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試験のルールなんて、試験官しだい!

泣きたいんじゃない! 泣かされてるんです!

「アコがやりすぎてすみません」


ケルケルこと、ケルベルト=ケルルロッテ彼女の事をアコに取り合えず聞いてみた。


「アコ、ケルルってどんな子なんだ?やけに礼儀正しく見えたが」

「ケルケルは、爆弾みたいな奴だな?いつも薙刀を振り回して来るからな」


うわー、マジにアコと同じタイプだな……


アコ語るケルケルの思い出話


「ケルケル、木登りしよう、上まで競走ね」

「うん」


木上に登ったアコとケルルロッテにしたから、おやつの時間を知らせる鐘がなる。

「ケルケル、おやつよ!いくわよ」

「待ってよ、アコちゃん」


したに付くと、アコがケルルロッテのおやつまで食べていた。


「あ、私のおやつ……はぅ」

「仕方ないなぁ、ケルケル私の半分あげるわ」

そう言うとアコは自分のおやつの饅頭を半分に割り、食べると残りをケルケル、に渡した。


それを聞いていた西東。

「ちょっと待て!アコ、お前は他の人のおやつを食べて更に半分しかかえさなかったのか!」


「ケルケルのおやつは私の物!私のおやつも私の物だ!」


言っちゃったよ、いろんな意味で言っちゃったよ……


聞けば、落とし穴にケルルロッテを落として次の日まで、忘れてたり、ケルルロッテの飲み物を飲んでしまい代わりに水をいれたりと、アコが悪いとしか言えなかった。


それでも、毎年誕生日カードを贈ってくれるらしい。


「なぁ、ケルルロッテって優しいじゃないか?」

「優しいが?男には、容赦しない性格だ!依然、下界に来たときに男達に絡まれて、ソイツ等を叩き斬った後に駆けつけた御巡りさんも叩き斬ったんだからな」


御巡りさん…… 斬られたんだ。

トラウマになるよな?


アコから聞いた話をまとめる。

ケルルロッテは男が苦手で興奮状態になると手がつけられない。

そして、試験を無事に終らせるまで、お仕置きを禁止されているらしい。


「まあ、明日までの我慢だから今日一日くらい下界で大人しく、ケルケルも我慢するだろう?」


「って!ケルルロッテは天界に帰ってないのかよ!」


西東は慌ててケルルロッテを捜しに行く。

「どうしたのだ?西東、何故いきなり飛び出した」

「いいからアコもケルルロッテを捜すよ、見つけたら激辛チップスかアイスを買ってあげるから」

「西東!本当だな任せろ!」


時刻は夕方の6時過ぎ、街に人帰宅の人が増え始めるなか、ケルルロッテを見つけた。


「離しなさい!痛い目にあわせますわよ」

「聞いたか?痛い目にあわせてくれるらしいぜ?」


男達に囲まれ、ケルルロッテが段々と路地裏に追いやられていく。


「来ないで下さい!下がりなさい!」

ケルルロッテの言葉に男達はニヤついた嫌な笑みを浮かべて更に近づいていく。


西東は直ぐに天界にお仕置きリスト更新を打診すると、アコを待たずに路地裏に走っていく。

そして、路地裏に結界をはり、男達を避けながら、ケルルロッテの元に走り込むと、震えるケルルロッテを抱きしめた。そして、更に結界を貼った。


入り口と出口に結界を貼るのは西東は初めてだったが、絶妙なコントロールでバランスを取ることに成功した。


結界は近すぎれば、互いの結界に弾かれ消滅してしまう。

結界の貼れるギリギリであったにも関わらず、西東はやり遂げた。

結界に挟まれた空間は無限空間に変わる。出口のない空間に男達が、焦り出していた。


そんな中、天界からお仕置きリストの更新が届いた。


「あ、あの…… 西東様、離していただけますか、その……」

そう言われ西東が慌ててケルルロッテを離した。

真っ赤な顔になる二人の元にアコが姿を現した。

「アコ!中の奴等は皆お仕置き対象だ!」

「え!私キャリーバッグ持ってきてないよ」


結界が消えるまで10分弱。


「アコ、貸してあげるわ、使いなさい」

ケルルロッテは、アコに薙刀を手渡した。

「珍しい?ケルケル、貸してくれるの」

「いいから、お仕置きしてきなさい、西東様の結界が切れたらやっかいですわ」


アコが薙刀を手に結界の中に入ると、凄まじい叫び声と鳴き声が次から次に聞こえてくる。

それを確認したケルルロッテが立ち上がろうとするが足を痛めているのか、足がおぼつかない様子だった。


「立てる?」

西東が手をかし、立たせるとアコがお仕置きを終えて戻ってきた。


「…… 西東、私に仕事を押し付けて…… ケルケルとイチャついてたのか……」


アコが何故か怒ってるーー!


急いでケルルロッテを見るとケルルロッテは頬を赤くして、西東の手を握り締めている様にしか見えなかった。


「西東!この発情犬がァァァ!」

「ギャアァァァーーーーーー!」

アコの手に握られた薙刀が西東に炸裂する。

「西東様ーー!」

「お久しぶり?西東さん最近来ないと思ったらまたきちゃったんですね」


久々に見る神父の笑顔はやけに嬉しそうだった。


「あはは、何故かアコに斬られまして、それよりやけに嬉しそうですね?」

「やだなぁ?分かります!実は限定スイーツのお取り寄せが下界から届いて、西東さんも食べますよね?」


神父の入れた、歯が溶けそうな程甘い珈琲と、激アマスイーツで御茶をしながら、神父が西東に真面目な顔で話しかけてきた。


「西東さん、おめでとうございます。今回の試験と貴方が今まで天界にあげてきたお仕置きリストに更新を求めすべてがお仕置き対象だった事を含めまして天人の低からじょうに飛び級です。おめでとうございます」


そう言うと神父が西東に指輪を渡した。

指輪には西東の名前が裏に彫られている。

西東はそれを受けとると指に嵌めた。

「西東さん、今から結界が、一日10回まで作成できます。頑張って下さいね」


そう言われ西東は天界から家に帰る。

家にはお腹を空かせたアコと御茶を飲むケルルロッテの姿があった。


「西東!遅いぞ、ご飯にしよう」

「はぁ、アコのせいだろ?わかったよ、取り合えずコンビニに行ってくるよ」

「西東、私もいっていいか?」

「構わないが?」

「ケルケル!早くこい!下界のコンビニは凄いんだぞ!」


そう言われケルルロッテも一緒にコンビニに行くことになった。


「試験は明日じゃなかったの?」

「成り行きです、結果が変わらないのであれば、今日報告しても問題ありませんわ」

西東の問にそう答えるケルルロッテ。


「二人とも早く!御弁当が無くなると大変だぞ!」

「今行くよアコ、ケルルロッテさん。足は大丈夫?」

「はい、あと、ケルルロッテと呼び捨てで構いません。西東様」

「わかったよ。ケルルロッテよろしくね」


久々に斬られたが無事にランクも上がり、今日は御祝いだな。

因みに、地獄にもお取り寄せがあるらしい!


西東「神父の為だけの設定だよね?」

アコ「私もよくお取り寄せするぞ!チェーンソーの刃とか」

ケルルロッテ「私も、薙刀の手入れ用品は下界から取り寄せですわ」


西東「神父の女子力が一番かよ!」

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