ティーナの商い
<基本的広い部屋>
「ねぇシラリア、フレンのことどうするの?」
「そうね、そろそろ出しても良い頃合いかな。」
この部屋は比較的広く少しヒンヤリとしている程で天井も二階まで続いている。
そんな部屋に私とペラとティーナの三人で話し合っていた。
突然ティーナが遮ってきた。
「そんなことより私の持ってきた商品を見てよ!よりどりなものを持ってきたからさ!」
「じゃあ見せてもらおうか、ティーナの自慢の品を。」
私は挑発するようにニヤッと笑って見せる。
「そんなこと言ってていいのかな、絶対驚くよ。」
どうやら相当自身のある品を持ってきたらしい、この前来たときは酷評しちゃったからな。
「まずはこれ!どんなに遠くても見通せる望遠鏡だよ!」
へぇ、久々にすごいものを持ってきたわね、この前はキュオーム焼の当たり棒だったからな。
「すごい凄い!見せて見せて!」
ペラが子供のように大はしゃぎしている、まぁ気持ちはわからなくもないけどもうちょっと落ち着いて。
「わぁ~すごい凄い!ここから街の様子が見えるよ。」
すっごく顔が喜んでる、そこまでならちょっと気になってきたな。
「ちょっと私にも見せてくれる?」
「うん!いいよ本当にすごいから!」
どれどれ、どんなもんかしら…ん?この紋章は……隣のアストロ帝国の城が見える!?
どうやらこれは本物ね。
「確かにすごいわ、この望遠鏡があれば敵の動きがまるわかりね!」
「ほら、すごかったでしょ!しかもここのダイヤルで距離も調節できるからね、これを今買ってくれるなら金1,5キログラムでいいよ!」
「分かったわ、じゃあ買うけど異論はないのね?」
「どうぞご勝手にしてください。」
私はペラに呼びかける。
「金ってまだあったっけ?」
「大丈夫!この間たっぷり入れておいたから、今持ってくるね。」
金の運搬はペラに任せた。
「ねぇ最近何か面白いことってないの?」
この館には情報が全く届かないのでティーナから毎週新聞を貰っているが情報は絶え間なく増え続けるものだと思っているので最近のことはすべてティーナから聞くようにしている。
「そうねぇ、ギルキュリア王国の海岸で巨大な蛸が現れて船乗りたちが船ごと握りつぶされて、怒った漁師が電気の銛で殺して浜に持ち帰ったとか、あまり今週はなんともなかったね。」
「そうなの、まぁ仕方ないことね。」
「あ、そういえばさっきここに来る前に聞いたんだけど、明日ここから一番近い町でお祭りがあるらしくて館に行くならぜひその方たちも誘ってくださいって言われたんだけど…どうする?」
ちょっと悩んだけど、最近この辺りでしか外に出てないし、たまには森から出ることも重要だわ。
「へぇ、それは楽しそうね、じゃあご厚意に感謝して出るわ。」
まぁペラには戻ってきたら伝えよう。
そんな話をしている間にペラが台車に金を載せてきた。
基本的に金の管理はペラに任せているのでどこにしまってるかはわからないけどペラを信用しているから大丈夫と勝手に思っている。
「はぁはぁ…はい持ってきたよ、これだけあれば足りるでしょ。」
「1、5キロだから…このくらいかな、これでいいの?」
「うん、これだけあれば2年は暮らせるからね十分すぎるほどだよ。」
正直私たちは生まれてからこの森から出たことがほぼない(森の外に行ったのは幼いころペラと会った時だけ)のでこの世のお金事情はよくわかっていない。
ちなみにこの前ティーナに金の価値を聞いたら1グラム1万5000円ぐらいらしい。
「そう、それで暮らせるならいいけど…もっとあげてもいいよ?」
ティーナには感謝してるからもっといい暮らしをしてほしいけどな。
「いやいやこれくらいの方が派手にならないから安全に過ごせるよ。」
そういうものか、なるほど確かに金なんて持ってることが分かると人は自分より優位なものにかみつくからってことかな。
実際今日のティーナの格好は普通の黄色いワンピースに胸元に網目のように紐が折りなっているシンプルな服ではある……気がする。
私やペラは常に如何にも上流階級だと一目でわかるような服を着てることが多いから。
しかもペラはいつも目に悪そうなものばっかり選ぶからなぁ…お祭りのときは地味なのにさせよう。
そんなことをぼんやり考えているとティーナは金を赤い袋に入れ紐で硬く縛っているところだった。
「じゃあ商売も終わったし帰るね。」
ニコッと上機嫌なことを知らせるようにすたすたと入り口に向かって歩き出す。
そんなティーナに私も最大限の笑顔で見送る、もちろんペラも同様に。
「ええ、今度も期待してるわよ。」




