西東の歪み、アコの居ない西東
今回は、かなりダークな内容なので、ご飯前や食べた直後には『オススメしません』
更にいつもより、スプラッタや残酷過ぎる内容が含まれております。
アコが姿を消した家の中、一人で食べる食卓にいつもの笑い声は無く、何時も二人で使うマグカップも寂しく置かれたままに為っていた。
それから数日が過ぎるも西東の気持ちが晴れる事はなかった。
西東は、どうしていいか、分からなかった、感情が溢れて流だして行くような感覚に襲われる度にお仕置きリストに書かれた者達を次々に始末していった。
そんな西東はサバイバルナイフを握り締め、黒いフードつきのパーカ姿でお仕置きをする事が増えてきていた。
西東のお仕置きは、今までのお仕置きのとは、異なっていた。
その日も西東は、リストの中にある女の家の前に立ち、空を眺めていた。
そんな西東の前にターゲットの22歳の女が家から出てくる。
西東は笑いながら挨拶をする。
「初めまして、詐欺師のお姉さん、今から貴女を始末する西東です」
「はぁ? 詐欺師とか、頭大丈夫? 可笑しいんじゃないの、あんまり変な事言ってると警察よぶからね」
女はキャバクラに勤めている。
店で次々に男達を手玉に取り、借金や家庭崩壊を自らするように誘導する。
そして、家庭崩壊、離婚まで言ったと聞くのが好きで好きで仕方無いと言う様な女であった。
「警察ですか? 構いませんよ、その前に終わらせますから」
女に向けてゆっくりと歩みを進める西東の手に突如ナイフが現れて動揺する女。
女が慌てて家の中に入ろうとするが、足が動かない事実に気づかされた。
状況が分からず焦る女が叫び声をあげる。
西東は笑っていた。
「無駄です。貴女と僕の周りに結界を貼りましたから、誰にも気付かれない、見つけて貰えない、普段、華やかな生活してると忘れがちですよね、思い出させてあげますよ」
西東は、そこから女をパーツの様にバラバラにしていった。
叫び声をあげる女を見て不思議そうに見詰める西東の眼には生気がなかった。
「少しは、人の痛みが理解できたかな?」
「でき…… できまじた…… だから、殺さないで……」
必死に西東を見つめて懇願する女を見て西東が頷き微笑んだ。
西東がナイフをホルダーにしまうと女性に背を向けて歩き出した。
「次は殺されないようにね、お姉さん」
西東の言葉に女の背筋に寒気が走る。
片手を残して両足と片手を切られた女が必死に助けを求めて、路上に這って行く。
「やめた方がいいですよ? 結界から出たら僕は責任を取れませんよ」
必死に西東から逃げるように道路を目指す女が結界から手を出した。
女の両足と片手から突然、大量の血液が噴き出した、更に激しい痛みが女の表情を歪める。
「うわあぁぁぁぁぁああぁぁ!」
泣き叫ぶ女を西東は、結界で覆うと冷たい目で見詰める。
「人の話を聞かないからです。結界がなければ痛みと出血が貴女を襲いますよ?」
「畜生ぅぅぅ! 殺してやる! 絶対に赦さない」
女が西東を鋭い目付きで睨み付ける。
西東は、冷めた表情を女に向けると女の家の庭の一角に女を引きずって行く。
多重結界を更に二重にした、八重結界を庭の一角に居る女を対象に中と外に作り出した。
「えっと、最後に質問ですが、死にたいですか?」
西東の質問に「ふざけんなよ!」と返した女を一人置いて西東はその場から離れていく。
内側と外側から貼られた八重結界は、中から出られず、外から入る事が出来ない、絶望の檻であった。
西東は女を絶望の檻で囲い笑っていた。
「僕は、どうしたんだ……教えてくれよ……アコ……」
西東のそんな姿を見ている影が一つあった、そんな影が不適に笑みを浮かべる。
「キッシッシッ、いいねぇ! 実に有能な神材じゃないか、早く心が壊れてくれないかなぁ? そしたら、私の最高の作品にしてあげるのに、楽しみ過ぎてアドレナリンが全身から噴き出しそうだわ!」
黒い影の女はそう口にすると体をくねらせながら赤面する。
それを知らない西東は、次々とお仕置きと言う名の絶望の檻を作り出していくのであった。
皆様の気分が悪くないか心配です。




