよと言ったのでペラを部屋に戻させた。
理由はフレンが本当に生きているかどうかも不明だったから、もしペラを残してフレンが死んでしまったら悲しむだろうし、私だけならその辺も曖昧にしてごまかせるから。
それともう一つ、フレンが実はわざと何らかの方法であの状態になっていたとすればペラを殺される可能性があったから。
その可能性が一パーセントでもある限りペラをフレンのそばに置いておくことはできない。
「本当!よかった!今すぐにあったかいシチューを持って行ってあげなきゃ。」
ペラを部屋に戻らせたときの様子を夜だとすれば今の様子は朝日が完全に昇りきった朝のように思える。
「そのシチュー冷めちゃってるから温めてもっていかないと意味ないかもよ。」
「そっか、ちょっと温めてくるね。」
ペラは厨房に行って温めなおすつもりらしい、フレンがあそこで待ってる保障もないしペラを一人にさせるにはいかない。
厨房は暗く闇に飲まれている、夜なのだから当然か。
部屋の明かりを付け、ペラが作業しやすいようにしてあげる。
なんでも温める装置にシチューを皿ごとセットして三分間ほど待つ。
ただ待つだけの三分間はやっぱり長く感じる。
温まるまでの間ペラはずっと嬉々とした表情でうれしそうにしている、それに引き換え私は生きていたことに疑いを捨てきれないので恐らく怪訝な顔をしていると思う。
チャラ~ン
この音は三分の時が流れ温まりが完了したことを視覚情報で伝えてくれる。
ペラが火傷をしないようにティーナから買った布でできた厚い手袋を使って取り出すと、出来立てのように湯気が出てドロドロだったシチューがサラサラになった。
「フレンがお腹を空かせて苦しんでいるかもしれないし…早く届けなくちゃ!」
ペラはさらに乗ったシチューを一滴も溢すことなく全力でフレンのいた部屋まで走っていく、ペラは昔から体幹がしっかりしていて手に持った皿も一切動かず地面と垂直になっている、まるで皿は平行移動をしているようで毎回凄いと感心させられる。




