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フリーマーケットがありました。

フリーマーケットだよ!

今日は朝から大忙しだ。


近所でフリーマーケットがある。

その為、僕とアコは要らないものを処分するために朝から荷物を運んでいる。


前もって登録は済ましてあるので、シートまで荷物を運ぶ為に今日は近所の大工さんからリアカーを借りてきた。


家の使わない部屋にあるランプや、電化製品をごっそり乗せて家をでる。


「アコ!戸締り大丈夫?」


そう言われ鍵を確認するアコ。

扉から窓に勝手口、全てを確認すると腕を組み鼻高々に笑っている。


「西東!喜べ、全てアコが確認したぞ!どんな泥棒もこの鉄壁の要塞には入れないぞ!ふふふ、あはは!」


アコはフリーマーケットが楽しみすぎて変なテンションになっている。


「わかったから、アコも手伝ってよ?意外にリアカーって動かしにくいんだよ」


やれやれっと、いった表情でアコがリアカーを後ろから押してくれる。


やっとの思いで会場についた。

会場は近くの広い公園だ。


既に色々な商品が並び人も集まりだしていた。

西東とアコも急ぎシートに商品を並べ、値札を付けていく。


高いか安いかは買い手次第だろうが、僕の中では此れが最低限だろうと言う値段を書いたつもりだ。


御客さん からの反応は悪くなかった。

最初に売れたのは、父さんの使っていた釣り道具のセットだった。


思い出の品ではあるが、僕は釣りはしない。

父さんも釣りをしない僕が持つより、ちゃんと使ってくれる人に使ってもらう方が喜ぶだろう。


父さんの口癖、『道具は使うから輝く、“目”に見える“一つ”の選択を“八通り”の道に広げる!それが道具だ』


僕が新しい物を欲しがる度に言われてきた。

小さい頃はよく分からなかったが今なら少しわかる気がする。


次々に売れていくが、買う人が毎回値段を再度確認してくる。


最初に釣り道具のセットを買った人は、3000円の値札を見て、一万円を出してきたが、「御釣りはいいから、良いものを買えたよ、ありがとう」と帰っていった。


お昼には、持ち込んだ商品の三分の二が売れていた。


アコの呼び込みもあり、御客さんは、次々にやって来た。

流石に疲れたので1度、『昼休み』の紙を貼り、昼御飯にする。


今日はコンビニで、おにぎりを大量に買ってきたので、アコの目が輝いていた。


「西東!これ全部たべていいのか!」

「いや、僕の分もあるから」

「そうだな、西東におにぎりを一つ、私におにぎりを二つ、西東に一つ、私に三つ」


アコの計算方法に泣きそうになる。


「アコ?ちゃんと分けないと夜ご飯抜きだからね」

「な、西東!」

「本気だよ」


アコは直ぐに おにぎりを均等に分けていく。


少し悔しそうなアコの顔が可愛くて笑ってしまう。

そんな昼休み中に、一人の女の子がやって来た。


「あの、すみません、このぬいぐるみ、いくらですか?」


それを聞きアコが おにぎりを食べていた手を止める。


「西東、御客さんだぞ?どうする」

「なら、再開だな、値段の書いてないのは、500円だよ」

西東は女の子にそう言う。

女の子は小さな鞄から小銭を数え出した。

西東がそれとなく覗き込むと430円しか無かった。

アコもそれに気付いたようだ。

「西東…… 」

「今から、値札の無い商品を300円に値下げします!」

西東がそう言いと女の子は笑顔を見せた。

それを見てアコも笑顔を見せる。

「お兄ちゃん、お姉ちゃん、ありがとう」

女の子はぬいぐるみを握り締め走っていった。


全ての商品が売れ、西東とアコもフリーマーケットを見て回ることにした。


色んな商品が並ぶフリーマーケットは、アコにとって宝の山だった。


「西東!凄いぞ、服も売ってるし、本もある。フリーマーケットが毎日あればいいのにな」

「毎日あったら、僕は破産しちゃうよ」


そんな会話をしていると、フリーマーケットの出口まで来てしまった。

出口の方は店は殆んどなく、人気も無い。

そんな中、二人の耳に叫び声が聞こえてきた。


「返してよ、私の人形かえして」

それはさっき走っていった女の子だった。


そして女の子の ぬいぐるみ を取り上げているのは、高校生くらいの男達だった。


アコは直ぐに飛び出そうとしたが、西東に止められた。

「西東、何故止める!お前はあの子を見捨てる気か!」

「アコ、いいから待て!何とかするから」


しばらく、言われるままにアコは我慢したが、限界を迎えた。


「西東の薄情者!そんな奴とは思わなかったぞ」

アコはナイフを取り出した。


「待つんだ!アコ」

そう言いアコの肩を掴んだ。

しかし、アコはその手をナイフで切りつけた。

「ぐぁ、いて」

「卑怯者の指図など、うけん!」


そんな時、お仕置きリストが輝いた。

「やっとか、イテテ」


西東は、天界に直ぐにお仕置きリストに学生を入れるようにお仕置きリストを使って連絡をしていたのだ。


そして、許可がおり、お仕置きリストに学生、三名が加わったのだ。


西東は、直ぐに結界の用意を完了させると直ぐに学生達の元に走り出した。

そして、ぬいぐるみを持っていた男に突進すると直ぐに ぬいぐるみ を女の子に手渡した。

「走って!はやく」

「え、うん」

女の子が走り出すと同時に女の子の後ろから内側に向けて結界を作り出した。


「なんだ!お前ふざけんなよ!」

学生達は西東に向かってくるが西東は笑っていた。


「お前達、今から始まるお仕置きは痛いから覚悟しとけよ?」


学生達は訳がわからない、と言う顔をして西東を見ていたが、アコはナイフを両手に構え、問答無用に襲い掛かった。


説明は要らないだろう。

アコの必要以上のお仕置きが終了し彼等を蘇生の為に天界に送る。

後は天界が時間やらを調節して戻してくれるので問題ない。


女の子が人を呼んできてくれたが、既に全てが終わった後であり、西東達は、軽く嘘の説明をして丸く納めた。


帰り道。


「今日は疲れたな、アコ大丈夫か?」

「西東、さっきは、酷いことを言ってごめん、許してくれ」

アコはかなり気にしていた。


「仕方ないさ、あの状況で待てって言われたら、皆そうなるさ」


「西東、私は西東を信じるからな!明日も明後日も信じる」

「あはは、ありがとうアコ」

「うむ、そして、次回も一緒にフリーマーケットで御店をやろう。次回はリアカーに積めないくらい持っていくぞ」


あ、


「リアカー、忘れてきた!アコ戻るぞ、次に貸してもらえなくなっちゃう」


「なんと!西東急ごう!」


最後まで慌ただしい1日、二人で初のフリーマーケットを楽しんだ。


出来たら毎日更新したい。

皆様、お付き合い頂けたら嬉しいです。


ブックマークしてくれた方ありがとうございます。

頑張れます!頑張ります!

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