まさかの真相はゴーラにあり?
空から最中に乗り突如現れた雷公鳴神に驚く西東とアコであった。
しかし、それはこの場にケルルロッテもいると言うことだった。
「えっと、鳴神さん? 脱獄されたんですか」
そう聞く西東の顔は少しひきつる。
「脱獄って言うより? 脱走かしら?」
「言葉変えただけで一緒ですよ!」
「あらあら? 言われてみたらそうね」
マイペースに話す鳴神にアコがイライラし始め、鳴神へと質問を開始する。
「鳴神様! 此処にケルルロッテはいるの」
そう質問をした時だった。
突如、空から巨大最中が西東とアコの前に落ちてきたのだ。
「うわぁ! 近くで見ると更にでかいなぁ……」
西東がそう口にした瞬間、最中の皮と皮の間から全身真っ黒な女の子が出てきたのだ。
「鳴神! 早くコイツら連れて帰ろうよ? 遅くなると天御中主神が心配するよ」
「あらまぁ? そうね、ごめんなさい。モナカちゃん」
鳴神とモナカの会話が終わり、西東とアコの前に歩いていくモナカ。
「君は? ええっと、僕は西東、こっちはアコ」
「あ、確かに? 自己紹介がまだね。私は、最中 庵壷よろしくね」
軽く挨拶を交わし、西東とアコは鳴神とモナカと共にケルルロッテと天御中主神の元に行くことになった。
西東とアコが神父に転送された世界、それは、“桃源郷”そして、案内されたのは、古い屋敷であった。
鳴神が西東とアコの前を歩き、モナカが一番後ろからついてくるようにして、中に入っていく西東とアコ。
中には天御中主神とケルルロッテ、風伯、更に数人の神と思われる者達が円を作るように座っていた。
ケルルロッテを見るなりアコが走り出す。
「ケルケル! 大丈夫?」
「アコ、落ち着いて、大丈夫よ」
泣きそうなアコの頭を撫でるケルルロッテ、そんな姿を見て微笑む神々。
「西東大輝さん、前切アコさん、二人もお座りなさいな 」
そう口にしたのは、天御中主神であった。
言われるがままにその場に座る西東とアコ、そして、鳴神とモナカ。
今、話し合われている内容は、神父の救出とある神の討伐についてであった。
内容だけを聞いていて西東は不自然に感じる物が多々あった。
以前、風伯の屋敷で西東に語られた内容と今の話が余りに違いすぎたからであった。
西東の顔を見た風伯が西東の前に移動すると頭を下げたのだ。
「本当にごめん! 西東さん、実は神父と話して、西東さんとアコさんには真実を伝えないままにしたんだ、勿論、鳴神にも秘密にしていたんだ」
いきなり謝る風伯の言葉に混乱しながら西東は情報を頭で整理していく。
風伯が西東に話した話は、神父と天御中主神は仲間同士であった。
しかし、本来、力の拮抗を壊しかねない二人は互いに一定距離を置くことで其れを守ってきたのだ。
そんな二人の内、神父はその力を伸ばし、天御中主神はその性格から、力を放棄するようになっていった。
しかし、二人は人間の住む下界をよくすると言う目的を忘れた事はなかった。
そんな、神父と天御中主神と違い人間の価値を無とする考えをする真武大帝はあろう事か西東が天御中主神派の忠臣、風伯と接触した事実を知り神父に対して謀反の疑いを掛けたのだ。
真武大帝の真なる目的は、神父が、どちらに付くかであった。
そして、神父は裏で天御中主神に密書を送り、真武大帝の考えと互いに危険が迫っている事実を告げたのであった。
そんな、天御中主神に風伯が「私が一人で引き受けますので、どうかあとの事をよろしくお願い致します」そう言い、わざわざ、目立つように西東とアコを屋敷に招待したのだ。
本来は風伯が西東とアコを招待して何もない事をアピールする筈だったが真武大帝は、其れを好機と判断したのだ。
直ぐに神兵が風伯の屋敷に送られる事になり、神父はその事実をアコに伝えた。
「決して神兵の邪魔をせず、大人しく風伯を拘束させるように」と最後に付け加えたのだ。
結果を見れば、西東とアコに対する時間稼ぎになり、真武大帝も、仕方なく書類での召還を余儀無くされた。
ケルルロッテに対して神父はアコと西東の監視を命じたのも時間稼ぎの為であった。
予想外だったのは、アコが天御中主神の店の常連になっていった事であった。
その為、計画は、本来より早くずれ込む形になってしまったのだと風伯が西東に語った。
「まさか、アコのゴーラ好きのせいでそうなったんですか!」
「はい、残念ながら……計画が一気にずれ込みました」
その話を聞いてアコが私は悪くないと言う顔をしたが、西東の顔を見た瞬間に「ごめん……西東」と口にしたのであった。




