無限の関門5
また私は目を覚ます。
「!? 私は死んだはずよ!?ってことはここは天国?それとも地獄?」
しかし目の眼前に広がる景色はそのどちらとも考えずらいものね、なぜなら優雅に流氷の流れる極寒の地だったから。
しかし流石にどういう原理かは解らないがもこもこの羊毛でできたフード付きの服に着替えさせられていた。
そもそもあの時確かに私は死んだ、今でも棘がこの体をズタズタにされる感覚が残らない方が変だ。
でも確かにこの体も私のものだしあの時の影響は今のところなさそうだしまあいっか。
目の前にはペンギンの軍団が親と子入り混じれて行進しているのが愛くるしくてかわいい。
足元が氷なので足場が不安定なのはなんだか不思議な感覚でちょっと酔っちゃいそう。
少し歩くといろんな生き物を見た、ホッキョクグマ、アゴヒゲアザラシ、いっかく、ベルーガ等々沢山の動物が悠々自適に過ごしている。
のんびり歩いていると突然、ゴゴゴゴゴととんでもない音がしたと思った直後、地面の氷が岸に近い方と割れ果てしなく広がる海に氷ごと投げ出された。
この寒い海を泳いで岸まで戻るのは考えただけで寒くなってくる、かといってこの氷はそんなに大きくない、いつかは完全に溶けてしまう。
その前に何とかこの状況を脱する方法を考えてはみるが海の上ではどうすることもできない。
さらに追い打ちをかけるように西の方角から黒雲がこちらにまっすぐ向かってくるように感じた。
方角を切り替えたいがオールすらないので海流にすべてを任せていたが……最悪、黒雲の中に突っ込むように進んでいる。
周りの氷塊にぶつかって氷が削れないか冷や冷やしていたが氷が渋滞しているエリアに来てからちょっとも動かなくなった。
この氷塊の中で一番大きいところに飛び移ろうかとも考えたが足場が安定してない上に結構遠いからあきらめてじっとしておく。
風はだんだん強くなり海も高くうねり冷水が頭にかかり私は両手で自信を包み冷から少しでも守ろうとする。
容赦なく冷水はどんどん体を冷やし、私は身動きを奪われ、目の前もホワイトアウトの状態で何も見えない。
そんな状況では私が海に落ちるのは当然の話。
「寒い寒い寒い!誰かたs……っけ!」
そんな身動きも取れない私はここの海中動物にとっては楽な獲物の一つでしかない。
既に下半身の感覚はない。
さっき海中に入ったときに見えたのは大きな尾ひれを持ったダンクルオステウスのように巨大な魚だった。
そして水につかったままの下半身の付け根から大量の血が固まることもなく(この状況なら水の上でも同じか)流れ続けまた意識を失った。
バクッ。




